セドナに行くなら立ち寄りたい!鉱山町として栄えた古い歴史の町並みが残る「ジェローム」

ジェロームは、カリフォルニアのゴールドラッシュ時代とほぼ同時期の19世紀後半にアリゾナ州ヤバパイ郡ブラックヒルズの山の中腹(標高約1600m)に設立された町。マイナーな観光スポットではありますが、かつて鉱山町として栄えた古い歴史の町並みを散策することができます。

古い町並みが残る「ジェローム」の歴史

ジェロームの町は、セドナとプレスコットのちょうど中間あたりに位置し、セドナからは州道89Aを南下し車で約30〜40分。第一次世界大戦中に鉱山生産のブームを迎えたというジェロームは、 最盛期には1万5000人もの人々が住んでいたそうですが、その後下落と上昇を繰り返し、第二次世界大戦後は徐々に銅の需要が減ると同時に鉱床が枯渇、1953年に鉱山が閉鎖されると1950年代半ばまでに人口100人未満に減少してしまい、一時はゴーストタウンのような町に変貌してしまったといいます。

その後ジェロームの古い町並みを保存する動きが始まり、1965年にダグラス邸が州立公園に指定され、また1967年にジェロームが国立歴史的建造物となり、芸術&歴史の町として復活!現在では約450人の住民がいる町となっています。


Main Street, Jerome

「リトルデイジー鉱山跡」を見学

ジェロームへの山道を上る手前のダグラス ロードを右折し、道なりに進むと「ジェローム州立歴史公園/ダグラス邸(Jerome State Historic Park/The Douglas Mansion)」があります。銅鉱山業界で財産を築いたジェームズ ウォルター ダグラスが所有していた自宅兼ホテルだったもので、現在はジェロームの歴史や当時の生活について、またジェロームの地下坑道がひと目で分かる立体地図などを展示している博物館となっています。

博物館(8:30-17:00営業)は有料ですが、公園の手前にあるダグラス家が所有していたという「リトルデイジー鉱山跡」は無料で見学することができます。

オードリー ヘッドフレーム シャフトの深さは約580m!634mのスカイツリーよりちょっと低いくらいの長さですね。1915年から1938年の間に、約400万トンの鉱石が鉱山から採掘され、397000tの銅、221tの銀、5.5tの金が生産されたそうです。

Little Daisy Mine

クレオパトラ ヒルの眺め

鉱山跡からは、クレオパトラ ヒル山頂付近の大きな「J」のサインと、中腹周辺の急坂に住宅やホテルなどが並ぶジェロームの町を眺めることができます。

2つの山の鞍部のトップに幽霊スポットとして有名な「グランドホテル」が見えます(写真左下)。ジェロームは幽霊が出る町としても知られており、特にこの「グランドホテル(Grand Hotel)」(1996年開業)は、多くの宿泊客が心霊現象を目の当たりにしているという幽霊スポットとして有名。かつて「ユナイテッドヴェルデ病院」(1926年開業、1950年閉鎖)という病院だった建物で、当時は非常に多くの怪我人や病人が亡くなったのだとか。ホテルの建設が始まるまでの44年間は廃墟同然だったといいます。個人的に宿泊はおすすめしませんが、一応ゴーストタウン・ジェロームとして観光名所になっています。


Cleopatra Hill and Big “J” sign

ジェロームの町を散策

ジェロームの町はとてもコンパクト。メインストリートを中心に、アートギャラリー、ギフトショップ、ブティック、カフェ、レストラン、ワインバーなどが並ぶほか、古い建物や廃墟となった建物をそのまま利用したアートギャラリーがあったり、西部開拓時代特有のウエスタン サルーンのようなバーがあったりと、約100年前に繁栄したジェロームにタイムスリップしたような雰囲気を肌で感じることができます。

ジェロームのメインストリート

Main street, Jerome


Firefly Gallery


The Sprit Room and The Conner Hotel


Nellie Bly Kaleidoscopes

一押しのギフトショップ「ラフィング マウンテン」

ジェロームでお土産を買うならメインストリートの北端にある「ラフィングマウンテン(Laufing Mountain)」がオススメ!

