まずは「コッツウォルズ」ってどんな場所? 壮観な田園風景が広がる「コッツウォルズ(Cotswolds)」は、ロンドンの北西約200km、ウィルトシャー・グロセスターシャー・オックスフォードシャー・ウァ…
【イギリス・コッツウォルズ】絵本のような丘の上の町「ストウ・オン・ザ・ウォルド」を散策
目次
「ストウ・オン・ザ・ウォルド」へGO!
コッツウォルズ滞在2日目の朝9時、宿泊していたボートン・オン・ザ・ウォーター(Bourton-on-the-Water)のホテルを出発し、最初の目的地である「ストウ・オン・ザ・ウォルド(Stow-on-the-Wold)」へ向かいました。
この町はボートンからおよそ6km北に位置し、その名のとおり「丘の上の集落」で、コッツウォルズ地方の中でも特に標高が高い場所のひとつです。
町の中心にある公共駐車場に車を停め、約1時間の散策を楽しみました。
中世の趣が漂う町並み
ストウ・オン・ザ・ウォルドは、古くから交易の要所として発展し、特に羊毛市場が盛んだった時代にはコッツウォルズを代表する商業都市として栄えた場所。現在でも、石造りの家々が並ぶ町並みには、アンティークショップや趣のあるカフェが点在し、中世の面影を色濃く残しています。
こちらは石造りの家々が連なるシープストリート(Sheep St)。ライムストーンで造られた外壁には枯れたツタが絡まり、歴史の重みと風格が感じられる景観が続きます。綺麗に整えられた低木や窓辺の植栽が丁寧な暮らしぶりを物語り、グレーやピンク、マゼンタ色などカラフルなドアが、古い街並みに遊び心を添えていました。
神秘的な光を放つ「聖エドワード教会」
町の中心にある「聖エドワード教会(St Edward’s Church)」は、11世紀から15世紀の長きにわたって増改築が繰り返されてきたという由緒ある教会です。(名前の「エドワード」は、イングランドの守護聖人の一人「聖エドワード懺悔王(Edward the Confessor)」に由来)
ゴシック様式を基調とした石造りの建物で、古い墓石が並ぶ墓地が印象的です。
扉の前に立つ2本の古いイチイの木
この教会を有名にしているのが、扉の両側に立つ2本の古い「イチイの木(Yew tree)」。木が扉を抱きかかえるように生えている神秘的な光景です。その姿はまさにホビットの世界を思わせ、実際にこの扉は、J.R.R.トールキンの『ロードオブザリング』に登場する「ドゥリンの扉」のインスピレーションになったとされています 。
長寿の木「イチイ」
イギリスの古い教会の周りに植えられていることが多く、宗教的・歴史的な象徴でもあるイチイは、杉や檜と同じように1000年単位で生きる長寿の木。この2本のイチイの木もとても古い樹木で、おおよそ12-14世紀頃の中世に植えられたものと推定されています。
美しいステンドグラスの教会内部
教会内部は、美しいステンドグラスと重厚なアーチに囲まれ、静かで荘厳な雰囲気に包まれています。
色とりどりのニードルポイントのクッション(礼拝の際に跪くためのひざ当て)や、黄金の鷲の朗読台など、細部にも温かみと信仰の深さが感じられます。教会オリジナルのマグカップは、訪問記念やお土産に良さそうです。
教会の隣に佇む静寂の宿「ストウロッジホテル」
聖エドワード教会に隣接する「ストウ ロッジ ホテル(Stow Lodge Hotel)」は、美しい庭園に囲まれた3つ星ホテル。1763年に教会墓地の横に牧師館が建てられ、そこが現在のストウロッジホテルとなっています。1930年代後半の戦時中には学校として使用され、現在のレストランへと続く廊下沿いには教室があり、また駐車場には野菜が豊富に植えられた家庭菜園があったそうです。
コッツウォルズの老舗ベーカリー「ハフキンス」
お土産とおやつ用のペイストリーを求めて、コッツウォルズの老舗ベーカリー「ハフキンス(Huffkins)」に立ち寄りました。ハフキンスは、創業1890年の歴史あるベーカリーで、本店のあるバーフォードをはじめ、チェルトナムやモートン・イン・マーシュなど、コッツウォルズ各地に複数の店舗を展開しています。店舗に併設されたティールームでは、アフタヌーンティーや軽めのランチも楽しめる、地元でも人気の高いベーカリーです。
ショーケースに並ぶ魅力的なケーキやペイストリー。おやつ用にはエクレアをチョイス☺︎
友人のお土産には、麻のエコバッグや紅茶などを選びました。
Huffkins Stow
Crossways House, Market Square, The Square, Stow-on-the-Wold, Cheltenham GL54 1AB
イギリス最古のパブ「ザ ポーチ ハウス」
こちらは、イギリス最古のパブと言われている「ザ ポーチ ハウス(The Porch House)」。案内板によると、木材の炭素年代測定から10世紀頃の建物で、コーンウォールのサクソン人公爵エセルマーの命により巡礼者のための建てられたホスピスとあります。その後は騎士団によって運営され、ダイニングルームにある16世紀の暖炉には悪霊を追い払うための魔女のマークが刻まれているのだとか。1615年にポーチが増築され1970年代にホテルになったそうで、現在も宿・パブ共に利用することができます。
とても趣のある建物で、ぜひ中に入って食事をしてみたかったのですが、ホテルでの朝食からまだ1時間も経っていなかったため、そのまま次の目的地「モートン・イン・マーシュ」へと向かいました。
The Porch House
1 Digbeth St, Stow-on-the-Wold, Cheltenham GL54 1BN