タワー・ヒルからシティエリアの人気スポットへ ロンドン中心部「タワー・ヒル駅(Tower Hill Station)」を起点に、歴史の面影を残す街角や個性的なマーケット、アートに出会える美術館まで、テ…
【イギリス・ロンドン】バッキンガム宮殿から始まる街歩き!ピカデリー・トラファルガー周辺の見どころ散策
目次
ロンドン観光の王道スポットを巡る街歩き
衛兵交代式が行われるホース・ガーズから、華やかなバッキンガム宮殿のパレード、王室ゆかりの王立芸術院、人々が集う賑やかなピカデリー・サーカスとトラファルガー広場、そしてテムズ河畔に佇むサマセット・ハウスと、ロンドンを代表する歴史・芸術・王室ゆかりの一帯にまたがるエリア(ウェストミンスター〜ウェストエンド周辺)を1日かけて散策しました。
まずは、ウェストミンスター駅から政府機関の建物が続くパーラメント・ストリートを6分ほど歩いて、「ホース・ガーズ(Horse Guards)」へ向かいます。

「ホース・ガーズ・パレード」を見学
ホース・ガーズの正門では、赤い制服に身を包んだ騎馬近衛兵が馬上から警護を行い、その周囲は多くの観光客で賑わっていました。ホース・ガーズの建物を守る騎馬近衛兵の交代は、通常午後4時まで毎時行われ、その後は馬から降りた歩哨の衛兵が門に立ち、馬は裏手の厩舎に戻されます。
馬に蹴られたり噛まれたりする恐れがあるため、触れないようにとの注意書きがありますが、SNSでは実際に馬に噛まれる動画を時々見かけます。少し距離をとって撮影させてもらいました。

18世紀に建てられたホースガーズの建物には、350年以上の歴史を誇る王室騎兵隊を紹介する「近衛騎兵隊博物館」が併設されており、建物前には銃を携えたフットガードが警護しています。その建物のアーチをくぐると衛兵交代式が行われる広場です。
「ホース・ガーズ・パレード(Horse Guards parade)」の騎馬衛兵交代式は毎日11時(日曜は10:00)にスタート。開始5分前に到着すると、すでに多くの観光客が騎兵隊を囲むように並び、スマホ片手にスタンバイしていました。

建物を背景に、左手には赤いチュニックを纏ったライフ・ガーズ(Life Guards)、右手には濃紺のチュニックを纏ったブルーズ・アンド・ロイヤルズ(Blues and Royals)、2つの近衛騎兵連隊が、整然と馬を操りながら交代の儀式を披露。馬の蹄の音と兵士たちの動きがぴたりと揃った光景は非常に迫力があり、太陽の光を受けて甲冑やサーベルがきらめく姿は、勇ましくも華やかです。

ホース・ガーズ・パレードで行われるこの交代式は、バッキンガム宮殿ほどの観客はなく、比較的少なめ。間近で見学したい方におすすめです。

儀式の途中でしたが、バッキンガム宮殿のパレードも軽く見学したかったので広場をあとにします。

「セント・ジェームズ・パーク」を散策
ホースガーズからバッキンガム宮殿(Buckingham Palace)の正門までは徒歩15分ほど。緑豊かなセント・ジェームス・パーク(St James’s Park)の湖沿いを散策しながらパレードに向かいました。

広大な園内では、水辺や木立を行き交う多くの野鳥を観察することができ、静かな雰囲気の中でゆったりと散策を楽しめます。ひと休みしたいときには園内のカフェ「St James Cafe」が便利で、朝食メニューからサラダやハンバーガーといった軽食、コーヒーやスイーツまで揃っています。緑に囲まれたテラス席で、ゆったり過ごすのもいいですね。

「バッキンガム宮殿」のパレードを見学
バッキンガム宮殿の衛兵交代式はロンドン観光のハイライトなので、予想通り宮殿前は観光客で埋め尽くされ大混雑。手前のザ・マル沿道で衛兵の行進を待つことに…。
11時25分を過ぎた頃、セント・ジェームス宮殿から出発した黒いベアスキン帽に赤い制服姿の衛兵たちが、整然と足並みを揃えてやってきました。その後も正門から随行する鼓笛隊の演奏に合わせて、騎兵や交替兵たちが次々と行進。観光客の熱気と衛兵の規律ある動きが交わる、ロンドンらしい荘厳で華やかな時間を味わうことができました。
バッキンガム宮殿の「衛兵交代式(Changing the Guard)」は、基本は午前11時からの開催。4月〜7月はほぼ毎日、それ以外の季節は隔日で行われるので、事前のスケジュール確認は欠かせません。正門内で交代式から演奏まで一連の儀式をしっかり見たい方は、早めに正門横へ行って場所を確保するのがおすすめです。

