【シアトル】日本人と繋がりの深い「パイクプレイス・マーケット」を訪問

アメリカ西海岸最北のワシントン州にある大都市「シアトル」。この都市名は、先住民族であったスクアミシュ族のシアトル酋長( Chief Seattle)」 に由来します。1854年アメリカ連邦政府によって先住民たちが保留地へ強制移住させられた際に残したシアトル酋長のスピーチ「Chief Seattle’s Speech」は、とても心打たれる素晴らしい内容です。(詳細は「The Nomadic Spirit」をご参照下さい)深い歴史がある「シアトル」ですが、人気観光スポット「パイクプレイス・マーケット」にも、日本人にとって繋がりの深い歴史があります。

※こちらの記事は2014年5月FC2に掲載したブログを再投稿しています。

路面電車ライトレイルでシアトル・ダウンタウンへ

早朝7時にサンフランシスコ空港を出発し、9時頃シアトル・タコマ空港に到着。

シアトル・タコマ空港「シータックエアポート駅(SeaTac/Airport Sta.)」から路面電車「リンクライトレイル(Link Right Rail)」に乗って、シアトル・ダウンタウンへ向かいました。

※空港のバゲージクレームからライトレイルまでの距離が思いのほか遠く、荷物が多かったので大変でした。スカイブリッジを渡ったあとの駐車場棟の経路が非常に長いです。また乗車してから終点の「ウエストレイク駅(Westlake Sta.)」までは45分ほどかかります。

途中、イチロー選手が活躍したシアトルマリナーズの本拠地「セーフコ・フィールド」を通過。

パイクプレイスのストリートパフォーマーたち

宿泊ホテルにスーツケースを預けたあと、早速「パイクプレイスマーケット」へ。人が集まる観光スポットなので、色々なスタイルのストリートパフォーマーたちにも出会います。

シアトルの人気観光スポット「パイクプレイスマーケット」

パイクストリート( Pike Street) をエリオット湾(Elliott Bay)に向かって歩くと正面に 「パブリックマーケット(PUBLIC MARKET)」 の看板が見えてきます。

こちらが毎年世界中からたくさんの観光客が訪れるというシアトルの人気観光スポット「パイクプレースマーケット(Pike Place Market)」の入口。アラスカ・ゴールドラッシュでシアトルが急成長した時期と重なる1907年開設され、100年以上の歴史があるマーケットです。

パイクプレイスマーケットと日系移民農家の歴史

このパイクプレイスマーケットが日本人と深い関係があることをご存知でしょうか。現在マーケット内でアジア人が店前に立つ店舗を目にすることはあっても、日系人らしき人を見かけることはないのですが、マーケット創設時は、多くの日本人がシアトルに移住していた時代でもあり、パイクプレイスマーケットで農作物を販売する農家のおよそ3分の2が日系移民農家だったといいます。

当時は人種差別が酷く一般企業への就職は難しかったものの、日系移民の多くが高い農業技術をもった農家出身だったため、農業に成功への道を求めたそうです。ところが日系農家が実績を上げ始めると白人系移民の圧力も強まり、数々の嫌がらせ、また排日土地法で日系移民の土地所有が禁止され借地での畑作りを強いられたり、日系農家をマーケットから追放しようとする動きなどもあったとか…。

第二次世界大戦中には、日系農家の人々が強制収容所へ連行されたことをきっかけに急速にパイクプレイスマーケットは衰退、時代の流れも相まってダウンタウン全体が廃退し、マーケット周辺の治安が悪化。また第2次世界大戦終結後も、シアトルに戻ってきた日系農家はほんのわずかだったそうです。

その後、1960年代になるとダウンタウンの再開発計画でマーケットが解体の危機にさらされたものの、10年ほど続いた市民運動により、市がマーケット周辺の土地を買い取り歴史保護地区に指定したことで、マーケットの復興が進められ、現在に至っています。

