【ハワイ島・マウナラニ】マナが宿るといわれる神秘の地!古代ハワイのフィッシュポンドと溶岩大地を歩く

ハワイ王族ゆかりのリゾート「マウナラニ」

ハワイ島西側のコハラ・コーストに位置する「マウナラニ(Mauna Lani)」は、「ワイコロア・ビーチ・リゾート」や「マウナ・ケア・リゾート」と並ぶ、サウス・コハラ・コーストを代表するリゾートエリアのひとつ。ハワイ語の「Mauna Lani」は「天国の山」などと訳され、1970年代からリゾート開発が進められ、現在はホテルやゴルフ場、住宅地などが広がっています。

マウナラニには、海岸近くに湧き出す淡水と海水が交わる「カラフイプアア(Kalāhuipuaʻa)」と呼ばれる一帯があり、古代ハワイアンが魚を養殖し、食料を確保するために利用していたというフィッシュポンドが今も点在しています。カメハメハ大王の時代には、王族に魚を供給する場所でもあったとされ、また、古くからマナ(霊的な力)が宿る特別な場所だったともいわれています。現在もリゾート内には、溶岩洞窟やペトログリフなど、ハワイの歴史や文化を伝える遺構が残されており、古代ハワイの面影を随所に見ることができます。

「カラフイプアア・ヒストリック・パーク」に到着

ハワイ州道19号線から「マウナラニ・ドライブ(Mauna Lani Dr)」へ入り、リゾート内を進んでいくと、「カラフイプアア・ヒストリック・パーク(Kalahuipuaʻa Historic Park)」の駐車場に到着します。駐車場はトレイルの入口にある無料のパブリック・パーキングで、20台ほどの小規模な駐車場です。時間帯によっては満車になることもあるようですが、私たちが訪れた15時半頃は、幸いにもすぐに駐車することができました。

カラフイプアア・ヒストリック・パークは、マウナラニ・リゾート内にある歴史保全区域で、歴史遺産や自然環境が残る一帯は一般にも開放されており、フィッシュポンドや海岸へ続くトレイルを散策することができます。

溶岩大地のトレイルを歩く

ここでは、カラフイプアアのトレイルを歩きながら、古代のフィッシュポンドや溶岩地形、海辺の美しい景観を楽しむことにしました。トレイルに足を踏み入れると、眼前に広がるのは荒涼とした溶岩の波。ハワイ島では、18~19世紀にも大地を揺るがすマウナ・ロア火山の噴火が繰り返され、その激動の歴史は島の各地に刻まれています。ここカラフイプアアにも、古くから続く溶岩大地が広がり、火山島ならではの劇的な景観を見せています。

古代ハワイアンが暮らした「溶岩洞窟」

溶岩洞は、溶岩流の表面が冷えて固まった後も内部を流れ続けた溶岩が抜けることで、その跡にできた地下の空洞。トレイル沿いには、こうした溶岩洞の天井が崩落してできた開口部がいくつも見られ、そこから洞窟内部をのぞくことができます。

地表より涼しく、雨や風を避けられる溶岩洞は、古代ハワイアンにとって貴重な生活の場だったそうで、実際にハワイ各地の溶岩洞からは、居住やシェルター、食料の貯蔵などに利用された痕跡が確認されています。

荒涼たる大地に走る亀裂

トレイルを進むにつれ、その荒々しさはさらに増します。足元の溶岩台地には、冷えて固まった溶岩に生じた亀裂が幾筋も走り、まるで大地が今も動き続けているかのような迫力があります。

溶岩の先に広がるオアシス「フィッシュポンド」

ごつごつとした溶岩のトレイルを抜けると、最初に現れたのは「ホペアラ(Hopeala)」というフィッシュポンド。荒涼とした黒い溶岩原から一変、ヤシの木の緑と穏やかな水面が広がっています。ここは、大地から湧き出る淡水と、海の潮汐によって海水が混ざり合う汽水池。潮の満ち引きによって水が循環し、豊かな自然を育む池となっています。

フィッシュポンドでは、主にボラやライギョが養殖され、アジ、バラクーダ、ウナギ、エビなども生息していたそうです。ホペアラをあとに、マノク(Manoku)、カアイオピオ(Kaʻaiʻōpiʻo)、そしてラフイプアア(Lahuipuaʻa)へと、点在するフィッシュポンドを巡りながら歩みを進めました。
サイクリングする人の姿も見られ、歴史ある神聖な場所でありながら、心地よいリゾートの空気が穏やかに流れています。

白い砂浜が広がるビーチとボート小屋

海沿いのフィッシュポンドへ向かう途中、趣のあるボート小屋が佇む穏やかな入り江に、白い砂浜が広がるビーチが現れました。波打ち際では、静かな午後を楽しむ人々の姿も見られます。

砂浜に並ぶパラソルやビーチチェアなどのビーチクラブの設備は、リゾートの居住者や対象の宿泊者向けですが、ビーチは一般に開放されており、持参したピクニックシートを敷いて砂浜でくつろいだり、シュノーケリングや海水浴を楽しむこともできるようです。

海と池をつなぐ古代ハワイの知恵

海沿いに広がるフィッシュポンド「カアイオピオ(Kaʻaiʻōpiʻo)」と「ラフイプアア(Lahuipuaʻa)」には、黒い溶岩石が丁寧に積み上げられた堤防の上に細い遊歩道が渡され、まさに陸の湧水と大海原が交わる境界。穏やかな水面には周囲のヤシの木や空が鏡のように映り込んでいます。

垂直に縛り合わせた木の棒を立てたゲート「マカハ」が設けられたフィッシュポンドは、古代ハワイの知恵が生かされた養殖池。海からやってきた小さな稚魚は格子の隙間をすり抜けて池に入り、池の中で大きく育った魚は外へ出られない仕組みになっているのだとか。さらに、潮の干満に合わせて新鮮な海水やプランクトンが池へと取り込まれることで、自然の力を利用しながら魚を育てる、持続可能な養殖が行われていたことがわかります。

溶岩で組まれた四角い水路を覗き込んでみると、白い水玉模様のフグが、ゆったりとマイペースに水面近くを漂っていたり、岩場の浅瀬には鮮やかな縞模様の小魚たちがすいすいと泳ぐ姿が見えました。

こちらはフィッシュポンドの前に広がるマカイワ湾。底まで見通せるほど透明度の高い海が広がり、穏やかな光を受けて、どこまでも澄み切った水面が続いていました。

リゾートの建物が見える方角に、うっすらとコハラ山が見えました。このまま海沿いの遊歩道を進むと「ワイプヒ・フィッシュポンド」に到着します。

古代ハワイの面影をたどる45分の散策

今回は時間がなくなってしまったので、手前のコンドミニアムが並ぶ通りから、溶岩大地のトレイルへ戻っていきました。帰路では、ハワイを代表する鳥たちにもたくさん出会い、豊かな自然を身近に感じるひとときに。約45分の散策でしたが、荒々しい溶岩地形やフィッシュポンド、透明度の高い海、そしてそこに暮らす鳥たちまで、古代から続くこの土地の自然と景観を存分に楽しむことができました。