【ブライスキャニオン国立公園】圧巻の奇岩群!無数の尖塔で埋め尽くされた自然の円形劇場がすばらしい渓谷

グランドサークルのユタ州南西部に位置する「ブライス キャニオン国立公園(Bryce Canyon National Park)」は、近くのザイオン国立公園と共に多くの旅行者が訪れる人気の観光スポット。アンフィシアターと呼ばれる円形劇場のような渓谷を中心にピンククリフが南北に連なっており、リム沿いの各展望台から奇岩群が立ち並ぶ壮観な景色を見る事ができます。

※こちらの記事は他サイトに掲載していた2014年8月のブログをもとに再投稿しています。

いざ「ブライス キャニオン国立公園」へGO!

ラスベガスから車を走らせること約4時間で「ブライスキャニオン国立公園」に到着。パークゲートにてアメリカ国立公園の年間パスとIDを見せ(or入園料を支払い)園内に入ります。

ここで注意したいのは、違うタイムゾーンの州をまたぐ際の時差です。ラスベガスがあるネバダ州(太平洋時間)からブライスキャニオンがあるユタ州(山岳部時間)に移動する場合、時計を+1時間進めなければいけません。また、同じタイムゾーンであるといってもアリゾナ州については要注意。アリゾナ州がdaylight saving time制(夏時間 / 毎年3月第2日曜日~11月第1日曜日の期間)を導入していないため、夏時間はユタ州とアリゾナ州間に1時間の時差が発生します。

※人気の国立公園は年々入園料が値上がりしています。ブライスキャニオン国立公園の入園料は、2014年当時は車1台につき25ドルでしたが2021年現在は35ドル( 7日間有効)になっています。最新情報は公式サイトにてご確認ください。

Bryce Canyon National Park

ブライスキャニオンガイド(日本語)


Bryce Canyon National Park, North Rim

最北端の展望台「フェアリーランド ポイント」の眺め

標高2365mの「フェアリーランドポイント(Fairyland Point)」は、ブライスキャニオンの北端にある展望台。目の前の谷間には、フィンと呼ばれる一枚岩のような(フードゥーになる前の形状)の壁や、無数の尖塔が立ち並ぶフードゥーが広がり、その後方に、沈みかけた船のいるように見える岩壁「シンキング シップ(Sinking Ship)」が見えます。

ブライスポイントに繋がるリム沿いのトレイルとフェアリーランドループトレイルが見えます。


Fairyland Point

フードゥーって何?

「フードゥー(Hoodoo)」は、独特な地質構造を持った土柱の尖塔群。太古の昔、巨大な湖に石灰を多く含む砂や泥が積もって隆起、その堆積岩の間に霜・雨水・雪などが染み込んでは凍り付くという膨張作用と溶解を繰り返す事などから浸食が進み、現在のような尖塔群が形成されたといいます。

また、フードゥーになる前の壁細い壁のような形状の岩は、「フィン(Fin)」と呼ばれています。

現在も絶え間なく続く侵食作用によって断崖は100年に1mの割合で後退しており、はるか遠い未来には尖塔群がなだらかな丘陵地に変わってしまうかもしれませんね。

最南端の展望台「レインボー&ヨビンパ ポイント」の眺め

「レインボー ポイント(Rainbow Point)」と「ヨビンパ ポイント(Yovimpa Point)」は、UT-63号線を30分ほど南下した最南端にある展望台。標高2778mのレインボーポイントからは約30kmにおよぶ壮大なブライスキャニオンの絶壁(ピンククリフ)を眺める事ができます。

白い岩は泥岩や苦灰岩によるもの、また赤い岩は多くの酸化鉄を含んでいます。

このピンククリフ沿いに走るUT-63号線の途中にも、いくつかの展望台が点在します。


Rainbow Point

レインボーポイントのすぐ反対側の展望台「ヨビンパ ポイント(Yovimpa Point)」からも、南に伸びるピンククリフを見ることができます。ここから更に約140kmほど南に下るとグランドキャニオンです。


Yovimpa Point

その他の展望所からの眺め(南エリア)

最南端の展望所から再び北上し、ポンデローサキャニオン、アグアキャニオン、ナチュラル ブリッジなどの展望台に立ち寄りました。緑に覆われた広大な大地が広がっており、フードゥーが密集しているアンフィシアター周辺とはまた一味違った風景です。

