カリフォルニア州ヤーモにある「キャリコゴーストタウン」は、19世紀後半の西部開拓時代に栄えた銀鉱山の跡地。シルバーラッシュが過ぎると共にゴーストタウンとなり、現在はキャリコ ゴースト タウンという名の…
【カリフォルニア州ニューベリースプリングス】映画のロケ地「バグダッド カフェ」を訪問
カリフォルニア州ニューベリースプリングスにある「バグダッド カフェ」は、映画のロケ地として人気の観光スポットです。2012年から2015年のアメブロに掲載していたブログをまとめて再投稿しました。
目次
映画のロケ地「バグダッド カフェ」に到着
ロサンゼルスから映画のロケ地として有名な「バグダッドカフェ(Bagdad Cafe)」までは車で2時間強の距離。I-15を北上しバーストーで州間高速道路40号線へ、「ニューベリースプリングス(Newberry Springs)」で高速を降りそのままルート66を3分ほど走るとバグダッドカフェ(旧道のルート66と新道の州間高速道路40号線に挟まれた土地に建つ)が見えてきます。
現在も営業しており、ロスからラスベガスまで行く場合はちょうど中間点となる場所で簡単に立ち寄ることができ、ドライブの息抜きにちょうど良いカフェスポットでもあります。
州間高速道路40号線(I-40)が開通するとルート66沿いの多くのドライブインや町は廃れてしまいましたが、ニューベリースプリングスはゴーストタウンになることを免れ、現在は2000〜3000人規模の住民が住む町となっています。
※バーストーはI-15とI-40との合流地点となっている町なので時間帯によって渋滞に巻き込まれることがあるかもしれません。ちなみにバーストからそのまま1-15Nに向かい15分ほど車を走らせたヤーモに、西部開拓時代に栄えたキャリコの町をテーマパークにした「キャリコ ゴーストタウン」があります。また、そこからラスベガスまでは約2時間の距離です。
▼ 「キャリコ ゴースト タウン」についての記事は下記リンクからどうぞ☆
【カリフォルニア・ヤーモ】かつて銀鉱山として栄えた町キャリコのテーマパーク 「キャリコ ゴースト タウン」
Bagdad Cafe in Newberry Springs
ニューベリースプリングスの「バグダッド カフェ」について
ニューベリースプリングスの旧国道・ルート66沿いに佇む「バグダッドカフェ(Bagdad Cafe)」はかつて「サイド ワインダー カフェ(The Sidewinder Cafe)」という名前で1950年代にオープン。1987年にドイツ映画「バグダッド・カフェ」(原題:アウト オブ ローゼンハイム/Out of Rosenheim)の映画が上映されると、ヨーロッパ(特にドイツ)から多くの観光客が訪れるようになり、また1989年に日本で劇場公開されると多くの日本人もこのロケ地を訪れるようになりました。その後の1995年に「サイド ワインダー カフェ」という店名を「バグダッド カフェ」に変更しています。
元々の「バグダッド カフェ」は約80km東に位置する町「バグダッド」にありましたが、ニューベリースプリングスのこの地をバグダッドの町という設定で映画の撮影が行われました。
1973年にI-40が開通し、ルート66が廃れていくと繁栄していたビジネスも崩壊、ルート66号線沿いの町はゴーストタウンとなっていき、やがてバグダッドに住む人もゼロに…オリジナルのバグダッドは今や建物も何も残っていません。
Historic Route 66
▼ルート66についての記事は下記のリンクからどうぞ☆
アリゾナ州〜カリフォルニア州のルート66をロードトリップ!主要の観光スポット巡り
映画「バグダッド・カフェ」のあらすじ
1987年制作のドイツ映画「バグダッド・カフェ」は、米国カリフォルニア州モハーベ砂漠の小さなカフェとモーテルを舞台にしたコメディードラマ。ドイツのローゼンハイムからやってきた旅行者夫婦が、レンタカーでラスベガスに向かう途中のモハーベ砂漠で喧嘩別れ…、主人公のジャスミン(マリアンネ・ゼーゲブレヒト)が、何もない砂漠の道を重たいスーツケースを引きずりながら途方も無く歩くシーンから始まります。
やっとの思いでたどり着いたのがルート66沿いに佇む寂れた「Bagdad Cafe」。ガソリンスタンドとモーテルと共に今にも潰れそうな店を経営する女主人のブレンダは、怠惰な夫、自分勝手で反抗的な子供たち、やる気のないスタッフ、変わり者のモーテルの住民や常連客たちに腹を立て、いつもイライラして家族にもお客にも怒鳴り散らす不機嫌な日々…。役立たずの夫をちょうど家から追い出したばかりの時に二人は出会います。はじめは何につけケンカ腰だったブレンダですが、ジャスミンの穏やかで温かい不思議なパワーに徐々に癒やされていき、また彼女を取り巻くみんなの心も少しづつ生き生きとし始め、砂漠のオアシスとして大勢の客達がバグダッド・カフェに集まるようになっていくという心温まる物語…。
乾いた砂漠の殺伐とした人間模様が、ジャスミンの出現によって水を得た魚のように生き生きとした姿に変わっいく様子は、見ている者に様々な感情を呼び起こさせ、心を元気にしてくれます。
余談ですが、知ってか知らずかこのロケ地となったニューベリースプリングスの元の名前は「ウォーター(水)」なのだそうです。ジャスミンという一人の訪問者によって人々の心を潤していくストーリーを、砂漠のオアシスとして古くから町を潤していたという地で撮影したという共時性が、この映画をより感慨深いものにしてくれます。
※2019年11月〜12月、日本公開30周年を記念して「バグダッド・カフェ ニュー ディレクターズ カット版」が特別上映されました。
コーリング・ユー&バグダッド カフェの映像
映画の主題歌であるジュヴェッタ スティールが歌うコーリング・ユーが、更に映画を味わい深いものにしています。また、ホリー コールの歌声もひと味違って素敵です。
※映像や写真は2012年〜2014年に撮影したもので、すでにモーテルは取り壊されています。
“Calling You” Jevetta Steele
“Calling You” Holy Cole
放置されたままのキャンピングカー&給水塔
(映画の中で)ハリウッドからやってきた画家ルディが暮らしていたキャンピングカーらしきものが、カフェの横と少し離れた場所に横たわり、その遠方に給水塔が放置されていました。その先にはI-40が見えます。
バグダッドカフェの店内でコーヒータイム
店内には映画で見覚えのある黄色のポットやオルガンをはじめ、映画のキャストやスタッフのスナップショットなどが展示され、映画ファンによるメッセージや旅行者の名刺などが壁一面にびっしり!ジャパンコーナーのような場所があり、日本人観光客の多くのメッセージも残されています。
廃墟だった今はなき「ヘニングモーテル」
バグダッド カフェに隣接している「ヘニングモーテル(Henning Motel)」も映画(正面左端の部屋がジャスミンが宿泊していたゲストルーム)で使用されました。
撮影後は再び放置され、しばらくの間は室内に立ち入ることができたものの部屋の中はゴミだらけ全ての窓ガラスは割れ、ハトや小動物の棲家と化し、心霊スポットのような廃墟に…その後2015年の初めに建物はすべて取り壊されてしまいました。2019年現在、錆びた古い標識のみがポツリと立っています。(写真は2014年に撮影)
Henning Motel
夕暮れ時のバグダッド カフェ
時が止まっていたかのように静かに佇むバグダッド カフェ。夕暮れ時の哀愁漂う雰囲気がたまりません…。
46548 National Trails Hwy,
Newberry Springs, California