【イエローストーン国立公園】アッパーガイザーベイスンの見所「オールド フェイスフル ガイザー&モーニング グローリー プール」

イエローストーン国立公園の「アッパー ガイザー ベイスン」は、世界で最も多くの間欠泉が集中していると言われる地域です。世界的に有名な間欠泉「オールドフェイスフルガイザー」、色彩豊かな「モーニング グローリー プール」など見応えのあるスポットで、歩きやすいボードウォーク(遊歩道)から、数多くのユニークな温泉や間欠泉を見学することができます。

※こちらの記事はアメブロに掲載していた2015年6月のブログをもとに再投稿しています。

時間に忠実な間欠泉「オールド フェイスフル ガイザー」

オールド フェイスフル ガイザー(Old Faithful Geyser)」はイエローストーン国立公園のシンボルマーク的存在であり、世界的にも有名な間欠泉。定期的に熱水を吹き上げる忠実さ(Faithful )から、その名前がつけられたのだそうです。現在の噴出間隔は70〜90分、1分半〜5分間で3〜4万リットルもの熱水が40mほどの高さまで吹き上がります。

見学の前にまずはビジターセンターにて情報収集!間欠泉の噴出予測時間等を確認します。多少時間の誤差があるので、見逃したくないスポットは早めに待機しましょう。一番人気のオールド フェイスフル ガイザーの周りにはベンチが並べられており、早くから場所取りが始まります。こちらの場所取りは風上(風下は蒸気で湯柱が見えづらくなる)がオススメです。

オブザーベーション ポイントからオールドフェイスフル全景を眺めることができるので、時間に余裕があれば裏山に登って見るのも良いですね。


Old Faithful Geyser

小高い丘に温泉や間欠泉が点在するループトレイル「ガイザーヒル」

オールドフェイスフルガイザーからファイヤーホールリバーの橋を渡ると「ガイザーヒル」のボードウォークがあります。まずはこちらのループトレイルからスタートして、小高い丘に点在しているカラフルな熱水泉やユニークな間欠泉を見学します。


Bronze Spring & Pump Geyser

スカイブルーの「ハート スプリング」 & 「ダブレット プール」

透明度の高い熱水泉「ハート スプリング」と「ダブレットプール(Doublet Pool)」。中心は爽やかなスカイブルーで一見冷たいプールのようですが、その温度は約90度もあります。


Heart Spring


Doublet Pool

湯気がモクモクと立ち昇る「ファイヤーホール リバー」

トレイル沿いを流れる「ファイヤーホール リバー(Firehole Rever)」。河岸にはいくつもの小さな間欠泉が見られ、湯気がモクモクと立ち昇る独特な風景です。


Firehole River

円錐形に盛り上がった間欠泉「キャッスル ガイザー」

園内で最も古い間欠泉と言われている「キャッスル ガイザー(Castle Geyser)」。名前がつけられた1870年時の構造は、上端に大きな砦と複数の砲塔のような形をしていたそうですが、時間の経過とともに円錐の形状が変化していったようです。

長い間年月をかけて築き上げられたコーンの高さは約3.6mで、現在の噴出サイクルは大体10〜12時間。間欠泉は27mに達する高さで約20分ほど垂直に熱水が吹き上がった後、30〜40分ほど蒸気と共に轟音を轟かせます。

Castel Geyser

美しいコバルトブルーの熱水泉「クレステッド プール」

間欠泉のように噴火することもあるという「クレステッド プール(Crested Pool)」は、深さ約13m、温度は沸点近い高温に達するという熱水泉。 澄み渡ったコバルトブルーの泉とバクテリアによって色付いたオレンジに色の対比が特徴的です。


Crested Pool

休眠中にも蒸気と水しぶきを上げる「ジャイアント ガイザー」

「ジャイアント ガイザー(Giant Geyser)」は、キャッスル ガイザーと同じようにコーン型の間欠泉。外側にコロッセオのような形をした直径約3mの頑丈なクレーターがあります。

噴火の活動レベルは不定期で年ごとに異なり、2000年以降は2005年に11回、2006年に47回、2007年に54回(1955年以来の任意の年で最も多い噴火)、2008年に13回、2010年に2回の噴火が記録されています。その後は2015年6月現在まで休眠状態ですが、噴火時は60〜80mに達する高さまで吹き上げるという世界最高レベルの巨大な間欠泉です。不活発な時でも蒸気と水しぶきを上げ躍動しています。

