【銀座グルメ】現存する日本最古の老舗カフェ「カフェーパウリスタ」で午後の珈琲

by Yu · 公開済み 2022年9月21日 ·更新済み 2022年9月24日

銀座の名店「カフェーパウリスタ」へGO！

久しぶりに銀座に行く用ができたので、老舗カフェ「カフェーパウリスタ（CAFE PAULISTA）」に立ち寄りました。カフェーパウリスタは現存する日本最古の喫茶店で、新橋に近い銀座8丁目の中央通り沿いにあります。

営業時間は、1階が、月～土：9:00～20:00、日・祝：11:30～19:00、2階が、月～土：12:00～19:00、日・祝：12:30～19:00。年末年始を除き年中無休です。

※レトロ調の1階席とモダン風な2階席があり、店内で繋がっていないので2階席に行く場合はすぐ隣の階段かエレベーターを利用します。

カフェーパウリスタの歴史

店名の「パウリスタ（Paulista）」は、ポルトガル語で「サンパウロっ子」という意味。店のロゴは、サンパウロ州の市章を模しています。

1911年（明治44年）に開業した「カフェーパウリスタ」の創業者は、日本人のブラジル移民政策に尽力したという水野龍氏。当初は現在の店から4-5分ほど離れた銀座7丁目に洋館風の珈琲店（1杯5銭の珈琲を提供）をオープンしたそうです。

日露戦争後の失業問題が深刻だった日本と、奴隷解放で農園の働き手を失ったブラジルとのニーズが一致し、1908年に多くの日本人がブラジルに移民したという歴史がありますが、その移民政策に携わったのがパウリスタ創業者である水野龍氏とのこと。その功績によりブラジル・サンパウロ州政府から毎年70トンものコーヒー豆を10年間無償で提供されることとなり、大隈重信らの支援を受けてこの珈琲店を開業たという深い歴史があります。

「カフェーパウリスタ」が開業した1911年の銀座は、同じくカフェーを冠する名店「カフェープランタン」「カフェーライオン」がオープンした年で、両店が洋食や洋酒をメインに女性給仕を置くなか、「カフェーパウリスタ」は詰め襟姿の男性給仕を置き、正統派の珈琲店を貫いたそうです。

当時は、永井荷風を編集主幹に創刊された文芸誌「三田文学（慶應義塾大学文学部を中心に刊行）」のメンバーや慶大生を始め、森鴎外、谷崎純一郎、芥川龍之介、与謝野晶子など多くの文化人が出入りし、新しもの好きのモボモガが集まる大人気店で、アインシュタインも来店したのだとか。

東京市内を始め、名古屋、神戸、横須賀など各地に店舗を展開し多くの人々にブラジルコーヒーを広めたカフェーパウリスタですが、1923年（大正12年）の関東大震災でほとんどの店舗が全壊する大被害を受け、またコーヒー豆の無償提供の期限が切れたことにより店舗経営から撤退。その後はコーヒー豆の卸売業にシフトしていましたが、1970年に現在の銀座8丁目に「カフェーパウリスタ」を再びオープンしました。