「東京ステーションギャラリー」へGO! 赤煉瓦の美しい東京駅の丸の内駅舎の中に、静かに時を刻む美術館「東京ステーションギャラリー」(1988年開館)があります。1914年に完成した東京駅丸の内駅舎の構…
【東京・ミュージアム】雨の日も楽しめる!屋内型「スモールワールズ東京」で小さな世界をめぐる
目次
「スモールワールズ東京」へGO!
2025年9月、以前から少し気になっていた屋内型の大型ミニチュアテーマパーク「スモールワールズ東京」へ行ってみました。最寄り駅は、ゆりかもめ「有明テニスの森駅」から徒歩約3分、りんかい線「国際展示場駅」から徒歩約10分ほどです。
車でのアクセスの場合、施設専用もしくは提携駐車場はないため、近隣のコインパーキングを利用することになります。今回利用したのは徒歩約10分と少し距離がありますが、割安で利用しやすい「タイムズ有明スポーツセンター」(最初の30分無料、20分100円、最大1800円。111台収容可能)です。到着した9時頃はだいぶ余裕がありましたが、他と比べて割安なため10時半には満車で2台待ちでした。

3階ギャラリーの展示会場へ
スモールワールズ東京のエントランスに到着すると、エヴァンゲリオンのキャラクターがお出迎え。受付で事前にオンライン購入したチケットのQRコードをかざし館内マップをもらって入館し、エレベーターで展示会場の3階ギャラリーへ向かいました。
展示会場は「宇宙ステーション」「世界の街」「関西空港」など、いくつかのテーマエリアで構成されています。オープンの9時から20分ほど後に入館したのですが、この日はたまたま5周年大感謝祭の開催で、すでに館内は大混雑!ファミリー層が中心ながら、大人だけで訪れている人も意外と多く、子どもから大人まで幅広く楽しめるミニチュアのテーマパークといった雰囲気です。

①宇宙センターエリア
3階のギャラリーで最初に現れたのは「宇宙センターエリア」。1960年代のアポロ計画時代と未来の宇宙センターの2つが同じ空間に存在する壮大なジオラマで、巨大なロケットが打ち上がるシーンや、宇宙基地で働く人々の姿など、細部まで精巧に再現されています。また時間帯によって照明が変化し、発射準備からカウントダウン、打ち上げの瞬間までをダイナミックに体験することができます。

②世界の街エリア
宇宙センターエリアーの先に広がるのは、アジアからヨーロッパまで5つの世界で構成された「世界の街エリア」。産業革命時代を背景に、蒸気機関が走る街並みや、異国情緒あふれる港町、職人たちが働く工房、賑やかなマーケットなど、精巧なミニチュアで表現された多様性あふれる架空の都市で、それぞれの世界が少しずつつながっていく情景が楽しく、見応えたっぷりのエリアです。

列車が走り過ぎていくそのすぐ上の丘には恐竜が歩いていたり…

古いヨーロッパの町並みでは、飛行船の上から手を振る人たちの姿も見られます。

夜の街を彩るネオンがまばゆい香港風のエリアには、無数のフィギュアが点在していて、低い位置からカメラを向けるとまるでその街に入り込んだような臨場感。細部まで目を凝らすと、思いがけない発見が次々と現れます。

③クリエーターズギャラリー
「世界の街」の先には、日本を代表するミニチュア・アーティストの作品を展示する「クリエーターズ・ギャラリー」が広がっています。様々なジャンルのミニチュア作品を堪能できるコーナーで、販売を兼ねた作品も多数ありました。
シティスケープ・ジオラマ
こちらは、東京や大阪といった都市の造形美をミニチュアで再現した「シティスケープ・ジオラマコーナー」。東京エリアでは、八角ドームの東京駅舎をはじめ、東京スカイツリー、新宿駅南口改札と甲州街道の地下に広がるホーム、渋谷のスクランブル交差点、そしてラッシュ時には開かずの踏切として知られる代々木踏切など、都内の主要ランドマークが並んでいます。
創造的な世界観が広がる作品も魅力的ですが、個人的には実在の街並みを精巧に再現したジオラマにより強く惹かれます。見慣れた風景だからこそ細部にまで目が留まり、思わず時間を忘れて見入ってしまいました。

