【群馬・渋川】1泊2日伊香保温泉の旅(水澤観世音〜水沢うどん街〜ロープウェイ〜石段街散策)

2023年3月初旬、東京から1泊2日で群馬県渋川市・伊香保温泉に行ってきました。ドライブ旅(水沢観世音〜水沢うどん街〜伊香保ロープウェイ〜伊香保温泉石段街)のまとめです。

「五徳山 水澤観世音」にお参り

都内からは首都高・関越自動車道経由で約2時間、まずは伊香保温泉の南・水沢山の東麓にひっそり佇む「五徳山 水澤観世音」にお参りしました。

推古天皇の勅願によって開かれたという水澤観世音(水澤寺)は、坂東三十三番札所の第十六番(鎌倉時代初期、鎌倉を出発地として神奈川・埼玉・東京・群馬・栃木・茨城・千葉の関東7県に開設された33箇所の札所)にあたる約1300年の歴史を持つ寺院です。

釈迦三尊が鎮座する「仁王門」

第2駐車場(約10台)に駐車し、急な石段を上って仁王門へ。石段の手前に手水舎があります。

仁王門には仁王尊と風神・雷神が祀られているほか、楼門の裏手にある階段を上がると、釈迦三尊が安置されています。古い造りで狭くて急な階段なので慎重に上り下りします。

中央に釈迦如来、左右に普賢菩薩と文殊菩薩、後ろに十六羅漢像が並んでいます。結構な高さがあり、高所恐怖症なので外の回廊には近づけませんでしたが、眺めの先には水沢うどん街が見えました。

大駐車場のカフェと直売所

本来なら仁王門の階段を上り、本堂を参拝して六角堂に至るのでしょうが、第2駐車場から300mほど坂を上ったトイレがある大駐車場に移動しました。

駐車場には無料で拝観できる釈迦堂のほか、気さくな店主さんで美味しいコーヒーが飲めると評判のオープンカフェ「ブーブーカフェ(Bu-Bu Cafe)」と、新鮮で安い地元野菜などが並ぶ農産物直売所があります。

本堂へ向かう途中には和菓子店、漬物店、土産店などが並び、古くなったお札やお守りが納められる納札堂があります。 

十一面千手観音菩薩が鎮座する本堂

元禄年間に建立されという本堂。前仏として千手観音が安置されており、その奥の厨子に衆生の一切の願いに救いの手を差しのべ、世の平和と人々の幸せを願っているという秘仏の十一面千手観音菩薩が鎮座されているそうです。

お守りや御朱印は本堂の前にある御札場で授かることができます。

六角堂と鐘楼の回向

地蔵堂とも呼ばれる六角堂(六角二重塔)は、地蔵尊信仰の代表的建築物。 地獄道、餓鬼道、畜生道、修羅道、人間界、天人界の六道(この世に生きるすべてのものは六道の世界に輪廻するという仏教の考え方)を守る地蔵尊が祀られており、 回転する地蔵尊を左に3回廻しながら、真心の供養を望みます。

鐘楼では回向(えこう)の鐘を打つことができました。(志納金一打100円)

お水取りができる「龍王弁財天」

鐘楼のとなりに水澤観世音の霊水「竜王弁財天」があり、池にはレプリカらしき小判が散りばめられていました。

鳥居前の看板には「此の水は 当水澤観音の霊泉にて 財を施し病を癒し天寿を全うする事は龍王辨財天の示す処也」と書かれており、お水取りができるようになっています。

水澤観世音は、風や水の流れなど自然の親密さを感じさせてくれるとても良い気に満ちています。滞在時間は1時間ほどでしたが、見応えのある寺院でした☺︎


五徳山 水澤観世音
群馬県渋川市伊香保町水沢214

水沢うどんの名店「大澤屋」にてランチ

水澤観音を参拝後は、水沢うどん街道の名店「大澤屋(第2店舗)」へ。すぐ近くに第1店舗があり若干メニューが異なります。9時開店で、訪問したのは10時半過ぎの早めのランチ。2組の先客がいました。注文してから自家製麺の本生うどんをゆでてくれます。

※水沢うどんは、群馬県渋川市の名物で、讃岐うどん、稲庭うどんと並ぶ日本三大うどんのひとつ

コシが強く透明感のある水沢うどん

水沢うどんは透き通るような光沢があるコシの強いツヤツヤ麺。モチモチとした弾力が楽しめます。大澤屋の水沢うどんは添加物不使用の自家製麺。基本のメニューはざるうどんですが、温かい釜揚げうどんもあり。契約農家から仕入れているという舞茸の天ぷらも絶品です!

