【カリフォルニア州セバストポル】リンゴとワインの街「ザ・バーロウ」の見どころ

恵み豊かなワインの産地として有名なカリフォルニア北部のソノマカウンティに「セバストポル(Sebastapol )」という小さな街があります。かつて繁栄したリンゴ産業が徐々に衰退し、その後の工場地区は荒廃の一途を辿りましたが、21世紀に入り再開発プロジェクトが始動、老朽化した建物群がオシャレに生まれ変わった「ザ・バーロウ(The Barlow)」が誕生しました。今回は右肩上がりの急成長を続ける素敵なスポット「Sebastopol – The Barlow」をご紹介します。

「セバストポル(Sebastopol)」の街並み

セバストポルは、サンフランシスコから車で北へ約1時間、サンタローザの街から西へ10分ほどの位置。とてもキュートで趣のある街です。

ダウンタウンにある「セバストポルプラザ」では、毎週日曜日(10:00-13:30)に「セバストポル・ファーマーズマーケット」が開催され、オーガニックの野菜や果物、食品、花、ハンドメイド雑貨などの直売を行っています。

また、大きなイベントのひとつに毎年4月には音楽やパレード、そしてフード屋台やワインが楽しめるイベント「アップルブロッサムフェスティバル」が行われます。

セバストポルの人気レストラン「ピーター・ローウェルズ」

「ピーター・ローウェルズ 」は、オーガニック食材を提供するイタリアンレストラン。人気のピザやパニーニのほか、グルテンフリー、ヴィーガン、ベジタリアンメニューなどもあるので、アレルギーのある方でも安心して食べられます。

飲み物はリンゴジュースがオススメ!お酒が飲める方は、ぜひ地元産のエアルームアップルで作られたサイダー(alc. 8%-9%)を飲んでみてください。とっても美味しいです♪

Lowell’s Restaurant
7385 Healdsburg Ave
Sebastopol, CA

「ザ・バーロウ(The Barlow)」ってどんなところ?

19世紀後半から20世紀初頭までリンゴの産地としてリンゴ産業が栄えたセバストポル。そのダウンタウンの一角に、バーロウファミリーが営んでいたアップルソースの缶詰工場がありました。20世紀後半になると多くの農家がぶどう栽培へと移行、広大なリンゴ農園はぶどう畑へと変わり徐々にリンゴ産業が衰退し、最終的にバーロウファミリーの缶詰工場も閉鎖へと追い込まれました。

 その後、その土地には小さなメーカーが集まり、今世紀のはじめまでいくつかの古い建物がまばらに使用されていましたが、建物郡はゆっくりと荒廃の一途を辿ることに…

2005年に再開発の目的でバーニーオルドリッジ氏がバーロウの資産を取得し、地元の建築家やデザイナーなどと共に、老朽化した工場スペースの再開発プロジェクトが始動。いくつかのオリジナル構造はそのまま残され、追加された新しい構造も古い建築様式のデザインが反映され、楽しく豊かなコミュニティの創造と維持を使命として新たな街づくりが行われました。

 このプロジェクトは醸造者、芸術家そしてワインメーカーなどによって、3000万ドル(約30億円)の資金が集められたのだそうです。 2012年には、ダウンタウンの中心部への接続性を高めるために、マッキンリーストリートを拡張する計画とともに、新規、改装合わせて18棟の建物が建設されました。

12エーカー(東京ドームが約11エーカー)という小規模ながら、サービス、飲食店、販売店など多くのテナントがギュッと凝縮して集まったオシャレなスポット「The Barlow」。夢、ビジョン、そして使命によるプロジェクトを見事に達成した素晴らしいエリアです。

バーロウのアップルソースの看板

メイン通りのマッキンリーストリートを歩いていると、倉庫の壁に古いアップルソースの大きな看板を見つけることができます。

こちらは、セバストポルでかつて盛んだったリンゴ産業を象徴するバーロウ・ファミリーの缶詰商品に包まれていたというラベルです。

「ザ・バーロウ」でショップ巡り

元々このあたりはヒッピーの町だったそうですが、「The Barlow」はちょっとハイソでオシャレなニュースポット。

芸術をはじめ、ワインやビールの醸造所、ワインテイスティング、ベイカリー、カフェ、レストラン、ユニークな雑貨屋さん等々、倉庫街をリメイクした天井の高いおしゃれなショップ街です。

ギフトショップ「サークル オブ ハンズ」

素朴な玩具や古典的な子供向けの本やシュタイナー教育に基づく子育て本、また子供と大人向けの工芸品などを販売するギフトショップ「サークル オブ ハンズ(Circle of Hands)」。

子供の育成と想像力豊かな遊びを重視しているお店で、 商品を制作する職人は全てウォルドルフ学校(シュタイナー学校)コミュニティの一員なのだそうです。 

Circle of Hands
6780 McKinley St #120,
Sebastopol, CA

インテリア用品店「エルジー グリーン」

カリフォルニア北部に本拠を置く小規模な家族経営のインテリア用品店「エルジー グリーン(elsie green)」。

こちらのショップの面白いところは、持続可能な環境に優しいエコロジーをモットーに、ソファやテーブルなどの大型家具から、銅製ポット、銀食器、陶器などなど、すべてユニークなヴィンテージ品を販売しているということ。四半期に1度フランスで買い付けているそうです。

elsie green
6770 McKinley Street,
Sebastopol, CA

ナチュラル&オーガニックの「セバストポル コミュニティマーケット」

「セバストポル コミュニティマーケット(Sebastopol Community Market)」は、持続可能な未来を築くことの取組み、また食物、健康、栄養、環境について地域社会を教育することを使命として、ソノマカウンティで唯一の労働者経営のスーパーマーケット。

