【イギリス・コッツウォルズ】英国一美しい村バイブリー「アーリントン・ロウ」の原風景に触れる

コッツウォルズ「バイブリー」へGO!

コッツウォルズ2日目の早朝5時、まだ夜の気配が残るなかホテルを出発し、バイブリー(Bibury)の「アーリントン・ロウ(Arlington Row)」へ向かいました。バイブリーは、英国の詩人ウィリアム・モリスが「イギリスで最も美しい村」と称え、なかでも石造りの家々が並ぶアーリントン・ロウは、コッツウォルズを象徴する風景、また英国のシンボル的な風景としても有名なスポット。イギリスのパスポートカバーの内側に描かれていることでも有名です。

午前中の早めの時間でもアジア圏からのツアーバスが3-4台で訪れることもあると聞いていたので、日の出に間に合うよう現地入りしました。宿泊先のボートン・オン・ザ・ウォーターからは通常であれば20分ほどの距離(約20km)ですが、街灯のない細い道を慎重に運転したので30分ほどかかりました。こちらのドライバーは、田舎道でも時速80-100kmと容赦なく飛ばし、遅い車はどんどん追い越していきます。遅いと行っても50−60kmは出てるのですけれど…。

空が明るくなってきたころアーリントン・ロウに到着。川沿いの小さな橋のたもとに路駐しました。観光客が増える日中はこちらの川沿いに路駐車がズラリと並びます。一応、B4425沿いに整備された駐車場もありますが、それほど大きくはありません。

テムズ川の支流「コルン川」

道路沿いを静かに流れるのはテムズ川の支流「コルン川(River Coln)」。水面からは白い湯気がほのかに立ちのぼっていました。日中は半袖でも過ごせそうですが、3月末の早朝はまだまだ寒くダウンジャケットを着ていて良かったです。

「アーリントン・ロウ」を歩く

川沿いの歩道からもアーリントン・ロウ(石造りのコテージ群)の姿を見ることができます。もうすぐ緑が生い茂る瑞々しい季節がやってきますが、枯れた草地と落葉樹の枝だけになったシルエットの淋しげな風景にも心惹かれます。

早朝の澄んだ空気の中、人影のない静寂な小道をゆっくり歩きました。

中世の面影を残す蜂蜜色の石灰岩とスレート葺き屋根

ライムストーン(石灰岩)で造られたコッツウォルズの建物は、いずれも歴史あるものですが、なかでもアーリントン・ロウは特に古く、1380年頃に羊毛倉庫として建てられたのが始まりとされています。

建物は1600年代に織工たちの住居として改装され、現在の姿へと受け継がれています。

9番地のホリデーコテージ

ナショナル・トラストが所有するアーリントン・ロウは、イギリス文化遺産として保護されており、外観も内装もきれいに保存されています。そのアーリントン・ロウの奥にひっそりと佇む9番地のコテージは、予約制で宿泊が可能な人気のホリデーコテージ。この村に暮らすような体験が楽しめますが、宿泊料金はやや高めです。⇛ウェブサイトはコチラ

上り坂になる手前にあるコテージ横の小径が、橋のたもとから続くショートコースの散策路(10分程度)。今回はそちらには行かずアークワード・ヒルの坂を上ります。

素朴な美しさを感じる田舎道

早朝は、鳥のさえずりが心地よく響きます。緩やかな上り坂が続く小道には、空高く伸びる木々とコッツウォルズ・ストーンの石垣が連なり、柔らかく差し込む朝陽がノスタルジックで優しい空気を漂わせていました。

小道の先に日本のキジに似た「コモンフェザント(Common Pheasant)」の姿を見つけました。イギリスの田園地帯で、よく見かける野鳥です。ちなみにコモンフェザントは、飛ぶのが苦手な鳥で警戒心も薄いので、車道に出てきて車に轢かれてしまうこともしばしば。コッツウォルズの長閑な風景とは裏腹に、道路を走る車は想像以上のスピードで走り抜けていくので、残念ながら路肩には事故に遭ったと思われる個体を何度も目にしました。

庭先には春の訪れを知らせるように色とりどりのが花が咲いています。

車へ戻ると、家の煙突からふわりと立ちのぼる白い煙が目に入りました。春の訪れが近いとはいえ、朝の空気はまだひんやりとしており、薪ストーブや暖炉を使用する家庭も多いようです。生活のぬくもりが感じられるホッコリとした一幕でした。

アーリントン・ロウのすぐ近くには「スワン・ホテル(The Swan Hotel)」があります。17世紀に建てられた石造りの建物を活かし、クラシカルで趣のある佇まいを今に伝える格式ある人気ホテルです。

30分ほどの滞在時間でアーリントン・ロウを後にし、次の目的地であるアッパー&ロウアースローターへと向かいました。

小さな村に共通することですが、アーリントン・ロウ周辺は携帯の電波が届きにくいエリアなので、カーナビを利用しない場合は、事前にオフラインマップをダウンロードしておくことをおすすめします。