【浅草グルメ】伝統の味を守り続ける浅草の老舗そば処「尾張屋」

永井荷風ゆかりのお店「尾張屋」へGO!

1860年創業の老舗そば処「尾張屋」は、文豪・落語家・力士などの著名人をはじめ、多くのファンを虜にしてきたという名店。場所は雷門からすぐの雷門通り沿いにあります。(東京メトロ浅草駅(3番出口)付近にも支店あり)

観光スポットの中心地ということもあって値段はちょっとお高め…ということで、いつも素通りしていたお店なのですが、明治生まれの文豪・永井荷風に関する本を読んだことがきっかけで、今回はじめて尾張屋の暖簾をくぐってみました。

尾張屋の店内の様子

開店の11時半前からすでに列ができており、案内されたのは2階席。あっという間に満席になりました。

尾張屋のメニュー

蕎麦は、ざるそば、茶そば、かしわ南蛮、鴨せいろ、天ぷらそばなどのほか「そばがき」(蕎麦粉を熱湯でこねて餅状にした食べ物)などもある豊富なメニュー。きしめん、釜あげうどん、丼もの、板わさなどもあります。(会計は現金のみ)

一番人気の「天ぷらそば」

こちらは多い時で1日1000本は揚げるという名物のえび天がのった一番人気の「天ぷら蕎麦」。国産のそば粉を使ったコシのある蕎麦に、コクがあってさっぱりとした本かつお節のつゆと、丼からはみ出るほど大きな海老天が2本入っています。エビの天ぷら、三位一体の旨味!深いコクと豊かな風味が口いっぱいに広がります。

車エビの上天ぷら蕎麦(2800円)もありますが、天ぷら蕎麦(1700円)でも充分満足できる美味しさです☺︎

永井荷風が愛した「かしわ南蛮」

こちらが文豪・永井荷風が食べていたという「かしわ南蛮」。鶏とねぎのダシが濃厚で、しっかりした味の鶏のむね肉も柔らかくて美味しい♪ 毎日食べても飽きない味に納得です。

永井荷風と尾張屋

晩年の永井荷風は、毎日のように浅草に通い日課のように「尾張屋」に通ったといいます。いつも12時5分に暖簾をくぐり、いつもの席に座ってお茶をいっぱい飲んでから決まってかしわ南蛮を食べる。汁まで綺麗に平らげると再びお茶を一杯飲み干し、ピン札で支払いを済ませタクシーで去っていく。というのがいつものパターンだったのだとか。粋ですね〜☺︎

永井荷風が最後に尾張屋に来たのは昭和34年3月1日、店で倒れて店員に助け起こされたそうで「断腸亭日乗(だんちょうていにちじょう)」(1917年9月16日から1959年4月29日まで書かれた荷風の日記)には、「日曜日。雨。正午浅草。病魔歩行困難となる。驚いて自動車を雇ひ乗りて家にかへる」とあります。その後尾張屋に現れることはなく、ちょうど2ヶ月後の4月30日、荷風さんは市川の自宅で亡くなられたそうです。

尾張屋
東京都台東区浅草1-7-1
050-5493-4134

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【東京下町カフェ】160余年の歴史を持つ老舗の甘味処「浅草 梅園」