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【佐賀・武雄】樹齢3000年の大楠が息づく「武雄神社」と歴史ある武雄温泉の楼門を訪ねて
目次
樹齢3000年の大楠がある「武雄神社」を参拝
九州旅行3日目は、早朝に佐世保のホテルを出発し、佐賀県武雄市にある「武雄神社」と武雄温泉の楼門を訪ねました。
武雄神社は、731年の創建と伝わる、武雄市内でもっとも歴史ある古社です。主祭神として祀られているのは、長寿の神様として知られる「武内宿禰(たけのうちのすくね)」。仲哀天皇や神功皇后など、あわせて五柱の神様が祀られ、古くから延命長寿や武運長久、厄除けの神として信仰を集めてきたといいます。
社号標の立つ入口から心字池に架かる太鼓橋を渡り、二の鳥居から木々に囲まれた参道の階段をのぼっていくと、苔むした重厚な石垣が現れました。陣旗を思わせるのぼりも相まって、神社というより山城を訪れたかのような気分になります。

武雄神社の由緒と境内案内
境内の案内板には、御祭神や御由緒のほか、本殿のさらに奥に鎮座する「大楠」へのルート、背後にそびえる御船山の頂上へと続く「上宮」の位置などが案内されています。源頼朝ゆかりの古文書が今に残されていることなども記されており、武雄神社が長い歴史の中で大切に守り継がれてきた神社であることが伝わってきます。

2本の桧が寄り添う「夫婦桧(むすびの桧)」
武雄神社の北側にある駐車場から参道へ入ると、仲哀天皇と神功皇后を象徴するとされる「夫婦桧(めおとひのき)」が迎えてくれます。仲睦まじく寄り添いながら空高く伸びるその姿は美しく、眺めているだけで自然と心がほぐれていくようです。
根元と樹の中ほどで結ばれ、仲良く並び立つ2本の桧。その根元は「夫婦和合」、つながった枝は、男女の縁に限らず、人や仕事、お金とのご縁など「さまざまな良縁」を結ぶ象徴とされ、良縁のご利益があるといわれています。
夫婦桧で手を合わせたあとは、青空が広がる境内へ。手水舎で手と口を清め、いよいよ社殿へと向かいます。

白鷺の姿を宿す「白亜の社殿」
神社といえば朱塗りや木肌のイメージがありますが、武雄神社の社殿は、神のお使いである白鷺をイメージして造られたという白亜の社。1970年に再建された鉄筋コンクリート製とのことですが、伝統的な流造の本殿と、唐破風を備えた見事な入母屋造の拝殿が調和しています。近代的な造りでありながら、格式ある伝統美も感じられ、清らかで凛とした佇まいが印象的です。

回廊を彩るミニ和傘
社殿の脇の回廊には、色とりどりのミニ和傘がびっしりと結ばれた華やかな空間が広がっていました。こちらは、授与所で引いた「傘みくじ」の結び処だそうで、傘を開く姿が「末広がり」に通じる縁起物なのだとか。参拝者がそれぞれの願いを込めて結んでいった傘が重なり合い、光に透けて風に揺れる様子はとても風情があります。

朝霧に浮かぶ山並みと美しい青空
高台にある境内からは武雄の街並みを望むことができ、見上げた青空には、鳥が羽を広げたかのような美しい雲が描かれていました。遠くには帯状の朝霧が白くたなびき、その向こうには山並みが浮かんでいるように見えます。朝の澄んだ空気のなか、静かに広がる景色を眺めていると、なんとも清々しい気持ちになりました。

白鳥居から続く静かな大楠への道
社殿の参拝を終え、いよいよ大楠へと向かいます。「御神木」と記された白鳥居をくぐり、静寂に包まれた緩やかな石畳の一本道を歩くこと約2分。美しい竹林を抜けた先に、樹齢3000年といわれる大楠が姿を現しました。

