【東京下町風景】夏の風物詩!浅草寺の「四万六千日・ほおずき市」

初夏の訪れとともに全国各地で開催される「ほおずき市」。都内最古といわれる浅草寺でも、毎年7月9日、10日「四万六千日」の縁日に伴い「ほおずき市」(開催時間:8時〜21時)が開催されます。

※2021年の入谷朝顔まつりは開催中止となりました。

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そもそも縁日とは?四万六千日って何のこと?

縁日とは「神仏と縁を結ぶ日」のことで、この日にお詣りをすれば徳があるとされています。浅草寺では、7月9日、10日の観世音菩薩の縁日が四万六千日(しまんろくせんにち)として有名。この特別な縁日を「功徳日」といい、46000日間参拝したのと同じ功徳が得られることから「四万六千日」と呼ばれるそうです。

功徳日が設けられるようになったのは室町時代末期からのことだそうで、浅草寺の7月9日、10日の功徳日は元々は「千日詣」だったのが、江戸時代から「四万六千日」になったのだとか。ちなみに浅草寺では毎月1回100日〜6000日の功徳日が設けられています。※功徳日は寺社によって異なります。

その中でも7月10日の「四万六千日」はダントツに多い功徳日なんですよね。46000日間を1年365日で割ると約126年分!ちょっと欲張りすぎのような気もしますが…1回のお参りで一生分の功徳が得られる縁日とあって大勢の参拝客で賑わいます。

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浅草寺と愛宕神社の相互作用による「ほおずき市」のはじまり

有名な浅草寺のほおずき市ですが、浅草寺のウェブサイトによると、四万六千日の縁日は、浅草寺にならって他の神社でも行われるようになり、そのうち愛宕神社でほおずき市が立つようになり、その影響で浅草寺にもほおずき市が立つようになったのだそうです。

四万六千日の縁日の参拝は江戸時代には定着し、われ先に参拝しようという気持ちから、前日9日から境内は参拝者で賑わうようになった。このため、9日、10日の両日が縁日とされ、現在に至る。 四万六千日にともなうほおずき市の起源は、明和年間(1764〜72)とされる。四万六千日の縁日は浅草寺にならって他の寺社でも行なわれるようになり、芝の愛宕神社では四万六千日の縁日にほおずきの市が立った。「ほおずきの実を水で鵜呑み(丸飲み)すれば、大人は癪(なかなか治らない持病)を切り、子供は虫気(腹の中にいると考えられた虫による腹痛など)を去る」という民間信仰があり、ほおずきを求める人で賑わったそうである。その愛宕神社のほおずき市の影響を受け、四万六千日の大本である浅草寺にもほおずき市が立った。 

浅草寺ウェブサイト/四万六千日・ほおずき市より抜粋

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鮮やかな朱色のほおずき、風に吹かれて鳴り響く風鈴、粋な鯉口シャツに腹掛けをした売り子たちの威勢よい掛け声、浴衣姿でそぞろ歩きを楽しむ人々……浅草の夏の風物詩です。

ほおずきの種類・値段・選び方

浅草のほおずき市は全国でも最大規模!浅草寺境内には100軒以上ものほおずき屋台がズラリと並びます。ほおずきのお値段は、鉢植えが2500円、枝ほおずきが小は1500円、大は2000円。ほおずきの実の袋詰が500円といったところ。最終日の終了間際は値引きしてもらえたりしますが、それまではどの店もほぼ一律の金額となってます。

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厄除けになるという枝ほおずきは、とても愛らしい朱色に熟したものが販売されています。部屋に飾っておくだけで元気がもらえそうです。

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ほおずきは多年草なので、毎年初夏から夏にかけて可愛いホオズキがなります。観賞用として長く育てたいならば断然鉢植えがオススメです!サービスで風鈴のついた鉢植えもありますよ。(風鈴は単品500円で販売している店もあり)

鉢植えのほおずきはまだ果実が熟しておらず、袋がグリーン色のものがほとんど。たくさんの鉢植えを目前にどれを選べば良いのか迷うかもしれませんが、幹がしっかりとして葉が良く茂っているものであればOK!あとは好みの風鈴を選ぶだけです。

露店食べ歩きは縁日の楽しみのひとつ

浅草寺の境内から近辺の通りまで、たくさんの露店が軒をつらね、たこ焼き、イカ焼き、焼きそば、お好み焼きなど昔ながらの定番B級グルメから、最近よく見る鮎の塩焼きetc…境内付近はそこかしこで魅力的な香りが漂っています。

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都内で開催されるその他のほおずき市

都内では、港区の愛宕神社・朝日神社、文京区の光源寺、八王子の信松院などで「ほおずき市」が開催されます7月中旬から下旬にかけて催される「ほおずき市」は以下の通りです。

文京朝顔・ほおずき市

文京朝顔・ほおずき市では、傳通院(でんづういん)に朝顔市、源覚寺(げんかくじ)にほおずき市が立ちます。

文京区公式ウェブサイト

神楽坂まつり・ほおずき市

4日間開催される「神楽坂まつり」のうち、前半の2日間、毘沙門天善國寺を中心にほおずき市が立ちます。(期間中様々なイベントが行われ、後半は阿波踊りなどもある)

神楽坂通り商店会ウェブサイト

深大寺ほおずき(鬼燈)まつり

浅草寺の改修工事のため、店のほおずきが余ってしまったことがきっかけで2009年から始まったという、まだ年数の浅いほおずき市です。(期間中は、調布よさこい、ライブ、物産展などが行われる)。

深大寺鬼燈まつり公式ウェブサイト

ほおずきの育て方

ほおずきの鉢植えは日当たりの良い場所に置きます(日当たりが悪いと実の付き方が悪くなる)。乾燥が苦手で湿り気のある土が良いので水切れしやすい夏は毎日朝夕2回水やりをし、暑くなりすぎるベランダなど乾燥しやすい場所では、半日影に移動するのがベター。

耐寒性、耐暑性があり、丈夫なので初心者でも育てやすいのですが、根詰まりを起こしやすく、連作障害の問題があるので、鉢植えの場合は1年に1度(3月〜4月頃)、株分けを兼ねて植え替えを行う必要があります肥料は緩効性化成肥料を定期的に置き肥します。

アブラムシやカメムシがつきやすく、新芽や茎から養分を吸い弱らせてしまうので、見つけたらすぐに駆除します。

冬は枯れて一見ダメになってしまったように見えますが、また復活します。すごい生命力です!

ほおずきは、小さな花が咲いた後、風船のように袋が膨らんできます。袋の中に実る果実が熟すにつれ、グリーン色の袋も少しづつ朱色に色づき愛らしい姿になっていきます。また、新鮮なほおずきをドライフラワーにすると葉脈の繊維と朱色の果実が美しい「透かしほおずき」を作ることができ、それもまた風情があります。ほおずきは、色を変え形を変えながら長く鑑賞が楽しめる植物です♪