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【静岡・熱海】緑の杜に息づく聖地 来福と縁結びの神を祀る「来宮神社」を訪ねて
目次
緑の杜に包まれた「来宮神社」へ
緑濃い森に包まれた「来宮神社(きのみやじんじゃ)」は、古代からこの地の鎮守として崇敬を集めてきた由緒ある神社。創建は奈良時代の初め、今からおよそ1300年以上前と伝えられ、「日本武尊」が東征の折にこの地を訪れ神を祀ったことが起源とされています。(現在は全国44社の来宮神社の総社)
週末は混雑していて駐車できないことも多いのですが、今回は熱海に1泊した翌日の午前中に訪れると、前日からの雨の影響かまだそれほど混んでおらず、神社付近の駐車場も余裕があり、鳥居横のコインパーキングに停めることができました。
数年前から有料になりましたが、料金は良心的で、案内板には空車情報や料金がわかりやすく表示されています。なお、P2の区画は比較的広めですが急坂で斜め駐車となるためやや難易度高め。空きがあれば鳥居横の駐車場がおすすめです。

神社ゆかりの和菓子店「来宮健康パン」
来宮神社への最寄り駅は、徒歩約3分の伊東線「来宮駅」。熱海駅から向かう場合は、坂道も多いので徒歩約20分〜30分ほどかかります。来宮神社へ行く前に、まずは駐車場から高架下のトンネルを抜け「来の宮健康パン」に立ち寄りました。店名は来宮健康パンですが、名物のこがしまんじゅうをはじめ、お団子などを販売している和菓子店です。午前中で売り切れてしまうこともあるので、先に向かいました。

名物の来福スイーツ「こがしまんじゅう」
「こがしまんじゅう」は、麦こがし粉を使った香ばしいモチモチの皮と、上品な甘さのこしあんが絶妙に調和した逸品で、防腐剤を使わず、素材本来の風味を大切にした素朴でやさしい味わいが魅力です。
来宮神社にも奉納されることがある「来福スイーツ」として知られ、神社御用達のお菓子として人気。包み紙には「來」の文字があしらわれ、来宮神社との結びつきが感じられるデザインで、参拝の記念や熱海土産にもぴったり。温かいお茶とともに味わいたい一品です。
※「こがしまんじゅう」は、來宮神社境内内の茶寮「報鼓」または「鳥居の結び葉」でも購入可能。

来の宮健康パン
静岡県熱海市福道町7-9
杜の緑に映える朱色の鳥居と第2大楠木
「こがしまんじゅう」を無事に手に入れたあとは、再び歩いて来宮神社へ。参道入口に到着すると、杜の緑に鮮やかに映える朱色の鳥居が静かに迎え入れてくれます。産道を思わせるような竹林に包まれた参道では、揺れる葉音と清らかな空気に導かれるように、心が自然と穏やかになっていきます。
参道に入ってすぐ右手にそびえる巨樹は、樹齢約1300年の「第2大楠」。約300年前に落雷を受け、幹の一部は空洞になっていますが、今も青々と葉を茂らせ、その生命力の強さから「再生と長寿の象徴」として崇めら御神木に次ぐ神聖な楠として、今も静かに参拝者を見守っています。

商売繁盛・五穀豊穣の神を祀る「来宮稲荷神社」
鳥居をくぐってすぐ左手に手水舎があり、朱塗りの鳥居が連なる先には、商売繁盛や五穀豊穣の神を祀る「来宮稲荷神社」の社が静かに鎮座。商売や開運を願う人々が絶えず訪れる、来宮神社のもう一つの信仰スポットです。社殿前には、手を合わせて願いを込めると願望成就に導かれると伝わる霊石「願掛け稲荷石」が安置されています。
鳥居をくぐってすぐ左手に手水舎があり、朱塗りの鳥居が連なる先には、商売繁盛や五穀豊穣の神を祀る「来宮稲荷神社」の社が静かに鎮座しています。商売や開運を願う人々が絶えず訪れる、来宮神社のもう一つの信仰スポットで、社殿前には、手を合わせて願いを込めると願望成就に導かれると伝わる霊石「願掛け稲荷石」が安置されています。

御神水と来宮弁財天
参道を進むと階段横に「御神水」があり、境内に湧く天然の湧水のお水取り(初穂料1000円)ができます。その先には、芸能や財運、良縁のご利益で知られる「來宮弁財天」が祀られ、清らかな水のせせらぎとともに穏やかな気に包まれています。

主祭神に日本武尊を祀る「本殿」
来宮神社の本殿には、主祭神「日本武尊(やまとたけるのみこと)」をはじめ、「大己貴命(おおなむちのみこと)」、「五十猛命(いたけるのみこと)」をあわせ祀っています。古くから来福・縁結び・健康長寿・商売繁盛の神として信仰を集め、源頼朝や徳川家康も崇敬したと伝えられています。短い参道なのでお参りはすぐできます。

「参集殿」と「茶寮 報鼓」
本殿前には、神前結婚式や祈祷後の直会などに利用される「参集殿」があり、御朱印受付やお守り授与所があるほか、例大祭で担がれる宮神輿なども安置されています。また併設された1階「茶寮・報鼓(ほうこ)」では、甘酒や抹茶、来福スウィーツ、屋上「厨・楠の香」では、お酒やおつまみなどがいただけ、落ち着いた和の空間で心安らぐ時間を楽しめます。

静寂に包まれる竹林の小径
朱色の灯籠が淡い光を灯し、天へ伸びる竹林の小径へと歩を進めると、外の喧騒がすっと遠のいていきます。静かな風がほのかな香りとともに竹の葉を揺らす光景は、別世界へと通じる神秘の回廊のよう…。やがて道の先に、悠久の時を生きる御神木が姿を現し、訪れる人を深い安らぎの世界へと導いてくれます。

樹齢2000年超えの御神木「大楠」
樹齢2000年を超えると伝わる御神木「大楠」は、来宮神社の象徴ともいえる本州随一の巨樹。樹高約20m、幹周約24mの圧倒的な姿は、国の天然記念物にも指定されています。
幹を一周すると寿命が延びるといわれ、訪れる人々が静かに祈りを捧げる癒しの聖地。夕暮れ時から夜にかけて、杜の草木に宿る木霊を思わせる光がともり、昼間とはまた異なる幻想的な表情を見せてくれます。

深い凹凸の幹を見つめていると、神の樹にさまざまな生物が宿っているかのような造形が見られ、畏敬の念がわいてきます。御神木の裏手には、北部の岩戸山を源にやがて熱海湾へ注ぐ糸川が流れ、清らかで穏やかな空気が境内全体に満ちています。

川のせせらぎと木々のそよぎが静かに響きあい、神聖で落ち着いた癒しの世界へと誘ってくれます。

静かなひとときを過ごせる茶寮「五色の杜」
大楠の脇に広がる「五色の杜」は、四季折々の美しさが感じられる空間で、高台に設けられた「坐 KURA」からは、御神木をゆっくり眺めることができます。また、「茶寮・五色の杜」では、静岡抹茶や季節の和菓子などが楽しみながら、木漏れ日やそよ風に包まれた静かなひとときを過ごせます。
カフェや参集殿が改築されてから約10年。静かな杜に佇む社はより魅力的な環境へと整えられ、多くの人々に愛される神社であることを改めて実感しました。まだ夜に訪れたことがないので、次は大楠周辺のライトアップもぜひ見てみたいと思います。

来宮神社
静岡県熱海市西山町43-1
▼熱海に1泊後、箱根に向かいました。