交代式が終わると人も少しづつはけて、宮殿前まで進むことができました。周囲にはチューリップが鮮やかに咲き、黄金に輝くヴィクトリア記念碑が青空に映えて、まるで舞台のワンシーンのようです。
バッキンガム宮殿は、実に775室もの部屋を有する壮大な宮殿。毎年夏には(例年7月下旬〜9月中旬頃、国王一家がスコットランドのバルモラル城に滞在している間)、19の公式謁見室が一般公開され、豪華なシャンデリアや美術品、歴代君主ゆかりの家具などを見学することができます。
衛兵交代式のスケジュールはコチラ

ロンドンで最も古い宮殿のひとつ「セント・ジェームズ宮殿」
バッキンガム宮殿をあとにして、隣接する「セント・ジェームズ宮殿(St. James’s Palace)」へ。16世紀に建てられた赤レンガのテューダー様式の建物で、現在も王室の公務や儀式に用いられており、チャールズ皇太子やウィリアム王子、ヘンリー王子が2003年までこの宮殿に居住していたそうです。普段は内部公開されていませんが、近年では有料のガイドツアーが実施されることがあるようです。
宮殿名が残る伝統的なセント・ジェームズ地区は、格式あるクラブやオーダーメイドの高級ショップなどが集まるエリアでもあります。王立芸術院へ向かう途中、ちょうど騎馬警官が通り過ぎ、思わずシャッターを切りました。

St James’s Palace
Marlborough Rd, London SW1A 1BQ
ロンドン・ウェストエンド周辺を散策
セント・ジェームス宮殿からは、ピカデリー通りに向けて北上しウェストエンド地区へ。ここは、ピカデリーサーカスやレスター・スクエアを中心とするエンターテインメントとショッピングの街で、劇場や映画館が立ち並ぶシアターランドとしても有名ですが、今回はフリーエントリーで楽しめる王立芸術院を訪問し、ウエストエンドの町並みを眺めながらのウインドウショッピングを楽しみました。
気軽に立ち寄れる美術の殿堂「王立芸術院」
王立芸術院(Royal Academy of Arts)は、美術の普及と教育を目的に展覧会開催や芸術家支援を行う独立運営の美術団体として1768年に設立された美術館。毎年夏の「サマー・エキシビション(Summer Exhibition)」は、世界最古の公募展として特に有名です。場所はロンドンのウェストエンド・ピカデリー通り沿いで、かつて貴族の邸宅だったバリントンハウスを拠点としています。
有名な展覧会(サマー・エキシビションや特別展など)には入場料が必要ですが、メインコレクションや展示室の一部は無料公開されているので、サクッと立ち寄ってみました。無料展示と歴史的な建築を気軽に堪能できます。

Royal Academy of Arts
Burlington House, Piccadilly, London W1J 0BD
ピカデリー・サーカス〜レスター・スクエア周辺
王立芸術院を訪れたあとは、「ピカデリー・サーカス(Piccadilly Circus)」へ。そこから伸びるリージェント・ストリート(Regent st.)は、美しい弧を描く通りに沿って統一感のある白い建物が並び立ち、その優雅な景観は一見の価値があります。「ホテル・カフェ・ロイヤル(Hotel Café Royal)」をはじめ、ブティックやレストランが軒を連ね、落ち着いた雰囲気の中にも堂々とした佇まいが印象的です。

ピカデリー・サーカスのシンボル「エロスの像」
ロンドンのウエストエンドにあるピカデリー・サーカスのシンボル「エロスの像(正式名称:シャフツベリー記念噴水)」周辺は、観光客や地元の人々で常に賑わうエリアで、歴史と文化、日常の賑わいが融合したロンドンらしい雰囲気を味わえる人気スポット。エロスの像の前でストリートミュージシャンの演奏が響いていました。
温かな陽光の下、水しぶきをあげるレスター・スクエアの噴水(中央にはシェイクスピア像)では、その周囲を囲むようにベンチが並び、人々が思い思いに休息しています。Mr.ビーンのブロンズ像が腰かけるベンチでは、観光客が次々と座っては記念撮影を楽しんでいました。

賑やかな通り「コベントリー・レスター・クランボーン」
劇場やシネマ、飲食店が並ぶ賑やかな通りでひときわ目を引くのが、24時間営業の「ヒッポドローム・カジノ(The Hippodrome Casino)」。1900年築の重厚な外観は存在感があり、夜にはライトアップされてレスター・スクエアのランドマークとなっています。レスター・スクエアの北側に広がるチャイナタウンへの門や連なる赤いランタンも印象的で、エキゾチックな雰囲気が漂っています。昼間なのに存在感があるのが、頭上に吊り下げられている電飾デコレーション。クリスマスなど特別なイベントシーズンには鮮やかにライトアップされます。
また、レスター・スクエアの一角には銀座や丸の内にも出店している「TWG Tea」がありました。色とデザインがトワイニング紅茶(Twinings)にそっくりなので、初めて見たときはトワイニングの新シリーズと思ったのですが、こちらは2008年に創業したシンガポール発の高級紅茶ブランド。入口にはドアマンまでいて高級感満載でした。