※2015年9月28日に突如噴火しています。


Giant Geyser

生き物のような特異な形をした間欠泉「グロット ガイザー」

「グロット ガイザー(Grotto Geyser)」は、大きく曲がりくねった開口部を持つ「洞窟(Grotto)」のような形状から名付けられたという間欠泉。クモやタコの足のようにも見える特異な形は、間欠泉が噴火したときに枯れた木の切り株の上に焼結物が蓄積することによって形成されたのだとか。噴出サイクルは約8時間で、噴火の高さは約3m、時間は1〜10時間以上と長く、26時間以上続く噴火もあるそうです。(噴火が長いと噴火サイクルも長くなる)

グロットガイザーは、周辺地域のいくつかの間欠泉とつながっており、噴火の前にはグロット ファウンテン ガイザー、またはグロットファウンテン ガイザーとサウス グロット ファウンテン ガイザーの両方からの噴火があります。また、グロットガイザーが1〜2時間の短いモードの噴火の時、ロケットガイザーが一緒に大規模な噴火を起こし、6〜12時間の長いモードの噴火の時は、スパ ガイザーが噴火するとあります。(グロットの噴火は約4分の3が短いモード)


Grotto Geyser

ビビットカラーのインパクトに圧倒される「モーニング グローリー プール」

舗装されたトレイルの終点にある「モーニング グローリー プール(Morning Glory Pool)」は、朝顔のような色や形をしていることから名付けられた熱水泉で、直径約6m、深さ約7mのすり鉢状の形をしています。想像以上に鮮やかな色で、黄色と青の強烈なインパクトに圧倒されます。

熱水泉の色は、バクテリアによって作られるもの。中央の高温部分はバクテリアが生きられないため綺麗なエメラルドブルーとなっており、周りは温度によって異なるバクテリアが生息することで、美しいグラデーションになっています。

以前は中央部分の色がブルーだったそうですが、コイン・ゴミ・投石などの投棄によって噴出孔が塞がれるなどして熱水温度が下がり、繁殖したバクテリアによって鮮やかなアクアブルーが徐々にグリーンがかった色に変えてしまったのだとか…。現在は不法に投棄されたゴミを取り除く内部清掃が毎年行われています。


Morning Glory Pool

オールドフェイスフルには多くの見どころがありますが、個人的にはイエローストーン国立公園の中でも「モーニング グローリー プール」は3本の指に入る感動スポット!是非スケジュールに組み込んでいただきたおすすめスポットです。ちなみにオールドフェイスフルインから舗装されたトレイルでモーニンググローリープールまで直行する場合は約40分ほどです。

巨大な4階建てログハウス「オールドフェイスフル イン」

オールドフェイスルフルガイザーの目前にどっしりと構えているのは、イエローストーン国立公園内に最初に建設された宿泊施設(1904年開業)「オールド フェイスフル イン(Old Faithful Inn)」。建物は世界最大級の巨大な4階建てログハウスで、吹き抜けになっているロビーの壮大さに圧倒されます。

自然の造形美を生かした丸太の柱や手すりなど装飾デザインも素晴らしいので、一見の価値あり!時間があれば1時間ほどの館内ツアーに参加してみるのも良いかもしれません。ホテル内のショップには、バイソン・エルクなどのぬいぐるみやイエローストーンの動物をモチーフにしたグッズ、Tシャツ、名産品など様々な商品を販売しています。


Old Faithful Inn

ホテル内にあるレストランも人気なので、見学時間を調整して、ショッピングや食事をするのもいいですね。ちなみにホテルのテラスからもオールドフェイスフルガイザーを一望することができます。

散策中に出会った野生動物

散策中によく顔を出してくるのが野生のリスたち。野生といっても人馴れしていて近寄ってくる子もいますが、餌やりは禁物です。また、人が多く集まるビジターセンター付近に何頭かのバイソンが昼寝をする姿が見られました。一見大人しそうに見えても、突然襲われて負傷するケースもあるので要注意!園内ではバイソンから最低でも23m離れるように注意を呼びかけています。可愛いですけど、野生動物にはむやみに近づかないよう十分に気をつけないといけませんね。

Upper Geyser Basin
Old Faithful

オールドフェイスフルガイザーの近くにある「ブラック サンド ベイスン」と「ビスケット ベイスン」には、エメラルドプールやサファイアプールなど、とても美しい人気の熱水泉があります。短時間で回ることができるので、こちらもぜひ寄ってみるといいですね。