写真は、ざるうどんに刺身こんにゃく、舞茸天ぷら、野菜天ぷら、小鉢がついた一番人気のセットメニュー「華(はな)」。昆布とかつおを使ったつゆと、すりゴマがたっぷり入ったごまつゆでいただきます。


水沢うどん 大澤屋(第2店舗)
群馬県渋川市伊香保町水沢198
0279-72-5566

宿泊先の「伊香保温泉ホテル天坊」へ

ランチの後は宿泊先のホテル「ホテル天坊」に車を停め、フロントにて「伊香保旅手帳」をゲット!伊香保観光に便利な情報・マップのほか、店舗などで使えるオトクな特典チケットなどが付いています。

▼「伊香保温泉 ホテル天坊」についてのブログ記事は下記リンクより御覧ください☺︎

【群馬・渋川】2種類(黄金の湯・白銀の湯)の温泉が楽しめる「伊香保温泉 ホテル天坊」に宿泊

「伊香保ロープウエイ」へGO!

伊香保ロープウェイ(営業時間:9:00-17:00)までは、伊香保町内を巡る「伊香保タウンバス」(1号線)を利用し、ホテル前の停留所「梨木坂」で乗車、「伊香保バスターミナル」で降車しました。

停留所からのぼり坂を2〜3分歩き、麓駅の「不如帰(ホトトギス)駅」に到着したのが12時10分。ロープウェイは15分毎の運行ですが、12:15だけ運行がなく12時半発のゴンドラに乗車。伊香保旅手帳の特典チケットを使うことで往復普通料金830円(片道普通運賃は500円/子供運賃は半額)が750円になりました。

※不如帰駅には市営駐車場(2時間300円/以降1時間100円)もあります。

標高955mの「見晴駅」に到着

物聞山(ものききやま)の山頂「見晴駅」までは約4分。結構な急角度なので、ちょっと怖いくらいのスリル感です。

冬になると葉が落ちる落葉樹に囲まれ、訪問した3月初旬もまだ殺伐とした風景でしたが、初夏から秋にかけては景色も一転し、新緑や紅葉など美しい景色がみられるようです。

見晴駅のすぐ下には冬季(11月15日~2月15日)限定の屋外スケートリンクが見えました。

展望デッキからの眺め

見晴駅からぼり坂を200mほど歩いていくと、上ノ山公園の「展望デッキ(ときめきデッキ)」に到着。眼下には伊香保温泉街、その背景には草津・苗場方面から谷川連峰、赤城山までの大パノラマの雄大な絶景が広がっています。

南東方面は空がガスっていて確認できなかったのですが、綺麗に晴れている日はスカイツリーも見えるそうですよ。ぜひ検証してみてください☺︎

二ツ岳と輝望の鐘

2段になった展望デッキの上段からは二ツ岳の雌岳(1317m)と雄岳(1345m)がよく見えます。こちらに設置してある「輝望の鐘」も鳴らしてみました。良い音が鳴り響きます♪

浅間山の上にイーグル雲

輝望の鐘を鳴らしたあと、ふと浅間山の方を見たら、いつの間にかガスった雲の一部がイーグルみたいな姿に変容していて感動!鷲はギリシャ神話ではゼウスの化身、また強さ、勇気、千里眼、不死などの象徴ですからね。今後の運気上昇に期待が高まりました☺︎


伊香保ロープウェイ
群馬県渋川市伊香保町伊香保558-1
0279-72-2418

石段街の頂上に鎮座する「伊香保神社」

伊香保ロープウェイの山頂・見晴駅近くの遊歩道から10〜15分ほど歩くと伊香保神社の裏手に出るので、本当はそのルートでゆっくり下山したかったのですが、残念ながらこの日は残雪があり進入禁止だったため、帰りも伊香保ロープウェイを利用。不如帰駅から約400mの(高低差約40m)のぼり坂を上り、石段街の頂上にある伊香保神社へ向かいました。

現在の伊香保神社の由緒では825年に創建、旧本社とされる三宮神社は750年創祀とあります。かつての山岳信仰時代、伊香保神社は伊香保には鎮座しておらず、一説には現・三宮神社(上野国三宮)の地に里宮としてあったのだそう。いずれにしても平安以降に伊香保へ移り温泉の守護神となったようです。また、社号を「温泉神社」と称した時代があり、1873年(明治6年)に「伊香保神社」に戻されたのだとか。

現在地に移されてからの伊香保神社の祭神は温泉・医療・商売繁盛の神「大巳貴命(オオナムチノミコト)」と「少彦名命(スクナビコナノミコト)」。縁結びや子宝のご利益もあるそうです。

※伊香保温泉の社殿は1878年(明治11年)の火事により全焼。1884年(明治17年)に摂社の温泉神社(医王寺薬師堂)を合祀して現社殿を再建、現在に至る。


伊香保神社
群馬県渋川市伊香保町伊香保1

朱色の太鼓橋「河鹿橋」

伊香保神社の先を更に進み7-8分程歩くと鮮やかな朱色の太鼓橋「河鹿橋(かじかばし)」があります。ここは初夏の新緑、秋の紅葉など鮮やかな色調を彩る風光明媚なスポットとして有名。また「千と千尋の神隠し」に登場する赤い橋(油屋の前にかかる神々の橋)のモデルになった橋と言われているそうです。

