木更津の「クルックフィールズ」へGO! 2024年5月、千葉県木更津市の美しい山間に広がる「クルックフィールズ(KURKKU FIELDS)」を訪れました。クルックフィールズは、食・農・アートが調和し…
【千葉・木更津】五感で味わう、食・農・アートの体験型フィールド「クルックフィールズ」アート編
目次
百年後芸術祭の「クルックフィールズ」へGO!
2024年GWの後半に、千葉県誕生150周年記念事業の一環として内房総5市(市原市、木更津市、君津市、袖ケ浦市、富津市)で開催中の「百年後芸術祭 ~環境と欲望~ 内房総アートフェス」(2024年3月23日(土)~5月26日(日)迄)に参加してみました。
百年後芸術祭では、総勢約80組の国内外からのアーティストさんたちによる絵画・彫刻・インスタレーションなどが、5市の広範囲に渡る自然風景・文化施設などに展示されているほか、音楽・映像・ダンス・テクノロジーを融合した「ライブ アート パフォーマンス」などが行われており、今回は木更津市にある「クルックフィールズ」をターゲットにフィールド内のアートを堪能!クルックフィールズの魅力と共にいくつかの写真をアップしました☆
▼こちらのブログ記事は「クルックフィールズ食農編」からの続きです。食農編は下記リンクより御覧ください☆
アート作品の場所はマップで確認できます☆
竹製の手作り「巨大ブランコ」
こちらはクルックフィールズの駐車場近くの道路からも見えた巨大ブランコ(高さ約7m)。なんとこのブランコ、竹で出来てるんですね!32本ほどの竹を使い、たった一日で作り上げてしまうのだとか。1年毎に作り変えているようで、使い終わった竹は粉砕機でチップにして土壌改良に使用したりと、自然の恵みを余すことなくリサイクルされていくという…、サステナブルな営みがここにも静かに息づいています。
フィールド内に点在する作品たち
左から順に、クルックフィールズ・ダイニングの壁面に描かれた淺井裕介氏による泥絵「命の地層 – Yusuke Asai」、パリ生まれの作家による彫刻「デレリッタ – Camille Henrot」、インド生まれの作家による彫刻「ミラー – Anish Kapoor」、島袋道浩氏による今年制作された作品「ツチオとツチコ:55年後のBED PEACE – Shimabukuro」、 6人組のアーティストによる岡本太郎の壁画にちなんだ作品「Level7 feat. 明日の神話 – Chim↑Pom from Smappa! Group」、フランス生まれの作家による彫刻「ベシーヌの人 – Fabrics Hybert」。
草間彌生氏の作品たち
広大なフィールドには、「新たなる空間への道標」「時は過ぎゆけるか、死への近づき」「無限の鏡の間 – 心の中の幻」「明日咲花」など、草間彌生さんの作品も点在しています。
丘の上から眺める風景。特徴的な紅白の水玉模様は、ひと目で草間彌生さんの作品だと分かりますね。
遊び心に溢れる「クリエイティブパーク」
クリエイティブパークには子どもたちがワクワクするような遊び場がたくさん!パークの片隅には何故かアメリカのスクールバスが…ユナイテッドレンタルから購入したものでしょうか…公園のアクセントになっていい感じです。工具などが埋め込まれた小さなブリッジにも心をくすぐられました☆
クリエイティブパークを通り過ぎて田園風景のようなビオトープやエディブルガーデンの小道をゆっくり散策。丘の斜面にソーラーファームが見えました。
新緑が美しい「マザーポンド」
5月は新緑が鮮やかな季節、揺れる水面に映る木々も優美で、遊歩道を散策するだけでも気持ちが良い!マザーポンドの丘には球体の建物が見えます。
益田セバスチャン氏の作品
ボルダリング・ジャングルジム・滑り台の遊び場の先には、煙突状の益田セバスチャン作品「ぽっかりあいた穴の秘密」。前に並んでいるのは8組ほどで、待ち時間は約10分でした。
ガイドブックによれば、こちらはミヒャエル・エンデの代表作「モモ」に着想を得たという作品。大小様々な大きさのカラフルな球体をはじめ、動物や楽器のミニチュア、アクセサリーetc…、質素な外観とは一転、内部はキラキラと輝く無数のオブジェで埋め尽くされています。青空を顔を覗かせるぽっかりとあいた天井…未来に希望を託すアート的な感じで、差し込む光に向かって手を伸ばしてみました☺︎
オラファー・エリアソン氏の作品
緑が眩しい樹の下に佇む球体の建物は、マザーポンドから見えていたオラファー・エリアソンの作品です。前に並んでいたのは5-6組ほど。鑑賞を終えた人がドアを開け閉めした後、後続組がドアの暗証番号を入れて靴を脱いで中へ…といった動作が加わるので順番が来るまで15分ほどかかりました。後に続く人が気になって没入できませんでしたが、列がなければゆっくりとメディテーションできそうです。眼下には草間彌生作品の鏡張りの建物が見えました。ちなみにこちらも行列で、中に入るまで20分ほど(鑑賞時間は1分)かかりました。
BBQテラス&タイニーハウスビレッジ
オーガニックファーム沿いの小道を進むとBBQテラスやキャビンが並ぶタイニーハウスビレッジが出現。宿泊予約は3ヶ月前からできるようで、BBQ、焚き火、星空観察など、一夜を過ごせたらまた違った魅力が味わえそうです☆
