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【東京・神田】 昭和初期のレトロな名建築「学士会館」の勇姿を見納めに行ってきました

最後の勇姿を見に「学士会館」へGO!

東京神田にある学士会館は、1928年(昭和3年)東京大学発祥の地に建設された歴史的な建造物。2003年には国の有形文化財に登録されています。その学士会館が、老朽化に伴う再開発のため2024年12月29日(日)に閉館(一時休館)してしまうということで、最後のランチで学士会館を訪れ、学士会館の外観と1階フロアを写真に収めました。

下写真は、右側が1928年に建てられた4階建て旧館、左側が1937年に増築された5階建て新館。再開発期間は約5年間の予定で、2025年1月から休館し、旧館より少し後退して建っている新館は残念ながら来年4月から解体工事が始まる予定ます。(旧館部分は保存)

スクラッチタイルを使った品格のある外壁

薄いベージュと褐色のツートンカラーが上品な学士会館のクラシカルな外壁。壁面に施されている褐色のスクラッチタイル(縦に細い溝の模様)が、良い風合いを醸しています。

裏手の通りから眺める学士会館。再開発は、この通りの向かいの東側ビルとの共同再開発で、そちらは一足早く工事が始まっています。

学士会館正面玄関

白山通り沿いに面した旧館の正面玄関は、がっしりとしたアーチ状で、その周りを「富国石」という当時の新製品だったという人造石で囲まれています。左手に見えるのは、戦時中の金属供出で失われ2003年に復元されたという大灯籠。玄関の左右に設置されています。

学士会館には旧館の正面玄関のほか、新館側にある駐車場の一角にもエスカレーター付きのエントランスがあり、美しい装飾が施されている素敵なアプローチになっています。実際には新館の玄関しか使っていませんでしたが…こちらも取り壊しになってしまうのでしょうね…。

東京大学&日本野球 発祥の地 記念碑

学士会館旧館の正面玄関脇には、1991年/平成3年に建立された「東京大学発祥の地」 の記念碑(この地にあった東京開成学校と神田から本郷に移転していた東京医学校が合併し1877年/明治10年に 東京大学が創立)が、学士会館新館側には「日本野球発祥の地」の記念碑(日本に初めて野球を伝えたとされるホーレス・ウィルソン氏の野球殿堂入りを記念して2003年/平成15年に建立されたモニュメント)が建っています。

これらの記念碑の移動先については、学士会と再開発事業者によって検討されるそうです。

学士会館1階フロア

学士会館は、旧帝国系大学出身者(学士会員)のための親睦・交流の場として学士会が運営する施設ですが、レストラン・ホテル・会議室・婚礼会場などを備え、一部施設を除き非会員でも利用可能な複合施設です。

エントランスから1階フロアに入ると、鮮やかなレッドカーペットがお出迎えしてくれます。館内はクラシカルな造形と色調で、照明・家具・装飾などすべてにおいてレトロ感満載です✨️

重厚感のある落ち着いた「談話室」

談話室は、濃紺のカーペーットに白・ベージュを貴重にした壁、重厚感のあるテーブル席が並ぶ縦長のお部屋。アールデコの照明器具がとても素敵な落ち着いた雰囲気の空間です。

階段にもレッドカーペット。館内の随所に美しく彩られたステンドグラス窓が見られ、うっとり…。

七大学展示コーナー

こちらは国立七大学(北海道・東北・東京・名古屋・大阪・京都・九州)による展示コーナー。

学士会は、帝国大学(現在の東京大学)出身者によって1886年に設立され、2016年に創立130年を迎えた時点で、国立七大学(旧帝国大学)の卒業生・教員から構成される会員数は約4万人に達したといいます。

中国料理「紅楼夢」にて最後のランチ

最後にもう一度「紅楼夢」で食事をしたいと思っていたら、予約は昼夜共に営業最終日まですべて満席とのことで、予約なしで土曜日のランチタイムに突撃!開店30分前の一番乗りだったので席を無事確保することができ、しかもお気に入り席(写真右下)の近くでラッキーでした。こちらも何枚か思い出の写真をパシャリ。美しいステンドグラスと観葉植物、ダークブラウンの装飾や丸い棚に、選ばれた小物たち…と、ディスプレイデザインがホント素敵♡

料理も美味しく、クラシックで優雅な雰囲気が味わえる空間が好きでした。12月29日(日)の営業終了をもって閉店とは、とても残念です…。

  最後の「紅楼夢」の食事はランチコースで締めました✨️

学士会館 その他のレストラン・バー

フレンチレストラン「ラタン」は昨年8月一杯で営業終了。写真左の旬菜寿司割烹「二色」、右のカフェバー「セブンズハウス」も共に、12月29日(日)が営業終了日です。

学士会館 旧館ファサード

こちらは向かいの共立女子大側から学士会館・旧館を撮影した写真。旧館は曳家保存し耐震工事を行った上で保存される計画で、2026年4月から曳家工事(都市計画で白山通りが拡張されるため旧館を東側に約7mセットバック)が開始予定となっています。

あとがき

レトロで重厚な外観と内部のエレガントなデザインが美しい学士会館。昭和初期に建てられたこのクラシカルな洋風建築は、ドラマや映画のロケ地としてもよく使われ、「半沢直樹」の有名な土下座シーンなども話題になりましたね。

学士会館は、非会員でも利用できる優雅な雰囲気のレストランやカフェバーもあり、また皇居東御苑平川門からすぐという一等地でありながら無料駐車場も完備しているという素晴らしいスポットだったのですが、新館は解体、レストランも閉店ということで本当に残念でなりません…。ただ、この貴重な文化的資産である学士会館の旧館だけでも保存されるということは良かったとつくづく思います。

学士会館新館は東側隣地との共同再開発により、裏通りを含めた大型の共同ビルへと生まれ変わり、2030年中にリニューアルオープンの予定となっています。

最後の見納めとなるクロージングセレモニーは、2024年12月29日(日)15時より新館玄関前で行われます。

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