【栃木・鹿沼】荘厳で神秘的な雰囲気が漂う「加蘇山神社と千本桂」

東京から約2時間「加蘇山神社遥拝所」に到着

東京から東北自動車道を使って約2時間ほどで加蘇山神社遥拝所に到着。栃木県鹿沼市の石裂山(おざくさん)東麓の登山口に鎮座する加蘇山(かそやま)神社は、日光·男体山を開山した勝道上人によって767年に開山したと伝わる古社です。

標高1000m前後の低山が連なり、ハシゴ、クサリ場と変化にとんだ山です。日光連山、両毛の山々や関東平野まで一望できます。加蘇山神社の横の沢沿いの道を進むと高さ4mの清滝が落ちています。その先の雨乞いノ滝(竜ガ滝)の休憩所で一休みできます。栃木県天然記念物の千本かつらの大木を見て、中ノ宮の休憩所へ。ハシゴとクサリ場、スリルのある登りの一枚岩が現われ、その先に洞窟の加蘇山神社奥ノ宮ヒゲスリ岩を登れば早春にはカタクリが斜面に咲き、4月下旬頃にはヤシオツツジでピンクに染まるのが見られるでしょう。東剣ノ峰そして難所のクサリ場を進み、見晴台の西剣ノ峰を眼前に石裂山(879.4m)の岩壁がそびえています。月山山頂には石の鳥居と月読命を祀る社と天狗岩があり、山頂から日光連山が一望できます。また頂上のヤシオツツジの花はたいへん美しい。  鹿沼市観光協会より引用

鳥居をくぐり正面に見えるのが、かつて栄えていたであろう宿坊跡、右手の手水舎の先に神楽殿と加蘇山神社遥拝所があり、遥拝所では書き置きの御朱印を拝受できるようになっています。

加蘇山神社遥拝所に車を停め、約500m先の加蘇山神社まで沢沿いの林道を歩くこともできるようですが、少しでも歩く距離を短くしたいので加蘇山神社前の駐車場へ向かいました。ただ、道が狭くすれ違う所も数か所しかないので運が悪いと細い山道をバックすることになりそうです。

ひっそり佇む廃墟「鹿沼市立石裂小学校跡」

加蘇山神社遥拝所の近くにひっそりと佇む廃墟は「鹿沼市立石裂小学校跡」。鉱山開発などで人口が増加したことによって1902年に現校舎が完成、1950年頃から人口が急速に減少し、東京オリンピックが開催された1964年に廃校となったそうです。

その割にはそれほどひどく崩壊している様子でもなく中に入ることもできそうですが、得体のしれない虫やら、なにかが潜んでいそうな雰囲気…廃墟マニアには魅力満載なのかもだけど中に入る勇気はなく、外からそっと覗き込むだけ。ガランとした細長い空間に椅子がひとつおいてありました。

荘厳で神秘的な雰囲気が漂う「加蘇山神社」

加蘇山神社は、五穀守護、武勇の神として磐裂命、根裂命、武甕槌男命、三柱の御祭神が祀られているとあります。

加蘇山という名前の山だと思っていたらそういう山があるわけではなく…、石裂山(おざくさん)山頂近くの剣ノ峰に祀られている五穀豊穣の「賀の岩」と、医薬長寿の「蘇の岩」から「賀蘇山の神」と称されたのだとか…。

かつて修験道の行場として隆盛を極めたという山らしく、荘厳で神秘的な雰囲気が漂っています

市指定天然記念物の大杉

加蘇山神社には市指定天然記念物の大杉が3本あり、鳥居をくぐった階段の右側に樹高約51m、幹周約6.4m、樹齢推定500年という2番目に大きい双幹の杉がありました。

他の2本の大杉は階段を登りきった本殿近くにあり、二股に分かれた一番大きい杉は「子宝の杉」ともいわれ、杉の皮を身につけると子宝に恵まれるといわれているそうです。

千本桂に会いに登山コース(石裂山回遊)を出発!

加蘇山神社を起点にした登山コース(石裂山回遊)は、本格的な登山道となっているため高いレベルの技術や知識が必要とされているようですが、奥ノ宮への参道途中にある千本桂までは30分程度のトレッキング向きコースということで、千本桂に会いにいざ出発!

と思いきや「熊出るよ」や「マムシ注意」の看板が…まぢですか….。マムシの攻撃範囲は50cmくらいだし、千本桂までならコースを外れなければ大丈夫だとして… もし熊に出会ったら目を合わしたほうがいいんだっけ!?合わさないほうがいいんだっけ!?背中を見せて走るのは駄目っていうし、とにかく刺激しないようにゆっくり後ずさりして逃げるしかないか…。

つい最近民家に降りてきた熊に襲われたというニュースを見たばかりだったこともあって、少しびびりながらのスタートです。

思いのほかアップダウンがある山登り

連日の雨で、林道が沢のようになっているところや泥濘んでいるところがあり、また想像していたよりもアップダウンのある山登り….登山慣れしている人ならば難なく登れるのでしょうが、慣れていない人にはちょっときついかな…。ちょいちょい休みながら前進。

コースの途中でヒキガエルと遭遇。触る気はサラサラないけれど、少なからず蛙にも毒があるので子供連れのハイキングの場合はむやみにさわらないよう要注意ですね!

五感が刺激される美しいひととき

登山道いっぱいに広がる根、所々現れる笹原や苔の群生…木漏れ日が差す緑の杜の中、セミの声や川のせせらぎを聞きながらのハイキングはなかなか美しいひとときです。

樹齢1000年を超える御神木「千本桂」

加蘇山神社からゆっくり歩いて約40分、「源氏物語」が完成した頃に生まれたという御神木「千本桂(1957年に栃木県の天然記念物に指定)」に到着!

千本桂は、樹高約30m、幹周7m以上、推定樹齢1000年と700年の2本からなる栃木県最大の桂の古木で、加蘇山神社の御神木として、古くから縁結びの信仰があったようです。 密集した幹の束が空高くそびえ立つ大迫力の巨木に、パワフルなエネルギーを感じます。

平安時代から1000年以上もの時を経て、世の中はすっかりと様変わりしてしまったというのに、この山深い地で時が止まっているかのように生き続けてきた千本桂。

神々しい御神木に、この素晴らしい杜に、畏敬の念を抱かずにはいられません…。


加蘇山の千本桂(鹿沼市公式HP)