河鹿橋には車で行くことも可能。すぐ近くに無料の河鹿橋駐車場(約20台)があります。 

伊香保で唯一の「伊香保温泉飲泉所」

河鹿橋のすぐ近くにある「伊香保飲泉所」には2つの蛇口があり、温泉と水が飲めるようになっています。すぐ横に流れる川も温泉の成分で黄色に染まっています。

余談ですが、飲泉所前が工事中(おそらく閉館したホテルの解体)でずっとうるさかったんですけど、やけにゴリゴリとブルトーザーの音がうるさいなぁと思って見上げると、ちょうど大きい木の枝が空からふってきて仰天!すぐ前を歩いていたご夫婦に「危なーいっ!!」と、自分でもびっくりするほどの大声で叫んで危機一髪回避!なんてことがありました。咄嗟に声が出てよかったぁ。直撃したら大惨事になるところでした。

黄金の湯・源泉掛け流しの「伊香保露天風呂」

源泉噴出口の前にある「伊香保露天風呂」は、源泉かけ流しの露天風呂のみの温泉。泉質は鉄分を多く含む硫酸塩泉で熱い湯とぬるま湯の2タイプ。洗い場はなく石鹸類も使用禁止の為、掛け湯でからだを洗い流してから入浴するスタイルのようです。

営業時間:9:00-18:00(10月-3月は10:00-18:00)
利用料金:大人450円、小学生以下200円(タオル300円、バスタオル1000円で販売)
定休日 :第1・第3木曜日

※駐車場は無料の河鹿橋駐車場(約20台)を利用


伊香保露天風呂
群馬県渋川市伊香保町伊香保581
0279-72-2488

温泉情緒たっぷりの「伊香保石段街」を散策

400年以上の歴史があるという伊香保温泉は、草津温泉と並ぶ群馬県の代表的な温泉。そして伊香保温泉と言えば石段街ですね。

榛名山麓に広がる石段街は、「長篠の戦い」で負傷した武士の療養地として1576年頃築造され、過去に何度も修繕されているものの基礎は当時のままなのだそうです。現在は一番下の段から頂上まで365段あり、その高低差は67mとあります。

石段の途中にはところどころに段数が表示されています。途中で石段に刻まれた与謝野晶子の詩を見ることができました。

石段街に並ぶ様々なお店

石段街には旅館や温泉のほか、雑貨、お土産、食事処、カフェ、遊技場etc…様々なお店が並んでいます。今回のランチでいただいた水沢うどん「大澤屋」の支店も石段街にありました。(写真左下)

石段街の温泉

石段街には足湯や立寄りの温泉施設がいくつかあります。また、湯元から流れる源泉を分岐させている小満口(こまぐち)がいくつか設置されているので、石段の下を流れる温泉が中を流れていく様子を見ることが出来ます。

旅行後に知ったのですが、テレビアニメの「美男高校地球防衛部」は、伊香保温泉が舞台イメージとして描かれているそうで、石段の下方にある「石段の湯」の看板「黒玉湯」もコラボ作品のひとつだったようです。

伊香保温泉全景図ほか

石段の途中には、明治44年発行の「伊香保温泉全景図」や、明治時代の様子がうかがえる「伊香保温泉繁栄之図」などが店の壁面などに飾られています。

石段街で食べ歩き

伊香保の石段街で一番有名な食べ歩きグルメと言えば、石段街口の近くにある「よろづや」の「玉こんにゃく(1本100円)」。テレビの旅グルメなどでもよく登場する名店ですね。だし醤油味の素朴な味です。

石段街の一番上(伊香保神社の手前)には、1910年(明治43年)創業の老舗「勝月堂」があります。こちらの名物は、甘さ控えめのこしあんに茶褐色の黒糖入り生地で包んだ「湯乃花まんじゅう(1個120円)」。温泉まんじゅう発祥の店と言われる名店で、お店ではふかしたてのお饅頭がいただけます。

石段のスタート地点「石段街口」

路線バスや高速バスなど多くのバスの停留所にもなっている「石段街口」は、頂上の伊香保神社まで続く石段のスタート地点!2010年に石段が新設されて365段になり、1年中賑わってほしいという願いが込められているそうです。

あとがき

今回の1泊2日伊香保温泉の旅は、良い気に満ちた水澤観世音のお参りから始まり、群馬名物の美味しい水沢うどん食べたり、伊香保ロープウェイに乗って絶景を堪能したり、情緒溢れる石段街をゆっくり散策するなど、古くから親しまれている温泉街をたっぷり満喫することができました。

本来、石段街は石段街口から終点の伊香保神社に向かって上っていくのが正当なのでしょうが、膝の調子があまり良くなかったので、今回は上から下へくだっていく楽ちんルートで散策。ロープウェイの頂上・見晴駅から遊歩道を下る予定が積雪で通行止めになっていたので、不如帰駅から伊香保神社までの緩やかに長い上り坂を上るという誤算がちょっとありましたが、それほど疲労感もなく歩くことができました。体力のない方にもオススメの散策ルートです。


伊香保石段街
群馬県渋川市伊香保町伊香保76-5