【アリゾナ州北部】世界最大規模の渓谷「グランドキャニオン国立公園・ノースリム」の絶景

米国アリゾナ州の北部に位置する「グランドキャニオン国立公園」は、コロラド川の侵食作用によってできた世界最大規模を誇る大峡谷!グランドキャニオンウエスト(ワラパイ居留区)、サウスリム、ノースリムの3エリアに分かれており、今回はグランドサークルの旅でノースリムを訪問しました。

※こちらの記事は他サイトに掲載していた2014年8月のブログをもとに再投稿しています。

いざ「グランドキャニオン(ノースリム)」へGO!

朝8時にブライスキャニオンを出発し、約3時間15分(約250km)のドライブで「グランドキャニオン国立公園ノースリム(Grand Canyon NP North Rim)」に到着!

ユタ州とアリゾナ州は同じタイムゾーン(山岳部時間帯)ですが、アリゾナ州は夏時間(daylight saving time / 3月第2日曜日~11月第1日曜日の期間)を実施していないため時差が発生、DST実施のユタ州からアリゾナ州に入る際は時計を1時間遅らせることになり得した気分になりました。

ノースリムについて

谷底のコロラド川に沿って北側に位置するノースリムは、対岸のサウスリムよりも約300〜600mほど高い標高約2700mにあり、冬期は深い積雪に覆われるため10月中旬〜5月中旬位まで閉鎖します。

サウスリムとは直線で約16kmほどしか離れていないもののアクセスが限られており、サウスリムからノースリムへ移動するには片道5時間かけてコロラド川を迂回することになります。

グランドキャニオン国立公園は1979年に世界遺産に登録され、毎年多くの観光客が押し寄せる大人気の絶景スポットですが、ノースリムは圧倒的にサウスリムよりも訪問客数が少なく宿泊施設も1軒あるのみ、落ち着いた雰囲気で静かにグランドキャニオンを楽しむことができます。

※人気の国立公園については入園料が年々上昇傾向にあります。2014年当時の入園料は車1台につき25ドルでしたが、そのすぐあとに1997年以来となる入園料引き上げを実施。2020年現在は35ドル(季節により金額変動あり)です。最新情報は公式サイトにてご確認ください。

Grand Canyon North Rim


Grand Canyon North Rim Map

まずはビジターセンターで情報収集

まずは駐車場からロッジに向かう途中にあるビジターセンターへ向かい情報収集。こちらにはグランドキャニオン国立公園・地域情報のほか、展示品、ジオラマ、パンフレット、ブックストアなどがあります。

※ビジターセンターの裏手に「グランドキャニオンスプリングウォーター(Grand Canyon Spring Water)」という湧水があるので、タンクやペットボトルの持参をオススメします。


North Rim Visitor Center

グランドキャニオンのジオラマ

アリゾナ州の北部に広がるグランドキャニオンは、広大な土地が何億年もかけて地殻変動し(約7000万年前にはカイバブ アップリフトとよばれる地殻変動によってコロラド高原が隆起)、川・雨・雪などによる浸食作用を繰り返し、約200万年前頃から現在見られるような渓谷になったのだとか。グランドキャニオンの全貌は、ビジターセンター内にあるジオラマで見ることができます。

※グランドキャニオンの中心を流れるコロラド川に沿った全長は277マイル(約446 km)、幅は最大で18マイル(29 km)、また渓谷の深さは最大で1800mに及ぶといいます。


Grand Canyon National Park

グランドキャニオンロッジにチェックイン!

ビジターセンター〜グランドキャニオンロッジ間は一般車の乗り入れができないため、チェックインの際は徒歩でフロントデスクに向かうことになります。建物に入ってすぐ正面にフロントデスク、左手にオーディトリウム・ポストオフィス・ギフトストア・サロン&コーヒーショップ、右手にダイニングルーム、正面の階段を降りたところにサンルーム、その両脇にテラスがあります。

※ロッジ内にはレストラン、デリ、コーヒーショップがあるので一応食べ物に困る事はありませんが、ノースリムにはサウスリムのようなスーパーマーケット等はないので、ミネラルウォーターや簡単な食料は準備をしておくと良いかもしれません。


Grand Canyon Lodge

ロッジのダイニングルームにてランチ

ロッジ周辺を散策後、ダイニングルームで11時半スタートのランチをいただきました。カントリー調の店内は天井が高く、大きなガラス張りの窓で広々としています。ランチは基本的にバフェスタイルですが、単品でオーダーすることもできます。