ドールハウスショップ「ミニ厨房庵」による作品
こちらは、レンガ調の壁や白黒のタイル床、ステンレス製の調理台、棚には鍋やフライパン、瓶詰めの食材が並び、カウンターには色とりどりの料理やスイーツがずらりと並んだドールハウスショップ「ミニ厨房庵」の作品。調理途中のような小物の配置や、光沢感のある質感までも丁寧に作り込まれており、驚くほど精巧なミニチュアの厨房です。

ベーカリーとドーナツショップ
フランスの田舎町を思わせる温かな空間に、バゲットやブール、クロワッサンなどが籠いっぱいに並ぶパン屋と、照明に照らされたカラフルなドーナツがガラスケース越しに並ぶドーナツショップ。本物と見間違えてしまうほどリアルな仕上がりで、焼きたての香りまで漂ってきそうです。

フードトラックほか
赤いカウンターにラーメンや餃子が並ぶ中華料理店、鎧姿の職人が佇むファンタジックな鍛冶場、ゴミ箱の汚れまで丁寧に表現された夏祭りのかき氷屋台、そしてレトロなアメリカンフードトラックなど、どの作品も精巧を極めており、ミニチュアとは思えないほどの臨場感に引き込まれます。

東京パノラマ
こちらは神秘的な光景を繊細なシルエットで表現したライトアート作品「東京パノラマ」。真紅に染まる空と中央に浮かぶ太陽は、夕焼けのひとときを描いているようでありながら、どこか日出ずる国・日本を象徴しているかのようにも感じられます。。
富士山を背景に、東京タワーやスカイツリー、レインボーブリッジといった都市のランドマークが並び、赤い光の中には、散歩をする人やランナー、サイクリングを楽しむ人、ベンチで寄り添う恋人たちの姿も。影絵のように動きのあるシルエットが浮かび上がり、静と動の対比が美しい心に残る作品でした。

ジオラマアート
空間を巧みに使い、立体ミニチュアに光・構図・物語性といった芸術的な美しい演出が加えられた、没入感のあるジオラマアートも素敵でした。光が街を染め、影が物語を紡ぎ出す…そんな繊細な演出に心を奪われます。


④関西国際空港エリア
「関西国際空港エリア」は、1/80スケールで精巧に再現された大型ジオラマ。滑走路やターミナルビル、駐機する航空機まで細部にわたって作り込まれており、昼と夜が繰り返される演出のなかで、離着陸する飛行機の動きや滑走路のライトアップなど、時間とともに変化する情景を楽しむことができました。旅客たちのミニチュアにもそれぞれのストーリーを感じさせる工夫が施されており、見どころ満載のエリアです。
関空を実際に利用したことがないため、その再現度への感動はやや控えめでしたが、エンジン音が響き渡る光景はまさに本物の空港さながらの臨場感。満席で座るスペースはありませんでしたが、実際に関西国際空港で使用されていたというソファが設置された休憩スペースもあり、ゆっくりと空港の雰囲気が味わえる作りになっています。

1階ギフトショップと2階レストラン
スモールワールズ東京にはギャラリーのほかに、1階に精巧なミニチュア作品や関連グッズが並ぶギフトショップ、2階に鑑賞の合間にくつろげるカフェレストランがありました。レストランではユニークなコラボメニューのほか季節限定メニューなども楽しめるようです。
スモールワールズ東京
東京都江東区有明1丁目3‐33 有明物流センター内
あとがき
スモールワールズ東京の入場料金は、大人3,200円、12〜17歳2,100円、4〜11歳1,700円とやや高めの設定ですが、偶然訪れた日は「5周年大感謝祭」で、なんと555円で入場できました。ただ、その感謝デーだったためか、館内は早い時間から大混雑。全エリアをひと通り巡ったものの、途中で人酔いしてしまい、約1時間で退館することに…。今回は特別な日だったのかもしれませんが、ゆっくり楽しむには開館直後や夕方の時間帯が比較的空いているようです。
3階ギャラリーにはほかにも、自分そっくりのミニチュアフィギュアを3Dスキャンで制作できる「3Dフィギュアスタジオ」や、ジオラマの制作・カスタマイズ体験ができる「クリエイティブスタジオ」、さらにミニチュアづくり講座や限定イベントを開催する「ワークショップスタジオ」など、体験コーナーも充実しています。精巧なミニチュアワールドに引き込まれ、創造力を刺激される、大人も楽しめるミュージアムでした。