静かな路地裏の書店街「セシル・コート」
次に向かったのはレスター・スクエアのすぐ東側、チャリング・クロス・ロードから本屋通りとも呼ばれるセシル・コート(Cecil Court)。本好きにはたまらないエリアです。アンティーク書やオカルト・宗教専門店など、コレクター向けの稀少本を扱う小さな書店が軒を連ね、まるで異世界に紛れ込んだかのような雰囲気。中でも有名なのがサイン入りの初版本や限定本を専門に扱う「 ゴールズブロ・ブックス(Goldsboro Books)」、ショーウィンドウに並ぶ本だけでも、普通の新刊書店ではお目にかかれないものばかりで、眺めるだけでも特別な気分になります。
観光の合間にふらりと立ち寄るだけでも楽しく、日本の神保町の路地裏をぶらぶらする感覚に近いかもしれません。ロンドンの華やかな表通りとはまた違うディープな雰囲気を味わえる、ちょっと通好みな散策エリアです。セシルコートの先に私の大好きなメキシカンファストフード「チポトレ」(アメリカ発)があったので、ランチはこちらでサクッといただきました。

ロンドンを代表する広場「トラファルガー・スクエア」
ナポレオン戦争のトラファルガー海戦勝利を記念して造られた「トラファルガー広場(Trafalgar Square)」は、ピカデリー・サーカスやレスター・スクエアと並びロンドンを代表する広場のひとつ。中央にはネルソン提督を讃える「ネルソン記念柱」がそびえ、基壇を守る4頭の大きなブロンズ製ライオン像が横たわっています。
噴水越しに見えるナショナル・ギャラリーには後日足を運び、その際に見つけた「ウィザーズ&ワンダーズ(Wizards & Wonders)」というユニークな店が、とても楽しいギフトショップでした。夜には広場全体がライトアップされ、昼間とはまた違う幻想的な雰囲気を味わえます。

▼「ナショナル・ポートレート・ギャラリー」についてのブログ記事は下記リンクより御覧ください☆
▼「ナショナル・ギャラリー」についてのブログ記事は下記リンクより御覧ください☆
テムズ川沿いの名建築!「サマセット・ハウス」を見学
トラファルガー広場からは、ストランド通りを15分ほど歩いてサマセット・ハウスへ。予定では近くの「アップルマーケット(Apple Market)」に立ち寄るつもりだったのですが、体力的なことを考え今回はスキップしました。
「サマセット・ハウス(Somerset House)」に到着すると、正門前には、壮麗な建物を背景にジョージ3世の騎馬像が立ち、訪れる人々を迎えてくれます。サマセット・ハウスの起源は16世紀半ば、サマセット公エドワード・シーモアが宮殿として建設したことに始まります。彼の死後は王室の所有となり、エリザベス1世が即位前に暮らしたほか、16〜17世紀にかけて王妃や王女の邸宅としても使用されました。
18世紀には財務・税務・海軍といった国家機関の庁舎として利用され、19世紀には戸籍本署も置かれるなど近代国家の拠点として発展。1989年に「コートルード・ギャラリー(The Courtauld Gallery)」が移転して以降は一般公開が進み、現在は展示やイベントが行われる芸術文化の発信地となっています。
Somerset House
Strand, London WC2R 1LA
▼「サマセット・ハウス」についてのブログ記事は下記リンクより御覧ください☆
シティ・オブ・ロンドンのテムズ川畔を散策
サマセット・ハウスを後にテムズ川沿いの通りを歩くと、ほどなくテンプル駅に到着。爽やかな風が心地良く、気持ち良い陽気だったのでそのまま並木道を進むことにしました。駅から100mほど歩くと「City of London(シティ・オブ・ロンドン)」を示すドラゴン像の境界標が現れ、いよいよ金融街のエリアに突入です。
近くには重厚なヴィクトリア建築のテンプルガーデンがあります。隣接する「インナー・テンプル・ガーデン(Inner Temple Garden)」(一般公開は平日12:30〜15:00)は残念ながらすでに閉門、外観だけカメラに収めました。

さらに進むと鉄道の高架をくぐり、モダンなオフィス群やホテルが並ぶエリアへ。壁一面を緑で覆った建物や、角地に建つ個性的なパブに目を奪われつつ、驚かされたのは高架上に客室が並ぶ「ウェスティンホテル(The Westin London City)」。調べてみると2021年に開業した新しいホテルで、道路をまたぐように伸びる建物が印象的でした。
この日の歩数計はおよそ2万歩!数字以上に充実感があり、歩けば歩くほど新しい発見が待っていることを実感します。やはりロンドンの街は見どころ満載ですね。今回のロンドン散策のなかで、この日が最も多くの歩数を刻んだ一日となりました☺︎

