【 アリゾナ州ページ】自然が織りなす造形美と幻想的な光芒「アンテロープキャニオン」

アリゾナ州ページの東、ナバホ居留区にある「アンテロープ キャニオン」は、広大な砂岩に囲まれた渓谷。キャニオン上流から流れ込む激しい鉄砲水や風などにより長い年月をかけて深く侵食され、曲線を描く美しい造形の「スロット キャニオン(幅の狭い渓谷)」です。

※こちらの記事は他サイトに掲載していた2014年8月のブログをもとに再投稿しています。

「アンテロープ キャニオン」について

アンテロープキャニオンは乾燥地帯の砂漠気候ですが、スコールが起きやすいモンスーンの時期は、雨が降ると上流からアンテロープキャニオン向けて一気に鉄砲水が発生します。この激しい水流や風の侵食によって柔らかい砂岩が削られ、気の遠くなるような長い年月を経て、丸みを帯びた美しい波状の流線フォルムが生まれました。

この秘境が発見されたのは1931年。ナバホ族の羊飼い少女がロウワーの割れ目を発見し、次いでアッパーが発見されたのだそうです。その後1990年代に入ってからアンテロープキャニオンの観光地化が始まりました。

現在、観光できるアンテロープキャニオンは主に「アッパー アンテロープ キャニオン」と「ロウワー アンテロープ キャニオン」の2ヶ所ですが、近年の観光客の増加により、2016年から「キャニオン エックス」にもアクセスできるようになっています。

ナバホ居留区にある「アンテロープ キャニオン」は、個人による観光は不可のため、キャニオン内の見学はナバホ催行のツアーに参加することになります。

アンテロープキャニオンの入場料

アンテロープキャニオンは、米国政府から独立した国家という位置づけのナバホ族管轄エリアになるため、アメリカ国立公園の年間パスは使用できません。ツアー申し込みの際にナバホ公園&レクリエーション入場料として1人8ドル支払うことになります。(アッパーとロウアーの両方行く場合はレシートを見せれば最初の8ドルのみでOK)

鉄砲水について

アンテロープキャニオンで起きる鉄砲水は、ここに降る雨が原因ではなく、キャニオン上流の数10マイルも離れた場所で降る雨によって発生します。(鉄砲水が発生したときの映像はユーチューブにいくつもあがっています。)

鉄砲水の発生はモンスーンシーズン(7月〜9月頃)がもっとも危険な時期と言われています。過去の事故では1997年8月12日、ロウワーアンテロープ キャニオンに突如鉄砲水が発生し、11名の観光客が犠牲に(うち2名が行方不明)…その日のキャニオンにはほとんど雨は降っていなかったそうです。それを踏まえて現在は、上流で雨が予報されるとアンテロープ キャニオンは一時閉鎖になります。自分でも事前の天気予報は注意しておきたいですね。

ちなみに、以前までのロウワーキャニオンは、ロープやはしごでキャニオンを上り下りしていたそうですが、事故後の1998年に再開された時に、新しく設置された鉄製の階段が登場。階段ができたことによって冒険家以外の観光客も訪問できるようになったということです。


Anteloppe Canyon Map

いざ「ロウワー アンテロープ キャニオン」へGO!

ページのダウンタウンからアンテロープ キャニオンまでは約8km、車で10分程の距離。場所は3つの煙突が並ぶナバホ発電所が目印です。

AZ-98Eを東に向かいナバホ発電所の手前の道(Indian Rte222)を左折、少し行くとサインがあるのでそこを左折しダートロードを道なりに進むとロウワーアンテロープの駐車場&ツアーデスクがあります。また、AZ-98Eを右折するとアッパー アンテロープに行くことができます。

「ロウワー アンテロープ キャニオン」は、キャニオン内の道幅が狭く、いくつもの階段の昇り降りがあります。少々体力を使いますが、冒険心をくすぐる様なユニークなスポットが多く、コースも長め(約1600m)です。


Navajo Generating Station and Entrance of the Canyon

現地のツアーデスクにてチケット購入

まずはKen’s Tourのツアーデスクにてチケットを購入。ツアー代金は1人28ドル(ナバホパーク入場料8ドル込)の現金のみ。2時間後の13時15分出発で予約することができました。

30分待ち位ならば受付横にある屋根のついた待合所で待ってもいいのですが、さすがに2時間待ちはつらい…ということで一旦この地を離れました。

出発15分前に再びロウワーアンテロープへ!駐車場でトレッキングシューズに履き替え、ミネラルウォーター、タオル、日焼け止め、軍手(結局使わず)を持ってツアーデスク前の集合場所へ向かい、スタッフにレシートを見せて、いざ出発!ガイドを先頭にスロットキャニオンの入口まで約100mほど砂場を歩いていきます。