樹齢3000年の御神木「武雄の大楠」
深緑に包まれた神域で、3000年もの星霜を見届けてきた大楠は、静謐でありながらも圧倒的な存在感を放ち、すべてを包み込むような慈愛に満ちています。幹回りは約20mもあり、環境省の調査では全国第7位に数えられる巨木なのだそう。どっしりと大地に根を張る根元には、異界への入口のような、広さ約12畳分ともいわれる大きな空洞がぽっかりと口を開けており、その奥には天神様の石祠がひっそりと祀られています。
樹木そのものがひとつの社殿であるかのような佇まいで、周囲のざわめきがすっと消えていくような神聖な空気に包まれ、自然と静かに手を合わせたくなる、そんな不思議な力を感じる御神木です。

大楠に宿る不思議な造形美
大楠の複雑に入り組んだ幹やこぶを見つめていると、龍をはじめ、さまざまな生き物の姿が浮かび上がってきます。見る角度や光の差し込み方によって表情を変えるその造形美には、自然が長い時間をかけて生み出した、不思議な生命力を感じます。
私の目には、王冠を戴いた中世の騎士王の顔が浮かび上がっているように見えました。騎士王といえば、思い浮かぶのはアーサー王。日本の古社である武雄神社の大楠に、東洋・神道の「和の精神」と、西洋・騎士道の象徴ともいえる「円卓のアーサー王」という異国のビジョンが、不思議なほどしっくりと馴染んでいるように感じられ、もしこれを現代への神託として受け取るならば、「人類は今、個の自立と全体の調和が矛盾なく両立する、一段上の精神的な段階へと進むべき時を迎えている」というようなことなのでしょうか…。大楠に宿る不思議な造形美からさまざまな連想が広がっていきました。
ふと足元に目をやると、天に向かって真っ直ぐ伸びるマントカラカサタケの姿が。悠久の時を生きる大楠とは対照的に、わずか数日で成長するキノコの幼菌が顔を出しているというコントラストが、なんとも印象的です。その瑞々しい姿は、まっすぐで純粋なエネルギーが向かう方向を象徴しているかのようで、「周囲の雑音に惑わされず、自分の信じる道をまっすぐに突き進みなさい」と、自分宛ての特別なメッセージをいただいたような気持ちになりました。

自然と信仰が息づく神域
帰りは、竹林の清々しい風に吹かれながら、武雄神社がパワースポットとして多くの人を惹きつける理由を実感していました。凛とした白亜の社殿をはじめ、悠久の時を刻む大楠の神秘、そして足元に芽吹く命と、境内には自然と信仰が見事に調和した、清らかで心地よい空気が流れています。日々の忙しさを忘れ、心がすっと洗われるようなひとときを過ごせる、趣深い神社でした。

武雄神社
佐賀県武雄市武雄町大字武雄5327
1300年の歴史を持つ「武雄温泉」
武雄神社を参拝したあとは、北へ1kmほど離れた「武雄温泉楼門」に立ち寄りました。こちらの楼門および新館は、東京駅と同じ建築家・辰野金吾によって設計されたものです。東京駅南北ドームの天井に配置された8つの干支(丑・寅・辰・巳・未・申・戌・亥)に対し、抜けている4つの干支(子・卯・午・酉)のレリーフが、楼門2階天井の四隅に配置されているのです。
東京駅・八角ドームの写真はこちらのブログ記事からご覧いただけます☆
今回は写真撮影のみでしたが、毎朝9:00~10:00には、ボランティアガイドによる「楼門干支見学会」(火曜定休)が実施されています。料金(文化財保護協力費)には共同浴場「元湯」の入浴券が含まれており、見学後にゆっくり温泉に浸かるのが定番コースなのだとか。また、隣にある大正時代のレトロな大浴場を復元した「武雄温泉新館」は、無料で見学できます。

武雄温泉 元湯
佐賀県武雄市武雄町大字武雄7425