土地と生活の術を取り上げられた先住民たちのように、日本人も辛い仕打ちを受けていたという歴史があり、それに耐え忍ぶ精神力の強さで生き抜いた日本人がいることを忘れてはいけないですね…。また、古い歴史を持つこのパイクプレイスマーケットが、今でも存続している理由のひとつに日本人の大きな貢献があったことを誇りに思う場所でもあります。

豚のマスコット「レイチェル」

パイクプレイスセンターのサインの下と、その斜め向かいのビル「サニタリーパブリックマーケット(Sanitary Public Market)」の屋根にはパイク・プレイス・マーケットのマスコット的存在の豚さん「レイチェル」がいます。

パイクプレイスマーケットの100周年記念の際に「レイチェル」の作品が100体、100人のアーティストたちによって製作され、シアトルのダウンタウンの至る所に飾らているそうです。

魚が飛び交う?!「パイクプレイスフィッシュマーケット」

パイクプレイスマーケットのファーマーズに入るとまず目に飛び込んでくるのが魚売場の「パイクプレイスフィッシュマーケット(Pike Place Fish Market)」。サーモンやカニ、ロブスターなど新鮮な魚介類が店頭に並んでいます。

こちらのお店で有名なのが、魚を投げるパフォーマンス(魚が売れると売り子さんがその魚を放り投げ、包装する人がキャッチする)。客から注文が入ったときだけ見られる光景ですが、それを見るために、たくさんの観光客が詰めかけています。

活気溢れる八百屋さん

パイクプレイスは、新鮮な美味しい食材が揃う宝庫!八百屋さんやフルーツ屋さんも多く目立ちます。ワシントン州は全米でも有数の農産物の産地と言われるだけあって、いろいろな野菜や果物を見ることができます。エレファントガーリックなど、ちょっと珍しい野菜もありました。

その他のショップ

お花、ドライフルーツ、カフェ、レストランと数多くの食品関係のショップがアーケードに軒を連ねており、またアンティーク雑貨、本、ポスター、アクセサリー、ファッション、バッグなどのショップがずらりと地下に続くので、すべての店を見てまわるには半日以上かかります。

カラフルな花々で通路は色鮮やか!花束がとってもリーズナブルです。

絶品チャウダー「パイクプレイスチャウダー」

全米ベスト・クラムチャウダー賞を始めとする数々の賞を受賞しているというシアトルで大人気のチャウダー専門店「パイクプレイスチャウダー(Pike Place Chowder)」です。

「パイクプレイスチャウダー」ついての記事は下記のリンクからどうぞ☆

【ワシントン】絶対に見逃せない絶品!シアトルの「パイクプレイスチャウダー」

 Pike Place Chowder
1530 Post Alley,  
Seattle, WA 98101

「ビーチャーズ ハンドメイド チーズ」

2003年に創業したシアトル発祥の「ビーチャーズ・ハンドメイドチーズ(Beecher’s Handmade Cheese)」は、伝統的な製法で添加物や着色料などを使っていないアルチザンチーズの専門店。「ワールドベスト(world’s best)」と名付けられたマック&チーズ(マカロニ&チーズ)が一番の人気商品です。

店内のチーズ工房がガラス張りになっていて、巨大なバスタブのような釜で「チーズカード」を製造している様子を見ることができます。

チーズ売り場にあった試食用のチーズは、人気商品の「フラッグシップ(Flagship)」と「フレッシュチーズカード(Fresh Cheese Cards)」。「フラッグシップ」は、凝固した乳の「チーズカード」を15カ月熟成させたチーズ。あまり癖がなく濃厚で、ビーチャーズの一番人気のチーズです。ちなみに「マック&チーズ」はフラッグシップとジャストジャックというチーズを7対1の割合で混ぜてつくられているそうです。

