驚くべき美容・健康効果の「甘酒」

「甘酒」というと寒い冬の飲みものというイメージですが、「冷やし甘酒」にして飲んだり、豆乳を加えたり、スムージーにしたり、色々な応用レシピもあり、1年中いつでも飲めるもの。今回は、たくさんの栄養素を含み、美容・健康にとても良い「甘酒」をご紹介します!

「酒粕」の甘酒と「米麹」の甘酒の違いとは?

甘酒には、「酒粕」から作るものと「米麹」から作るものがありますが、その2つの違いは、

酒粕からつくる甘酒

  • 酒粕が原料(日本酒のもろみを圧搾した後にできるろ過残存物)
  • アルコール成分がある
  • 味と匂いにクセがある
  • 酒粕、水、砂糖、塩を混ぜて煮るだけなので時間と手間がかからない
  • 砂糖で甘みをつけるのでカロリーが高くなりやすい

米麹からつくる甘酒

  • 米と麹菌が原料(ご飯に麹菌を加えて発酵させる)
  • アルコール成分がない
  • 味と匂いにクセがない
  • 時間と手間がかかる
  • 発酵によって甘さが増すので砂糖は入れる必要がなくカロリーも低い

といったところでしょうか。栄養価などについては多少の違いはあれど、ほぼ同じと思ってよさそうです。どちらを選ぶかは、味の好みによりますが、一般的に飲みやすいと言われているのは「米麹の甘酒」。また、お子様が飲む場合も、アルコールが入っていない米麹の甘酒の方が安心して飲めますね。

ちなみに筆者はどちらの甘酒も好きなので、すぐに飲みたいときは酒粕から、時間があるときはできるだけ米麹からつくるようにしています。

甘酒の驚くべき効果と効能

疲労回復・夏バテに効く

甘酒が「飲む点滴」と呼ばれているのは、疲労回復に効果的なビタミンB群をはじめ、葉酸、食物繊維、また体力増強に効く多くの必須アミノ酸を含み、身体に必要不可欠な栄養素がバランスよく含まれているため!江戸時代には、夏バテ防止や疲労回復のための栄養ドリンクとして真夏に飲まれていたそうですよ。

植物性乳酸菌の整腸作用で腸美人♪

甘酒には植物性乳酸菌食物繊維が含まれるので、整腸作用、便秘解消に効果が期待できます。腸内の善玉菌が増え腸内環境が良くなり、免疫細胞(免疫細胞の約60%が腸内にあると言われています)が元気になって免疫力もアップ

花粉症、アトピー性皮膚炎などのアレルギー症状も軽減させてくれるので、「花粉症」の筆者は、3月〜5月もよく甘酒を作って飲んでいます。

また、抗生物質を飲むと、病原菌が死滅すると同時に、善玉菌も一緒に死滅され腸内環境を悪化させてしまうので、風邪をひいたときなどにも甘酒は最適です。栄養補給の体力回復にもなりますし、アンチバイオティクス(抗生物質)には、プロバイオティクス(生きた微生物)で対抗というわけです。いずれにしろ、腸内環境を整え腸美人でいることが、美容・健康の要ですね!

美白効果のある「コウジ酸」

コウジ酸にはシミの原因となるメラニン生成を抑制する働きと、シワ、たるみ、クスミなどに効果を発揮する抗酸化作用があると言われ、数多くの化粧品に「コウジ酸」が配合されています。甘酒が美肌に良いと言われるのは、この「コウジ酸」の活躍が大きいのかもしれませんね。

ちなみに、コウジ酸と似たような美白の働きを持つ「ハイドロキノン」は、美白化粧品の中でもっとも効果の高い成分といわれています。

必須アミノ酸でアンチエイジング

筋肉や血管などの細胞を作る上で必要不可欠でありながら、人間の体内では作れない「必須アミノ酸」が甘酒には豊富に含まれており、アンチエイジング効果があります。

ストレス軽減でリラックス

甘酒に含まれている「ギャバ」や「パントテン酸」には神経を鎮めストレスを軽減して、疲れを癒す効果があると言われており、寝不足解消にも効果が期待できそうです。

米麹から作る甘酒

酒粕からつくる甘酒は、水と酒粕を煮て砂糖と塩を混ぜるだけという手軽さが良いのですよね。その点、米麹から作る甘酒は、ちょっと手間と時間がかかりますが、アルコール成分がなく、発酵による自然の甘さなのでカロリーも低いという利点があります。今日は、その「米麹」を使ってつくる甘酒の作り方を2通りご紹介したいと思います。

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炊飯器を使った甘酒の作り方

米麹は大概のスーパーで売っていますよね。よく見かけるのは100gの板麹が2枚入った「みやここうじ」ですが、たくさん作りたい場合は1kgパックが便利。まずは、炊飯器を使った甘酒の作り方です。(「みやここうじ」を使用)

