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【東京下町グルメ】土日祝限定の贅沢ランチ!明治から続く「桜なべ中江」で伝統の味を嗜む
目次
ランチを食べに「桜なべ中江」へGO!
台東区日本堤にある名店「桜なべ中江」にて土日祝30食限定のランチをいただきました。場所は、日比谷線「南千住駅南口」から徒歩約15分、「三ノ輪駅出口3」から 徒歩約10分、土手通り沿いの「あしたのジョー像」と見返り柳がある吉原大門交差点の中間地点にあります。
「桜なべ中江」店内の様子
店構えは100年以上もの長い歴史をもつ古民家風の建物。2010年に貴重な大正建築として国指定登録「有形文化財」に指定されています。
1階に30席の掘りこたつ席、2階に団体・宴会用の大広間があります。宮大工によって建築されたという中江の建物は非常に硬い高級品の木材である紫檀や黒檀が使用されており、欄間などには宮大工の技術が施されています。
「桜なべ中江」の歴史
1905年(明治38年)創業の「中江」は、約120年という長い歴史を誇る桜鍋の老舗。かつて吉原遊郭の入口「吉原大門」があったすぐ近くにあります。当時は「吉原土手」と呼ばれた場所にあったことから「土手の中江」と言われ親しまれていたそうです。ちなみにすぐ隣には1889年(明治22年)創業から続く天ぷらの名店「土手の伊勢屋」が並んでいます。
桜鍋の発祥の地である吉原は、花街として栄えた吉原遊廓と深い関わりがあります。日本一の遊郭として有名だった吉原には遠方からも百姓などが馬に乗ってやってきて、お金を使い果たし支払いに困っては吉原近辺の商家に馬が売られたのだそうです。商家に増え続ける馬をどうするかとなったとき思いついたのが、文明開化の横浜で流行っていた「牛なべ」を模した馬肉を使った鍋。それが「桜なべ」(当時、桜肉料理の店は「蹴飛ばし屋」と呼ばれていた)の始まりだと言われています。
桜なべは下町のB級グルメとして人気となり、また、さくら肉には栄養が豊富で精力がつくと、吉原遊郭に行く客の間で人気になるにつれ桜なべのお店が増えたといいます。
創業当時20軒以上あったという桜鍋の店も、現在吉原に残っているのは中江のみ。1923年の関東大震災後に再建された後、1945年の東京大空襲で焼け野原となった中奇跡的に焼け残ったという店舗で、古い日本家屋の趣がそのまま残っています。
「桜なべ中江」がある日本堤の東側は、山谷地区と呼ばれた簡易宿泊所が多くあるエリアで、かつては日本の高度経済成長を支えた場所ですが、近年では安い簡易宿泊所がバックパッカーの間で評判となり、世界中から旅人が集まる場所になっています。
※下写真は、店内の壁に掲げられた「吉原今昔図」。明治時代から現在に至るまでの妓楼の配置が描かれた吉原遊廓の写真や地図(解説付)が掲示されています。
土日祝30食限定のランチセット
馬刺し、桜なべなど、一通りの桜肉料理が楽しめるランチセット。今回は定番の「中江昼膳」と「昼の中江コース」を注文しました。
中江昼膳
「中江昼膳」のセット内容は、桜鍋(ロース肉・ザク)、3点盛り(馬刺し、本日の桜肉料理、本日の一品)、玉子、ご飯、味噌汁。本日の一品と桜肉料理は、小松菜のおひたしと桜肉佃煮でした。
馬刺しは九州・久留米の牧場で中江専用に肥育されたという癖のない柔らかい肉質の極上桜肉。生姜醤油や甘めのつけダレにつけていただきます。スライスオニオンと一緒に食べても美味しいですね。
昼の中江コース
「昼の中江コース」のランチには、中江昼膳のセット内容のほか、馬刺し握り寿司が3貫つきます。
甘めの割り下と秘伝の味噌ダレでいただく「桜なべ」
桜なべの具は、ロースの桜肉とザク(しらたき、麸、焼き豆腐、しめじ、江戸菜、長ネギ)。鉄鍋に入った状態で供されるので各テーブルにセットしてあるコンロで煮ます。
桜なべの割り下は甘め、コクのある秘伝の味噌ダレと混ざり合って深い味わいになっていきます。淡白でとろける食感の桜肉によく合いますね。桜肉はピンク色になったときが食べ頃、火を入れすぎると固くなってしまうので要注意です。
鍋のシメは「あとご飯」
鍋のシメにいただきたいのは「あとご飯」。肉の旨味と脂身のコラーゲンが溶け込んだ割り下に卵でとじたものをご飯にかけて食べます。
おひつに入ったご飯は小さい茶碗に8分目ほどと少なめなので、足りない場合は追加でご飯と卵が注文できます。ちなみに筆者は少食なのですが、セットのご飯と追加のご飯でちょうどお腹が満たされました。玉子、桜肉中落ち、すくい豆腐がセットになった「あとご飯セット」もあります。
桜なべ 中江
東京都台東区日本堤1-9-2
03-3872-5398