厳格な製品ポリシーを持っており、店内には健康的な自然食品やオーガニック食品が並んでいます。また、ピザ、サンドイッチ、スープ、サラダなどのデリがあるほか、地元産ビールやクラフトビール、地元産のワインをグラスで楽しむこともできます。

アメリカ&イタリア料理「ザズー キッチン+ファーム」

アメリカ料理と素朴な北部イタリア料理を提供する「ザズー キッチン+ファーム(Zazu Kitchen + Farm)」は、ザ・バーロウで大人気のレストラン。

ソノマカウンティーに3つの自社農場を持ち、農場からテーブルまでダイレクトに美味しい料理を届ける「Farm-to-Table」を支持し、持続可能性な取り組みについてもいくつかの賞を獲得しています。

Zazu Kitchen + Farm
6770 McKinley St. #150
Sebastopol, CA

店名が変わったテイスティングルーム「パックス ワインズ」

建物の壁面に蔦が絡まる印象的な外観のワイナリー「Pax Wines」。以前は、冷涼な気候を活かしたピノ・ノワール、シラー、シャルドネなどを生産してきた「ウィンド・ギャップ」のテイスティングルームでしたが、創業者パックス・マーリが昨年「ウィンド・ギャップ」を「テロワール」に売却、今後は別プロジェクトの「パックス」に専念するそうです。

店名が「Pax Wines」に変わったものの、セバストポールの醸造施設とウィンド・ギャップのテイスティングルームは保持し、名前も「Wind Gap」のままでした。

Pax Wines
6780 McKinley St. #170
Sebastopol, CA

ワインバー「マクファイル テイスティング ラウンジ」

ソノマコースト、ロシアンリバーバレー、アンダーソンバレーのワインをフィーチャーした様々なテイスティングフライトが楽しめる人気のワインバー「マックフェイル テイスティング ラウンジ(MacPhail Tasting Lounge)」。

店内には小さい貨車が積み上げられた約12mもの巨大なオブジェがあります。

MacPhail Tasting Lounge
6761 McKinley Ave,
The Barlow, Sebastopol, CA

農業系ビール醸造所「ウッドフォー ブリューイング カンパニー」

「ウッドフォー ブリューイング カンパニー(Woodfour brewing Company )」は、 最高級の素朴でおいしいクラフトビールづくりにフォーカスしているというファームハウスブリューワリー。

醸造用のセゾン、酸味、テロワールを強く意識した樽熟成ビールの技術を専門として、豊富な種類のドラフトビールやボトルビールを楽しむことができます。

Woodfour Brewing Company
6780 Depot St #160
Sebastopol, CA

タップルーム「クロケッド ゴート ブリューイング」

 2016年にオープンしたカジュアルなタップルーム「クロケッド ゴート ブリューイング( Crooked Goat Brewing)」は、地元の提携レストランからのフードサービスがあるほか、ウエストカウンティの爽やかでユニークなビールが楽しめると評判のビアバー。

2015年の訪問時はまだテナント募集中でしたが、お店がオープンしてすぐに地元の人々のたまり場になっているようです。

Crooked Goat Brewing
120 Morris St #120
Sebastopol, CA

サードウェーブコーヒー「テイラー レーン オーガニック カフェ」

セバストポルで美味しいコーヒーを飲むなら2018年に創立25周年を迎えたというオーガニックカフェ「テイラー レーン オーガニック コーヒー(Taylor Lane Organic Coffee)」がオススメ。

米国の過酷なコーヒー市場での競争力を高めるために大規模な改革を行い、名前を「テイラー メイド ファーム(Taylor Maid Farms)」から「テイラ ーレーン オーガニック コーヒー(Taylor Lane)」に変更しました。

広めの店内にはたくさんの席が用意されているので、Wi-Fiをしながらゆっくりとした時間を過ごすことができます。

Taylor Lane Organic Coffee 
6790 McKinley St.
Ste 170, Sebastopol, CA

ベーカリーカフェ「ヴィレッジ ベーカリー 」

「ヴィレッジ ベーカリー (Village Bakery)」は、こじんまりとした小さなベーカリーカフェ。リーズナブルで美味しいと評判です。

カフェ以外にも、スープ、サラダ、パン、キッシュ、サンドイッチ、ハンバーガーなどの軽食をいただくことができます。

Village Bakery Cafe
6760 McKinley St #150,
Sebastopol, CA

Village Bakeryの並びには、地元産による100%オーガニックの冷圧搾ジュースやプロバイオティック飲料(ケフィアやコンブチャなど)など栄養を重視したジュース・バー「The Nectary」、地元産の食材とオーガニック牛乳からハンドメイドしているアイスクリームショップ「Two Dog Night Creamery」などもあります。

セバストポル「ザ・バーロウ」周辺マップ

最後に…

初めてセバストポルを訪問したのは2012年のこと。サンタローザ在住の友人に連れて行ってもらったのが始まりで、その後も仕事上で知り合った方がセバストポル在住だったことで一気に身近な街となりました。

とても小さな街なので、特に目的がなければ、わざわざサンフランシスコから訪問するほどの場所でもないのですが、個人的に大好きな街なのでご紹介させていただきました。

セバストポル周辺では、1年を通して様々なイベントを開催しているので、催しに合わせて訪問するのも楽しいです。またソノマ・ナパバレーからも近いのでワイナリーツアーの前後などに、ぜひ立ち寄ってみてください。