衣類やバッグをはじめ、クリスタル、ウインドチャイム、ポット、キャンドル、サン&ムーン・ココペリ・エンジェルグッズなどなど、地元のアーティストさん達によるユニークなアート作品やキュートな雑貨が目白押しです♪ 

Laughing Mountain
116 Main St, Jerome, Arizona

シュールな雰囲気が漂う「バーレットホテル」

1901年に建てられジェロームで活躍したという「バートレットホテル(Bartlett Hotel)」。刑務所同様1938年の地下爆破によって建物が不安定になり1940年代に廃墟になってしまったといいます。

一見、ホテルというより刑務所だったのではと感じる雰囲気で、屋内に残っている置物やアート作品がとてもシュール…現在、内部は立入禁止となっています。


Ruins at the Bartlett Hotel

その他の見どころ

メインストリートの西側の州道89A沿いにはモダンなショッピングモール「ジェロームUVXセンター(Jerome UVX Center)」があり、また東側のハル アヴェニュー(Hull Ave.)には、「ビジターセンター」のほか、吹きガラスと陶器のスタジオ「ラ ヴィクトリア スタジオ(La Victoria Studio)」と「ラク ギャラリー(Raku Gallery)」など個性的なアートギャラリーがあります。

アートギャラリー&ショップ


The Merchants gathering and Visitor’s Center


English Kitchen and Liberty Theatre & Gifts

「ラ ヴィクトリア スタジオ」の工房は、元々は食料品店だったという廃墟をそのまま使用している味わい深い空間!12時頃から17時頃までのほとんど毎日デモレーションを行っていて見学することもできます。


La Victoria Studio


Raku Gallery

地滑りで引き離された刑務所

1938年の地下爆破によって地滑りが起き、部分的に引き離されてしまったという刑務所の史跡(一部)「スライディング ジェイル(Sliding Jail)」がハル アヴェニュー沿いにあります。元々は60m以上先にあるメインストリートとハル アヴェニューの間に刑務所があったのだとか…。今にも崩れ落ちそうな建物ですが、擁壁によってかろうじて存在しています。

このスライディングジェイル前の広場から見る景色もなかなかです。

Jerome’s Sliding Jail

夕暮れ時のヴェルデ渓谷&セドナのレッドロック

消防署の横道「ジェローム パーキンスヴィル ロード(Jerome Perkinsville Rd) 」を上ったところに無料のパブリックパーキングがあり、眼下にヴェルデ渓谷と、セドナ方面のレッドロックが横たわる景色を一望することができます。

ちなみにジェローム パーキンスヴィル ロードを更に進むとゴールドキング鉱山の「ジェローム ゴースト タウン(Jerome Ghost Town)」があります。


Verde Valley and Red Rocks

Jerome
Jerome, Arizona

 コットンウッド オールドタウンへ

ジェロームからセドナへは州道89Aで北上。途中で通りかかるコットンウッドに、小さいながらオールドタウンの町並みが楽しめる通りもあるのでドライブついでに立ち寄ってみても良いかも知れません。

コットンウッドから車で北へ5,6分走ると、レッドロックの雄大な景色を眺めることができる観光列車「ベルデキャニオンレイルロード(Verde Canyon Railroad)」や、ネイティブアメリカンのシナグア族の住居跡がある「ツジグート国定公園(Tuzigoot National Monument)」(モンテズマ城国定公園と共通チケット)などの人気観光スポットがあります。


Arizona 89A North

Merkin Vineyards Tasting Room & Osteria and Bing’s Burger Station


Larry’s Antiques

セドナ周辺 マップ

あとがき…

ジェロームはとても小さい町なので、食事を入れても2時間あれば十分に散策が楽しめます。地味な場所ではありますが、山の中腹に突如として現れるユニークな町並みは一見の価値があります。約100年前に栄えた古い鉱山町の歴史探訪を兼ねてセドナからの日帰りショートトリップがおすすめです。