低温調理器 Anova Precision Cooker でパーフェクトでめちゃくちゃ美味しいローストビーフとチャーシューに挑戦!
どんな肉でもパーフェクトなピンクの超美味しいお肉が楽しめちゃうと噂の低温調理。今回は シリコンバレー発の 低温調理器 Anova Precision Cooker を使ってローストビーフとチャーシューに挑戦しました!それぞれのレシピ(温度と時間)も紹介します!
目次
パーフェクトな熱加減が実現できる低温調理法
低温調理法、あるいは真空調理法(Wikipedia)とは、1970年にフランスで考案された調理法で、「焼く」「蒸す」「煮る」に次ぐ、第四の調理法とも呼ばれます。簡単に言うと、タンパク質(お肉やお魚)が固くなってしまう温度よりも低い温度(約70度弱)で長時間(1時間以上)加熱することで、食材全体を最適な温度で調理出来ます(広義にはタンパク質以外にも野菜等を通常調理温度よりも低い温度で長時間加熱する調理法全体を指すこともあるようです)。
家で普通にお肉を調理する時にお肉が固くなってしまうのは、タンパク質が凝固してしまうのが原因です。低温調理法では、「お肉が凝固するよりも少し低い温度で一定に長時間」加熱することで、「生焼け」「硬すぎてパサパサ」を避ることが出来、パーフェクトなお肉料理が出来るというわけです。
「真空パックで湯に浸す」が低温調理法のポイント
真空調理法と呼ばれるのは、低温調理を行う際、素材を均一に長時間加熱するために
- 食材と調味料を真空パック(実際にはジップロック等を使います)に入れて
- 一定温度の湯に長時間浸す
からです。
真空にすることで
- 空気がないので浮いてこない
- 空気は熱の伝わりが悪いので、空気が無いことで、湯の熱が食材に伝わりやすい
- 浸透圧で調味料が染み込みやすい
湯に浸すことで
- 熱を全方向から伝えることが出来、加熱むらがない
が実現できるから、「均一に一定温度で加熱し続け」られるんですね!
スマホで簡単! 低温調理器 Anova Precision Cooker
この低温調理法が手軽にできるのが、ITの聖地シリコンバレー発のAnova Culinary社の Anova Precision Cooker です。”Precision”というのは英語で「精度」とか「精密」という意味で、これまでの調理で一番困難だった「火加減」を精密に制御できる調理器という意味合いが込められているようです。
筒状の本体と鍋に固定するアダプタで構成されています。本体上部にはディスプレイが付いています。温度やタイマー調節用のダイアヤルが付いています。下の金属部分には水位の上下限を示すメモリが付いています。操作法は至って簡単。ディスプレイ下のダイヤルで温度・タイマーをして、スタートボタンを押すだけという手軽さです。
本体を操作することでも調理できますが、スマホアプリもあるので、そちらのほうがより操作が簡単かもしれません。さらに、スマホアプリには食材毎にたくさんのレシピが用意されていて、レシピ通りに下ごしらえして、アプリから調理をスタートすれば、全自動でレシピ通りの調理をしてくれます(レシピが英語だったり、量がアメリカ式なので読む時に変換する必要が有るのでちょっと大変かもしれません・・・😅)
ジップロックで真空にする(空気を抜く方法)
さて実際に低温調理を行う時に、一番気になるのが「どうやって真空パックなんてつくるの?」という部分。自宅に真空パックマシンなんてなかなかある代物じゃないですよね。汁あり、汁なしでやり方が変わるのですが、一番お手軽だと思う方法を紹介します。
汁が無い場合(ローストビーフのような場合)
実際やろうとすると、具材が崩れてしまわないように気を使いながらになるので、なかなかうまく行きません。そこで便利なのが「ストロー」です。
こんな風にストロー以外の部分に封をして、ストローで空気を抜き、最後にストローを抜いて完全に封をするという方法。完全な真空は難しいですが、食材が浮いて来ない程度に空気が抜けていれば実際には問題ないです。ただ、吸いすぎると具材(この時は生肉の血)を吸ってしまうことになるので、吸いすぎ注意です😅
お湯に沈めながら空気を抜いていって(水圧で空気が自然に抜けます)、最後にストローで抜ききれなかった空気を吸い出すとよりしっかり空気が抜けるのでオススメです。少しコツが必要ですが慣れれば難しくないと思います。
汁がある場合(チャーシューのような場合)
汁があるとストローは使えません。。調理する時の調味液はかなり濃いので、ストローをつかうとエライことになります。そんな時には下記の方法を使うととても簡単です!
- 液体の一番上の部分をテーブルの角に当てて、
- 引っ張りながら、液体より上の部分をテーブルに押し付けて
- 空気を抜きながら封をします
この写真の様に卵を茹でるような時は取り出しやすくするために、水と卵をジップロックに入れてこの方法を使うと便利です。
パーフェクトピンクでめちゃうまなローストビーフ (57.2度で36時間)!!
