【イギリス・コッツウォルズ】コッツウォルズの玄関口「モートン・イン・マーシュ」を散策

コッツウォルズの玄関口「モートン・イン・マーシュ」へGO!

ロンドンの北西約145km、オックスフォードからは約50kmに位置する「モートン・イン・マーシュ」は、鉄道網が限られることで知られるコッツウォルズにあって、珍しくアクセスに恵まれた町。1853年にオックスフォード・ウースター鉄道が開通する以前は、馬車駅として使われいたそうです。

かつてはボートン・オン・ザ・ウォーターやブロードウェイといった他の町にも鉄道駅があったそうですが、1960年代の全国的な鉄道廃止政策によりその多くが廃線となり、19世紀には一時的に地域全体が衰退期に…。そんな中で今も現役のモートン・イン・マーシュ駅には、ロンドンのパディントン駅から直通列車で約1時間半、オックスフォードからは約40分と、都市部からのアクセスも良く、その利便性から「コッツウォルズの玄関口」とも呼ばれ、観光の拠点として高い人気を誇ります。

古代ローマ時代の面影を残しつつ、中世から続くマーケットタウンとしての伝統を守り続けており、現在も毎週開かれる市場には、地元の人々と観光客が集い、町の歴史と暮らしが息づいています。

ハイストリート沿いには、その多くが17〜18世紀に建てられたという趣のあるライムストーンの建物が立ち並び、歴史を感じさせる街並みが続いています。駐車スペースを見つけるのに少し苦労しましたが、ちょうど車が1台出たタイミングで運よく停めることができ、20分ほど周辺のクイック観光を楽しみました。

町の中心にある「レデスデール・ホール」

町の集会や社交行事の場として1887年に建てられた「レデスデール・ホール(Redesdale Hall)」は、今でもイベントやフェアの開催など、町のコミュニティとして機能している公共ホールです。

訪問時の3月末はちょうど修復工事が行われていて(今春完成予定)、足場が組み上がっている状態だったので、時計塔を見ることはできませんでした。毎週火曜日にレデスデール・ホール周辺に200近くのストールが並ぶマーケットが開催され、訪問日の週末は移動遊園地の遊具が設置されていました。

最も古い建物のひとつ「カーフュー塔」

ハイストリートを挟んでレデスデール・ホールの向かい側には、16世紀に建てられたという町中で一番古い建物のひとつ「カーフュー塔(Curfew Tower)」が建っています。この塔は1860年まで、夜間の火災の危険性を人々に警告する晩鐘塔として使用されていたといいます。

人気の老舗ベーカリー「ハフキンス」

こちらは、モートン・イン・マーシュの中心部にある「ハフキンス(Huffkins)」。本格的なベーカリー製品から、ケーキやスコーン、サンドイッチ、ペイストリーなどを取り揃えた、1890年創業の老舗ベーカリー&ティールームです。

本店のあるバーフォードをはじめ、チェルトナムやモートン・イン・マーシュなど、コッツウォルズ各地に複数の店舗を展開しており、併設されたティールームでは、アフタヌーンティーや軽めのランチも楽しめる人気店です。

J.R.Rトールキンゆかりのパブ「ザ ベル イン」

「ザ ベル イン(The Bell Inn)」は、ロードオブザリングの著者「J.R.Rトールキン(1892-1973年)」が通っていたというパブで、案内板には、ロードオブザリングに登場する「跳ねる小馬(The Prancing Pony)」の宿屋のインスピレーションを与えたとあります。

イギリスの伝統的なビール「カスクエール(cask ale)」を提供しているパブで、中庭にビアガーデンもあるようです。


The Bell Inn
High St, Moreton-in-Marsh GL56 0AF

チャールズ1世が宿泊した「ホワイト ハート ロイヤル ホテル」

「ホワイト ハート ロイヤル ホテル(The White Hart Royal Hotel)」は、イギリスの市民戦争時代の1644年、チャールズ一世が避難所として滞在したというホテルで、その名には「ロイヤル(王室)」が冠されています。

中には入らなかったので確認できませんでしたが、その時に請求された王の未払いの手形の写しが今もホテルのロビーに展示されているそうです。口コミによると食事も美味しいと評判のようなので、時間が合えばこちらで食事するのもいいですね。


The White Hart Royal Hotel
High St, Moreton-in-Marsh GL56 0BA