またBBQテラスでは、千葉県内の新鮮なお肉やお魚とともに、オーガニックファームの野菜やシャルキュトリー、ランカのパン…、と、地産地消の食材によるBBQプランが手ぶらで楽しめるようです。
タイニーハウスに隣接する「センターハウス」
「センターハウス」は、リビングやシャワー・トイレを備えた別棟で、夜は宿泊客限定のBARカウンター(22時まで)でお酒が楽しめるのだそう。(日中はカフェスペースとして一般客の利用も可能)ここはレトロで落ち着いた雰囲気の癒し空間ですね。
洞窟のような「地中図書館」
2023年2月にオープンした「地中図書館」は、木や草花が生い茂る地中に埋め込むように設計された洞窟のようなライブラリー。クルックフィールズ内で今回一番訪問したかった場所です。通常はメンバー登録と予約が必要ですが、百年芸術祭の出品として作品鑑賞パスポートで入館することができました。
土の中の微生物と共生して植物や野菜が成長するように、地中に潜り込んで本と出会い、知を蓄え、想像する力を養う。再び大地を踏みしめ、未来へと進むために…。
しずくのようなフォルムの中庭を取り囲むようにしてライブラリーが横たわっていて、エントランス付近の天井が一番高く、奥に進むにつれて低くなっていくデザインになっています。
本棚の間には1-2人用のソファーがあったり、テーブル付きの小部屋があったり、遊び心のあるとても素敵なライブラリーです。壁に埋まっているように見える本がなんだろうと思って近づいてみたら、私の大好きな本、ミヒャエル・エンデの「モモ」でした。素敵なチョイスにほっこりです☺︎
天井を見上げれば、小窓の外は青空と緑と光に溢れた世界…。読書で疲れた目が一気に癒されそう。素晴らしい演出です☆
螺旋の光に包まれた静謐な空間
奥の部屋は、螺旋状の天井が印象的な円形の空間で、中心から降り注ぐ柔らかな光が、温かみを引き立てている感じ…。大きな巻き貝に守られているみたいな雰囲気でとても落ち着きます。
小説、実用書、専門書、図鑑、絵本など、ひとつひとつの本棚には環境・建築・音楽とそれぞれのテーマに沿った本が並べられています。こちらにも興味深い面白そうな本がいっぱい!本に囲まれた素敵な空間…本好きにはたまりませんね✨️
名和晃平氏の作品
中央のテーブルに展示されている作品は、名和晃平氏によるカラスをモチーフにした彫刻「PixCell-Crow / Welding Mask / VR Controller(R)/ Wooden Ladder」。
木製はしごには、溶接マスクと VRコントローラー(R)が掛けられ、そのすべてのオブジェクトは、大小様々な球体で隙間なく覆われてキラキラと輝いています。タイトルにある「PixCell」(ピクセルセル)は、「Pixel(画素)」と「Cell(細胞)」を合わせた作者の造語なのだそうで、ちょっとゾクっとしてしまうコンセプト。先鋭的なインスタレーションでした。
角度や光の変化によって生まれる多彩な表情が美しく幻想的で、天井や本棚の灯りが星や流れ星のように瞬き、宇宙を翔ける鳥のよう…。降り注ぐ光は、まるで神秘的なエネルギーの源のように輝き、神話や儀式の場面のような神聖さを感じさせるドラマチックな一枚が撮れました。
クルックフィールズ(KURKKU FIELDS)
千葉県木更津市矢那2503
0438-53-8776
ライブパフォーマンス「通底縁劇・通底音劇」
百年後芸術祭では、音楽・映像・ダンス・テクノロジーを融合した「ライブパフォーマンス」を4つの会場で開催。宮本浩次さんメインのライブ「dawn song(ドーンソング)」のチケットを取っていたので、翌日の夕方は君津市市民文化ホールへ向かいました。
「通底縁劇・通底音劇」は、小林武史さんのプロデュースによる「百年後芸術祭 -内房総アートフェス」一環のライブパフォーマンス。躍動感溢れるダンスと透き通るような歌声からスタートし、そこに宮本さんの美しい歌声が自然と重なり合って繋がっていくという…構成から選曲、演出まで全てがすばらしかったです!
瞬間瞬間のシーンを永遠に記憶にとどめておきたいと思うほど、宮本さんの全身全霊で歌う姿に魂を揺さぶられ、ずば抜けた歌の表現力にも魅了されました。光と音、文字と映像、ダンスと歌…と、全ての演者さんが一丸となった舞台作品のようなパフォーマンスと共に、念願だった宮本浩次さんのライブも堪能できるという豪華さに、心から大満足です✨
あとがき
2019年にオープンしたクルックフィールズは、著名な音楽プロデューサーである小林武史さんが創設したサステナブルな体験型フィールド。彼は「百年後芸術祭」の総合プロデューサーも務め、2003年には一般社団法人「ap bank」を設立し、持続可能な未来の実現に向けた活動を着々と続けているのですよね。音楽の枠を超え、社会課題に向き合うその姿勢には心を打たれます。
地産地消を大切にしたサステナブルな空間で、オーガニック食材を味わいながら、ゆったりと流れる穏やかな時間に心も体も癒されました。
広大な大地の息吹を感じられるクルックフィールズでは、自然・アート・食が美しく調和する特別なひとときを過ごせます。 都会の喧騒を離れてリフレッシュしたい方に、ぜひ訪れてほしい場所です☺︎