【佐賀・鹿島】涼を呼ぶ風鈴回廊と朱塗りの社殿!日本三大稲荷「祐徳稲荷神社」を参拝

「祐徳稲荷神社」を参拝

九州旅行3日目は、早朝に佐世保のホテルを出発し、武雄神社とあわせて祐徳稲荷神社を訪ねました。1687年創建の祐徳稲荷神社は、日本三大稲荷の一つにも数えられる、九州屈指の名社。佐賀県を訪れた際にはぜひ足を運びたいと、以前から思っていた場所です。

武雄神社からは県道を南へ車で約30分。門前町側の駐車場(無料)に車を停め、参道へと足を進めると、まず目に飛び込んでくるのが、石造りの重厚なゲートのような構造物。その先に堂々たる第一の鳥居が姿を現します。古びた風合いの中に力強く刻まれた「祐徳稲荷神社」の扁額が、長い歴史を静かに物語っています。

閑散とした商店街

平日の朝ということもあってか、門前町は数軒のお土産店が営業している程度で、閑散としていました。シャッターの下りた参道商店街を2〜3分ほど歩くと、第二の鳥居が姿を現します。神社の入り口までは、あともう少しです。

駐車場から桜並木の参道を歩くこと約400m、ようやく神社の入り口に到着です。鳥居の先では凛々しい狐の石像が迎えてくれ、いよいよ神域へと入っていきます。

祐徳さん境内・周辺マップ

門前町の風情を感じながら参道を歩くのも魅力のひとつですが、時間に余裕がない場合は、神社前の川を挟んだ向かい側にも駐車場(1日300円/最初の30分無料)があります。

境内の入口にはタイル画のマップが設置されており、参拝前に全体の配置を確認できました。広大な境内にはいくつもの社が点在し、山へと続く朱色の鳥居の先には「奥の院」が鎮座。さらに山を越えた山頂には、「奥の院別社」の姿も描かれています。

神橋と朱塗りの社殿

鳥居を抜けると、すぐに神橋が現れます。その先には、山の緑を背景に朱塗りの社殿がそびえ立ち、思わず息をのむほどの存在感を放っていました。

優雅に泳ぐ鯉たちを眺めながら、赤い欄干の神橋を渡り、楼門の先へと向かいます。

朱色が織りなす壮観な社殿

楼門を抜けると、大きく「熊手」と書かれた社屋が現れ、その両脇には風鈴が揺れる上り下りの階段が続きます。清水寺の舞台の柱を思わせる朱色の社殿が、空高く伸びた銀杏の木と相まって、見事なコントラストを描き出していました。

涼を呼ぶ風鈴の回廊

石段を上り始めると、そこは無数の風鈴が彩る華やかな回廊。初夏から秋にかけての風物詩だそうで、風が吹くたびに涼やかな音色が一斉に響き渡ります。カラフルな短冊が揺れる中を歩いていると、身も心も清められていくような感覚に包まれます。ちなみに、石段は117段で、高さは約18m(ビルの6階ほどに相当)あるそうです。

豪華絢爛な「御本殿」

少し息を切らしながら石段を上りきると、目の前に豪華絢爛な御本殿が姿を現しました。御祭神は、衣食住を司る「倉稲魂大神(ウガノミタマノオオカミ)」、技芸や福徳の神「大宮売大神(オオミヤノメノオオカミ)」、そして道を切り開く神「猿田彦大神(サルタヒコノオオカミ)」の三柱。日本三大稲荷の一つとして、商売繁盛や家運繁栄、交通安全、縁結びなど、幅広いご利益があるとされています。

緻密な装飾と天井画

拝殿を間近で仰ぎ見ると、金箔の装飾が施された極彩色の天井画が目に飛び込んできます。緻密な彫刻や意匠は日光東照宮を思わせ、その華やかな美しさから「鎮西日光」とも称されているそうです。まさに九州屈指の名社と呼ぶにふさわしい、格調高い風格を漂わせていました。

拝殿から望む風景

拝殿の舞台からは、屋根が幾重にも重なり合う風情ある社殿の姿がよく見えます。清々しい風が静かに通り抜けるたびに、風鈴の音色が心地よく響いていました。

連なる朱色の鳥居と「石壁神社」

本殿の脇を進むと、祐徳稲荷神社の創建に尽くした鍋島直朝公夫妻を祀る「石壁神社」のお社が現れました。巨石を背に、岩肌と一体となった社殿には独特の風格があります。

ここから先は、深い緑に吸い込まれるように、朱色の鳥居が山頂に向けて連なっています。奥の院までは約300m(片道約20分)とありますが、中盤からは急な石段が続くそうで、歩きやすい靴と水分補給は欠かせません。今回はここまでの訪問とし、しばし眼下に広がる景色を眺めてから、下りの千本鳥居を通って休憩所へと向かいました。

木造りの趣漂う岩本社

休憩所のすぐ手前には、古い木造様式の「岩本社」が佇んでいます。ここには技芸の神様「猿田彦大神(サルタヒコノオオカミ)」が祀られており、芸事の上達や美を願う人々から厚く信仰されているそうです。華やかな技芸の世界とは対照的に、素朴ながらも歴史の重みを感じさせるお社でした。

休憩所からの眺望

景色を楽しみながら一休みできる休憩所からは、山並みを背景に、眼下に広がる楼門や神橋、池の様子がよく見え、神域の穏やかな景色を一望できる、絶好の展望スポットです。壁に貼られた「ナイトウォーク 狐の嫁入り」というポスターが気になったのですが、これは2022年頃から本格的に開催されている秋のライトアップイベントで、狐のお面を被り、幻想的な光に包まれた境内や日本庭園を散策できるのだそうです。秋頃に再訪する機会があれば、ぜひ参加してみたいイベントです。

帰りも階段を使い、立派な懸造りの柱をまじまじと眺めながら地上へと降りました。なお、休憩所隣のエレベーターは1日300円で利用できます。名残惜しさを感じつつもこのあとは、祐徳の穏やかな空気に背中を押されるように、次の目的地・長崎へと車を走らせました。

祐徳稲荷神社
佐賀県鹿島市古枝乙1855