※アンテロープキャニオンでは、近年の観光客激増の影響もあり、ここ数年でツアー代金が値上がりしている模様。今後もさらに値上がりすると思われます。料金など、最新情報等は各ツアー会社の公式サイトにてご確認ください。

Ken’s Tours

Dixie’s Lower Antelope Canyon Tours

Taadidiin Toursキャニオンエックスのツアー会社)

※トイレは木陰のない灼熱の大地に設置してある簡易トイレのみ。事前にどこかで済ませておいた方が無難です。

巨大な砂岩に走る一筋の細い割れ目から潜入

ガイドさんに連れられ5〜10分ほど歩くとキャニオン入口に到着!赤褐色の広大な砂岩に1筋の細い割れ目が現れます。鉄砲水はこの割れ目に沿って流れていきます。


Lower Antelope Canyon Entrance

ロウワーアンテロープの岩床に降りる

人が1人通れるほどの狭い金属製の階段を下へ下へと降りて行きます。下に降りてすぐの場所に広めの空間がありガイドさんが説明してくれたり、写真を撮ってくれます。

その後は各自のペースで前進。ガイドさんの近くにいると、記念撮影をしてくれたり、トリック写真や選りすぐりの撮影スポットを教えてくれますよ。

自然が織りなす圧巻の曲線美!

浸食された滑らかな地層がいくつもの渦を巻いたような模様を描く岩壁。どこか別の星に舞い降りたような気分になります。

光と影による美しい岩肌の縞模様

上部の細い隙間から差し込む光によってサンドストーンが照らし出され、またその微妙な色彩の変化、光と陰の美しいラインがなんとも言えない幻想的な空間を造り出しています。

山脈のようなフォーメーション。天然のジオラマを見ているようです。

360度どこをみても写真映えする光景が広がっています!

美しい自然の芸術作品にうっとり…

土砂の混じった激しい鉄砲水が、どうしたらこのように滑らかで美しい造形美を作り出すのでしょう…驚愕します。

まるで神殿の柱のような砂岩の壁

キャニオンの岩床の幅は約1~3mほど、1mに満たない非常に狭い箇所もありあります。また、高さに関しては50mほどあるところもあり閉所恐怖症のような方には恐怖に感じるかもしれません。

上空で風が強く吹いたときでしょうか、時々、上から細かい砂が降ってきます。

自然が織りなす造形美

飛び出た巨岩が風にたなびくロングヘアの女性がに見えたり、鷹やサルに見えたり、まるで渓谷内は天然の彫刻美術館のようです。

「風に髪をなびかせる女性の横顔」


Lady in the wind @ Lower Aptelope Canyon

「イーグルヘッド」


Eagle Head @ Lower Aptelope Canyon

最後は階段を登って地上へ

ロウワーのルートは一方通行で、入口と出口は別の場所。最後は階段を上って大地の割れ目から地上に出ます。所要時間は1時間強といったところです。

※ロウワーアンテロープ内にはいくつもの階段があります。幅の狭い急階段なのでご注意を!

光の演出が美しい「アッパー アンテロープ キャニオン」

「アッパー アンテロープ キャニオン」を訪問したのは1999年4月、当時はまだ観光客も少なくすれ違うのは2-3組といった感じで、各々自由に散策することができました。現在は、観光客の増加に伴いツアー料金も年々高騰しているようです。

深い渓谷を下るロウワーとは違い、渓谷部分が地表と同じ高さにある「アッパー アンテロープ キャニオン」は、比較的に渓谷の幅が広く、道もほぼ平坦で、終始歩きやすいのが特徴です。また、キャニオンの頂上(約36m)の開口部から差し込む幻想的な陽光ビームが、ロウワーよりも顕著に見られることで人気があります。(美しい光芒の演出が見られるのは4月〜9月のみ、太陽が頭上に来る正午前後に見ることができます。)

現地のツアー会社「Adventurous Antelope Canyon」にて直接ツアーの申込みができますが、年々観光客数が増加しており、特にサマーシーズンは訪問者数が多いので、事前予約が無難のようです。ページからもツアーが出ています。

アンテロープキャニオンのベストシーズン

アンテロープキャニオンのベストシーズンは、4〜9月(7月〜9月は鉄砲水のシーズンでもある)、また太陽が一番高くなる時間帯の11〜14時頃までがベストタイムで、岩壁に光が差し込む美しいアンテロープキャニオンを見ることができます。


Upper Antelope Canyon

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