【イギリス・ロンドン】伝説の「アビイ・ロード」へ!ビートルズゆかりの地を訪ねて

ビートルズゆかりの地「アビイ・ロード」へGO!

ロンドン滞在最後の週末の朝、ロンドン塔近くのホテルから、ヒースロー空港へのアクセスに便利なパディントン駅近くのホテルに移動。荷物を預けたあと、バスに乗って「アビイ・ロード(Abbey Road)」へ向かいました。到着は朝9時ごろ。少し出遅れたかと思いましたが、アビイ・ロードの横断歩道を目当てに2、3人ほどが来ている程度で、まだゆっくり撮影できる静かな時間帯でした。

高級住宅街に佇むクラシックな集合住宅「アビイ・ハウス」

アビイ・ロードがある「セント・ジョンズ・ウッド(St John’s Wood)」は、ロンドンでも屈指の高級住宅街。横断歩道の目の前に建つ「アビイ・ハウス(Abbey House)」は、赤レンガに白い窓枠と装飾が映えるアール・デコ調の集合住宅で、街並みの中でもひときわ目を引く存在です。有名なアビイ・ロードの横断歩道は、この建物のすぐ前にあります。

撮影ポイントはここ!彫刻家オンスロー・フォードの記念碑

横断歩道付近は三叉路になっており、その中心に立つのが、ヴィクトリア朝時代の彫刻家「エドワード・オンスロー・フォード(Edward Onslow Ford, 1852–1901)」の記念碑。アルバム「Abbey Road」のジャケット写真とほぼ同じ構図で撮影できるベストスポットです。

このエリアは一見落ち着いた住宅街に見えるものの、実は交通量が多く、観光客が行き交う横断歩道の前では車が頻繁に止まることもしばしば。ドライバーの協力もあって写真撮影は可能ですが、素早く撮るなどの配慮は必要です。

アルバムの裏話

こちらがビートルズのアルバム「Abbey Road(1969年)」のジャケット写真で、ジョン・レノン、リンゴ・スター、ポール・マッカートニー、ジョージ・ハリソンの順で横断歩道を渡っている姿が印象的な一枚。中でも注目されたのは、ポールだけが裸足で写っていること。これについてはさまざまな都市伝説が語られたようですが、ポール本人は「ただ暑かったから脱いだだけ」と話したそうで、特別な意味はないのだとか。

到着して早々、アビイ・ロードの横断歩道を何度か往復しながら写真と動画を撮影。この時はまだ観光客が少なく、車が通り過ぎるタイミングを見計らえばスムーズに撮影できる状況でしたが、撮影直後から観光客が一気に増え、あっという間に撮影待ちの列が…。絶妙なタイミングでラッキーでした。やはり落ち着いて撮影するなら、早朝の訪問がおすすめです。

ちなみにこの横断歩道は、2010年に英国文化遺産(Grade II)に指定され、現在も定期的に白線の再塗装が行われているそうです。

世界最高峰の名門「アビイ・ロード・スタジオ」

そしてこちらが、1931年にEMIによって設立された「アビイ・ロード・スタジオ(Abbey Road Studios)」。ビートルズが録音拠点としていたことで知られる世界最高峰のレコーディングスタジオです。

スタジオのすぐ隣には、白い外観の集合住宅があり、こちらにも「Abbey House」の表記がありますが、スタジオの向いにある赤レンガのアビイ・ハウスとは別の建物です。(ロンドンでは通り名を冠した集合住宅に同名が付けられるのは珍しくありません。)

アビイ・ロード・スタジオは、ピンク・フロイド、ローリング・ストーンズ、オアシスといった世界的アーティストたちが使用した名門スタジオ。日本からも、松任谷由実、久石譲、坂本龍一といった音楽界の巨匠たちが録音やマスタリングに訪れており、その実績からもスタジオの格の高さがうかがえます。

近年では、私の大好きなアーティスト・宮本浩次さんによるアビイ・ロード・スタジオでのアコースティックライブが、2023年9月に「独演会」として放送されました。それをきっかけに、次にロンドンを訪れることがあれば、アビイ・ロード・スタジオにも立ち寄りたいと思っていたのですが、今回その願いが思いのほか早く実現しました。

あとがき

アビイ・ロードは、現在も多くの音楽ファンにとって憧れの聖地であり、長い歴史とともに世界の音楽文化を支え続けてきた、由緒ある場所。実際に足を運んでみると、多くの人々が今なおこの場所に魅了され続けている理由がよくわかります。単なる観光では味わえない、音楽と時代が交差する特別な空気に触れることができ、心に残るひとときとなりました。

時間に余裕がある方は、アビー・ロード・スタジオに隣接する「アビイ・ロード・ショップ(The Abbey Road Shop)」に立ち寄ってみてはいかがでしょうか。ビートルズやアビー・ロードをモチーフにした限定グッズのほか、CDやアナログレコードなども揃い、ビートルズファンのみならず、音楽を愛する人にとっては心くすぐられる空間だと思います。

今回はアビイ・ロードを訪問後、バスでパディントン駅に戻り、ノッティングヒルの「ポートベロー・マーケット」へ向かいましたが、ここから歩いて30分圏内にプリムローズ・ヒルがあるので、丘の上からロンドンの街を見下ろし、その後音楽の街カムデンに向かうのもオススメです。


Abbey Road Studios 
3 Abbey Road, St John’s Wood, London NW8 9AY