いよいよ挑戦です!今回使うのは頂きものの霜降りの牛肉のブロック。見ているだけでも食欲をそそりますね。
材料
材料は牛ロースのブロック(室温に戻しておきます)と塩とコショウだけ。これだけでも十分美味しいです!塩はクレイジーソルトやシーソルトのようなものが良いと思います(今回はシーソルトを使いました)。この大きさの肉のブロックオーブンやフライパンでパーフェクトピンクなミディアム・レアに調理するのはそこそこ技術がひつようだと思いますが、Anovaがあるので安心ですね。
作り方
手順も至って簡単。お肉に塩・胡椒を多めにまぶして、ジップロックに入れて空気をしっかり抜いておきます。空気はしっかり抜いておく事がポイントです。空気が多すぎると浮いてきてしまいますし、熱の伝わりを妨げてしまってしっかり調理出来ません。
いよいよ低温調理に入ります。今回はAnovaアプリのレシピから”Firm and meaty, like a tender steak”というのを選択。57.2度で36時間加熱します。(「柔らかいステーキのように、しっかりとしたお肉の触感」という様な意味でしょうか)
お鍋にAnovaをセットし水をはり、Anovaのアプリでレシピ画面に表示されている調理スタートをタップすると、Anovaが水を予熱し始めます。お湯を一定の温度に保つためにAnovaはお湯を撹拌しながら加熱するので、音が心配だったのですが、動作しているのが分かる程度の音で、気になるほどの音ではないです。部屋にBGMがかかっている時には気づかないくらいのレベルです。
しばらくすると、アプリに予熱完了を知らせてくれるので、お肉を投入します。この時クリップなんかを使って、ジップロックを鍋の側面に固定しておくと、水流で中に沈んでしまって取り出しにくくなったりするのを防げます。
あとは待つこと、36時間。Anovaが温度を常に57.2度にキープしてくれます。時間になると、自動でAnovaアプリが教えてくれるので、お肉を取り出します。便利でカンタン!
仕上げて完成!
低温調理は、文字通り低温で加熱するので、焼き目が付きません。なので、仕上げにフライパン(オーブンやグリルを使っても良いと思います)で少しだけ焼き目を付けたら出来上がりです!
ジューシーでとっても柔らか温玉チャーシュー丼(65度で5時間)!!
次は豚肉に挑戦してみました。チャーシューって自分でつくる時、硬くなってしまいがちじゃないですか?自分でつくる時にジューシーで柔らかく仕上がった!というのはなかなか経験がありません。そんなときこそAnovaの出番。一定温度で硬くなる寸前の温度でしっかり豚肉を煮込んでくれます。
今回は、温玉チャーシュー丼を作りました。
- チャーシューは65度で5時間
- 温玉は63度で45分
とうことで、チャーシューが出来上がる45分前に卵を投入して同時に出来上がるようにしました。
材料
- 豚バラブロック: 450g
- タレ: (調味料は全部お鍋に入れてひと煮立ちさせ冷しておく)
- 醤油: 50cc
- 酒: 50cc
- みりん: 50cc
- ネギ: 5cmくらい
- 生姜: 2スライス
- にんにく: 一片(包丁で潰しておく)
作り方
お肉とタレをジップロックに入れて空気を抜いておきます。卵も水と一緒にジップロックに入れて空気を抜いておきます。
完成!
今回はAnovaアプリのレシピには無いので、アプリからマニュアル操作です。待つこと5時間。45分前に卵を投入して、タイマーが鳴ったら出来上がり!
今回は煮豚と温玉チャーシュー丼な感じで盛り付けてみました☆
温玉もお肉もパーフェクトな状態に仕上がりました😆
低温調理では殺菌時間に注意しましょう
こんなにもパーフェクトにお肉が調理できる低温調理法ですが一つだけ注意点があります。それは、低温調理では殺菌に気をつけなければならないということです。通常の調理法では高温を使うのであまり気にされないのですが、低温であるがゆえの宿命ですね。
殺菌温度や時間については、肉の低温調理メモ:温度と殺菌の関係という記事にとてもよく纏まっているので参考にしてください。このサイトによると低温調理で気をつけることは
- 殺菌温度を知る
- 新鮮な食材を使う
- 素材・料理毎の温度
です。
食材だけでなく、まな板や包丁といった調理器具の衛生面も大切だと思います。また、調理する際の手の衛生は勿論ですね。
生食ができるお肉もありますし、殺菌を徹底しないと食べられないかというとそうではありません。菌の種類や殺菌時間の正しい知識を持った上で、低温調理法を楽しみましょう⭐️