ビーチャーズの隣には、1972年創業のお洒落なキッチン雑貨店「スーラテーブル(Sur la table)」があります。

Beecher’s Handmade Cheese
1600 Pike Pl, Seattle, WA 98101 

ボリューム満点の「ピロシキピロシキ」

パイクプレイスにある人気のベーカリー「ピロシキピロシキ(Piroshky, Piroshky)」。ピロシキは小麦粉を練った皮で、肉や野菜などの具を包み、油で揚げたりオーブンで焼いたりするロシア料理ですね。

こちらのベーカリーでは、アップルシナモン、モスコウロール、コーヒーシナモンロールなどのスイートピロシキ、ビーフ&オニオン、スモークサーモン、チキンカレーなどのミートピロシキがあります。

店内は狭く、イスとテーブルも限られているのでほとんどの人がテイクアウトしています。どれもひとつが大きくボリューム満点です。

Piroshky Piroshky
Pike Place Market, 1908 Pike Place
Seattle, WA 98101

シアトル発「スターバックス1号店」

1971年に開店したスターバックスの1号店。この店舗では、看板からグッズまで、当時使われていたロゴ(胸を露出した人魚の絵)が使われています。いつ見ても大行列で、座る場所もないのに店内は観光客でいっぱいです。お土産には、スターバックス1号店限定の「Pike Place Market」 の文字が入ったマグカップやタンブラーなどが人気のようです。

店前では、いつも違ったミュージシャンらによるパフォーマンスが披露されています。

ワイン専門店「パイク&ウェスタンワインショップ」

パイクストリートとバージニアストリートの交差点にあるワイン専門店「パイク&ウェスタンワインショップ(Pike & Western Wine Shop)」。店員さんは知識が豊富で、親切丁寧な接客。好みを伝えると店内にある在庫の中からオススメのワインを探してくれます。今回のアラスカクルーズの際に船室で飲むワインを1本ゲットしました。

Pike & Western Wine Shop
1934 Pike Pl, Seattle, WA 98101

「ビクター・ステインブルエック公園」周辺

パイクプレイスからエリオット湾が見渡せるビクターステインブルエック公園へ向かう途中、セグウェイに乗って坂を降りていくツアーグループに遭遇。気持ちよさそうです。

公園にはいくつかのピクニックテーブルが置いてありパイクマーケットでテイクアウトしたピロシキやサンドを食べてる人がチラホラ。ここからピア55方面のウォーターフロント公園の観覧車なども見えます。


Western Avenue


Victor Steinbrueck Park

シーフードレストラン「アンソニーズ ベルストリート ダイナー」

ウォーターフロントのピア66にあるシーフードレストラン「アンソニーズベルストリートダイナー(Anthonys Bell Street Diner)」は、エリオット湾のベイビューが望める素敵なロケーション。

ベルダイナーで「サンセット・ディナーズ」というお得な4コースメニュー(アペタイザー、スープorサラダ、メイン、デザート)をいただきました。

自社の水産会社から直送される新鮮な魚介類が自慢というだけあってサーモンが美味しい!オーシャンビューの窓際のテーブルで雰囲気も良く、全体的にサービスも良いです。

Anthonys Bell Street Diner
2201 Alaskan Way,
Seattle, WA 98121 
www.anthonys.com

シアトルの宿泊「メイフラワーパークホテル」

今回のシアトルでの宿泊は「Hotels.com(ホテルズドットコム)」で事前に予約していた「メイフラワーパークホテル(Mayflower Park Hotel)」。シアトルのダウンタウンは坂が多い街なので、ホテルまで駅近で坂がない立地を条件に探しました。

ウェストレイク駅(Westlake Sta.)から徒歩3分と交通の便も良く、パイクマーケットにも歩いて行ける距離で最高のロケーションです。

客室はゆったりとしていて、落ち着いたクラッシックな家具で統一されています。室内の無料Wi-Fi環境はスムーズで問題なし、スタッフのサービスも良く快適なホテルでした。

Mayflower Park Hotel
405 Olive Way,
Seattle98101

シアトル・ダウンタウン周辺マップ