ポンデローサキャニオン


Ponderosa Canyon

アグアキャニオン


Agua Canyon

ナチュラル ブリッジ


Natural Bridge

馬蹄形キャニオンの絶景を見渡せる「ブライス ポイント」

標高2529mの「ブライス ポイント(Bryce Point)」は、「アンフィシアター(Amphitheater)」と呼ばれるキャニオン北部の円形劇場全体がよく見渡せる絶景ポイント。ブライスキャニオンの中で最も感動するスポットです。

望遠レンズで見るとブライスポイントの左手約3km先にインスピレーションポイント、そこから右手にぐるりとまわったところにサンセットポイントが見えます。

高さ数十メートルにもおよぶ土柱が林立するフードゥーはとても神秘的…ひとつの大きなSF都市のようにも見えます。

ある部分は古城のように見えたり、チェスの駒のように見えたり…様々な表情を見せるフードゥーに想像力を掻き立てられます。

岩の色が白・赤褐色・ピンクと変化しているグラデーションが更に美しさを引き立てています。

どのようにフードゥーに変化していくのかが分かる形状のフィン(壁細い壁のような岩)が、ところどころに見られます。

素晴らしい景観に絶句!ミステリアスで幻想的な風景の眺めは飽きる事がありません。


Bryce Point @ Bryce Amphitheater

ナバホループトレイルの出発点「サンセット ポイント」

日の入りが一番美しいことから名付けられたという標高2438mの「サンセット ポイント(Sunset Point)」。この展望台の前に整然と並ぶ尖塔群は「サイレントシティ(Silent City)」と呼ばれています。

サンセットポイントはブライスキャニオンのトレイルで一番人気の「ナバホ ループ トレイル(Navajo Loop Trail)」出発点でもあります。所要時間は約1〜2時間、標高差約159m、往復約2.2kmの中級者向きトレイルです。


Sunset Point

ナバホループトレイルについての記事は下記リンクより御覧ください。

【ブライスキャニオン国立公園】無数の土柱が林立する「ナバホ ループ トレイル」を歩く

サイレントシティがよく見える「インスピレーション ポイント」

3つの展望ポイントがある標高2469mの「インスピレーション ポイント(Inspiration Point)」は、ブライスポイントと同じくブライスキャニオンのハイライトと言われているビューポイントで、こちらから望むアンフィシアターのインパクトは強烈!名前の通りインスピレーションが湧いてきそうな、幻想的で壮大な景色が広がっています。

インスピレーションポイントからは、サイレントシティが最もよく見えます。サイレントシティの奥に見えるのは、サンセットポイントとナバホループトレイルです。

整然と並ぶ軍隊のように見えるフードゥは、中国西安にある世界遺産、隊列を組んで並んだ「兵馬俑」を彷彿とさせます。


Inspiration Point @ Bryce Amphitheater

「サンライズ ポイント」で朝陽を迎える

日の出が一番美しいことから名付けられたという「サンライズ ポイント(Sunrise Point)」にて朝陽を迎えました。

8月末の日の出は6時頃ということで、30分前に「サンライズ ポイント」に到着。持参したキャンピングチェアに座り、温かいココアを飲みながら朝陽を待っていたのですが、やはり早朝はかなり寒いです。

雲が多く太陽を拝むことはできませんでしたが、細かい綿雲がいい感じに朝陽に反射して、黄色、オレンジ、レッドと少しづつ変化していく色彩がとても綺麗でした。


Sunrise @ Sunrise Point – Bryce Canyon 

あとがき

ブライスキャニオンの壮大なスケールの尖塔群には度肝を抜かれます。個人的にはグランドキャニオンよりもユニークな奇岩が林立するブライスキャニオンの方が見応えがある印象で、アメリカ西部ベスト5に入れたい絶景スポットです。

時間があれば北端から南端のビューポイントをまわってみるのも良いですが、時間がなければブライスポイントとインスピレーションポイントだけでも満足度は高いと思います。

ブライスキャニオンでは、太陽光によってオレンジ色に輝く朝焼けと夕焼けのフードゥーが見どころのひとつなのですが…残念ながら今回は見る事はできませんでした。(サンライズポイントで朝陽を迎えた後、インスピレーションポイントに向かったのですが、厚い雲に太陽が隠れてしまいました。ちなみにベストタイムは日の出後20分位と言われています。)

できることなら延泊したかったのですが、次に向かうグランドキャニオンでの宿泊が予約済みだったので断念…。ブライスキャニオンまではラスベガスから4時間ほどで行けるので、次回はザイオンとセットにしてゆっくり再訪したい!そんなことを思いながらブライスキャニオンをあとにしました。