材料:みやここうじ200g、米150g、水450ml

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①3倍の水を入れたお米をお粥モードで炊飯する。

②お粥を60度位までに冷まし、もみほぐした麹を入れて混ぜる。

③炊飯器の蓋を開けたまま(蓋を閉じると65度を超えてしまう)保温し、濡れ付近(雑菌の混入も防ぐ)で覆う。

④途中2〜3回かき混ぜ、10時間保温したら、もっちりとした生甘酒の出来上がり♪ 

  • ポイント1 温度を60度未満に保つことが重要!(糖化酵素は70度を超えると破壊される。ちなみに麹菌や乳酸菌は55度を超えると死にはじめるそうなので、できれば54度程度でキープするのが理想)
  • ポイント2 時々、温度をチェックしながら途中で何回かかき混ぜること。

※今回お米はこしひかりを使用。お米の代わりに「もち米」にすると、デンプンを多く含むため、かなり甘さの強い仕上がりになります。

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米麹から作った甘酒は自然の甘さで、やはり美味しいですね♪ 出来上がった生甘酒は、結構甘くて濃厚なので、水やお湯(できれば、沸かしたお湯は70度以下に冷ましてから生甘酒を溶かして飲むのが良い)、豆乳などで好みの濃度に薄めてから飲みます。粒々の食感が気になる場合は、ミキサーにかけると滑らかになって飲みやすくなりますよ。

また、生甘酒はドロっとした仕上がりになるので、保存容器はスプーンですくいやすい薄型のタッパーやガラス瓶が便利です。

低温調理器 「Anova Precision Cooker 」を使った甘酒の作り方

「Anova」は、温度を一定に保つことができるので簡単に美味しい甘酒がベストの状態で作れます!

材料:白米150g、米麹200g、お湯(54度)800ml

「Anova Precision Cooker」で作る料理の詳細はコチラ

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①柔らかめに炊いたご飯をかき混ぜ、粗熱を取る

ご飯が54度になったら米麹を入れ、よく混ぜ合わせる。

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③ミックスしたご飯と米麹に54度のお湯を入れる。

④ジプロックに③を入れ、空気を抜きながらキッチリとジプロックの口を閉じる。

ジプロックを簡単に真空にする方法はコチラをご参照(動画あり)ください。

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⑤「Anova」を54度、5時間に設定し、④を入れる。(万が一の漏れ防止にジプロックの先端をクリップ止めする)

⑥5時間経過しアラームが鳴ったら出来上がり!

保温し続けると発酵し過ぎて酸っぱくなるので注意してください。

有効成分をしっかり摂取するための飲み方

甘酒は70度を超えると酵素が死滅してしまうので、そのまま飲むか、冷やして飲むのがオススメです。乳酸菌や酵素が死滅しても、ブドウ糖、アミノ酸、ビタミンB群などの栄養素はそのまま残るようですが、やはりできるだけ生きた酵素を身体に摂り入れたいものです😊 

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「甘酒グリーンスムージー」で更に栄養アップ

葉野菜と果物を水でミックスする「グリーンスムージー」に、甘酒をプラスすると栄養満点の「甘酒グリーンスムージー」に変身!便秘知らずの腸美人で美肌を目指すオススメの1品は、小松菜1株、リンゴ1/2、甘酒400ml(水適量)です。リンゴはよく洗って皮のままミキサーにかけてみてください。ほんのり甘い抹茶のようなテイストでとても美味しいですよ!

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甘酒の保存方法

煮沸消毒したガラス瓶などの保存容器に、粗熱をとった甘酒を入れて、冷蔵庫や冷凍庫で保存(保存期間は約1週間)します。冷蔵庫に入れても麹菌は発酵し続けるので、酸味が出てきますが1週間は美味しく飲めます。

長期間保存したい場合は、発酵を止めるために、出来上がった甘酒を火にかけ一度沸騰(もしくは沸騰させずに5分ほど温める)させます。あとは同じように荒熱を取って、保存容器に入れて冷蔵庫で約2週間は持ちます。

まとめて大量に作る場合などは、小分け(製氷器で凍らせるのが最適)にして冷凍庫で保存するのが便利です。冷凍するとコウジ菌は休眠状態になるので、火を入れなくても2〜3ヶ月は持ちます。

甘酒の中に雑菌が入らないよう、スプーンその他の器具を使う時は(熱湯消毒するなどで)気をつけてください。まだ保存期間中だからといって安心せず、もし腐敗臭がする場合は、絶対に飲まないでください。

また、開封した米麹は害虫がつきやすいので冷蔵保存してくださいね。

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作った甘酒は、ドレッシングに混ぜたり、べったら漬にしたり、米粉を使って蒸しパンを作ったりetc…、砂糖を使わず甘酒の甘みを利用した美味しい料理やお菓子レシピもたくさんあるので、次回はそういった応用レシピなども紹介したいと思います。

ちなみ甘酒は、糖分の好きな酵母菌によって発酵が進むと「どぶろく」という酒になり、更にアルコールが好きな酢酸菌によって発酵が進むと「酢」になるそうですよ。

できれば甘酒は手作りが一番ですが、もっと手軽に飲みたいという方には、添加物の入っていない、米と麹のみで作った甘酒を購入するのが良いと思います😊