Dining Room @ Grand Canyon Lodge

イーストテラスからの眺め

ロッジの東側と西側にテラスがあります。イーストテラスの方がテーブルとイスが多く広々!また眺望も素晴らしいです。


East Terrace @ Grand Canyon Lodge

ロッジ下の展望台からの眺望

ロッジからトレイルを少し下ったところに展望台があり、ここからの眺望も素晴らしい!展望台の北西方面には「トランセプトトレイル(Transept Trail)」、南東方面にはブライトエンジェルポイントに続く「ブライトエンジェルトレイル(Bright Angel Trail)」があります。


View from Grand Canyon Lodge

グランドキャニオン最北端の展望台「ポイントインペリアル」

ロッジから約20分程北東に進んだところにあるのが、グランドキャニオン最北端となる展望台「ポイント インペリアル(Point Imperial)」。こちらは標高約2683mのグランドキャニオンで最も高い地点で、マーブルキャニオンと呼ばれるグランドキャニオン東部の眺望が楽しめます。


Point Imperial

展望台の目の前にそびえ立つマウントヘイデン。荒々しく削られた赤茶色の岩山ですが、周りをグリーンに彩られ、強さと優しさを感じる印象です。


Mount Hayden @ Point Imperial, North Rim

自然のアーチ「エンジェルス ウインドウ」

ケープロイヤルまでのトレイルの途中に、石灰岩が浸食されできた「エンジェルス ウインドウ(Angels Window)」と呼ばれる自然のアーチがあり、その上が展望台になっています。

細長く突き出た絶壁の周りには一応手すりがついているのですが、吹きざらしの強い風が吹く場所でもあるので、高所恐怖症の方はご覚悟を…



Angels Window @ North Rim, Grand Canyon 

ノースリムで必見の景勝地「ケープ ロイヤル」

峡谷に深く突出した断崖の先端に位置する「ケープロイヤル(Cape Royal)」は、ノースリムにある展望台の中で一番見応えのある展望台。左右に大きく開けた眺望で、目の前にはヴィシュヌ寺院と呼ばれる岩山とウォタンズスローンの岩山が連なっています。


Vishnu Temple & Wotans Throne @ Cape Royal, North Rim

対岸のサウスリムを望む

グランドキャニオンの地層が織りなすグラデーションが美しい…。ケープロイヤルからはノースリムとサウスリムの中央を流れるコロラド川も見えます。


Cape Royal, North Rim

渓谷に隔たれた対岸のサウスリムに、肉眼でも小さくデザートビュー展望塔を見る事ができます。カメラの望遠レンズで眺めると展望台に集まる人々も見えました。

※サウスリムとノースリムは直線で約16kmほどの距離ですが、この渓谷をトレッキングで横断するとなると、1泊2日で(途中に宿あり)アップダウンの激しい約38kmのトレイルを歩くことになります。


The Desert View Watchtower

サウスリムにモクモクと立ち上る白煙を発見!森の乾燥状態が続くと自然発生で山火事が起こりやすくなりますが、この白煙は自然発火する前に人為的に行った野焼きだったようで、貴重なシーンを見ることができました。


Prescribed Burn @ South Rim, Grand Canyon National Park

ロッジのテラスから眺めるサンセット

夕暮れ時のイーストテラスは、お酒を飲みながらサンセットを待つ人で賑わいます。ランチはダイニングルームを利用しましたが、ディナーは自分たちで用意していた食べ物をテラス席に持ち込み、茜色に染まって行く夕陽を眺めながら食事をしました。

日が沈む頃、テラスにある暖炉の薪に火がくべられ、団らんタイムに突入。旅行客同士が語り合える楽しい時間です。


Sunset @ East Terrace, Grand Canyon Lodge

ブライトエンジェルトレイルから眺める日の出

翌朝は早く起きて日の出を拝むことに。ブライトエンジェルポイントに行く途中の大きな岩に腰をかけ、朝陽色に染まっていく渓谷の景色を堪能しました。

少しづつ朝陽に照らされていくグランドキャニオン。少しづつ変化する光と陰の陰影が幻想的です。


Sunrise @ Bright Angel Trail, North Rim

ノースリム唯一の宿「グランドキャニオンロッジ」に宿泊

グランドキャニオンのサウスリム側にはいくつもの宿泊施設がありますが、ノースリムにあるのはグランドキャニオンロッジのみ(キャンプ場は近くにひとつあります)。雪深い冬季は閉鎖されるため、それに合わせてロッジの営業期間も5月中旬から10月中旬までとなっています。

今回宿泊したのは、ロッジの北側に位置するノースモーテル(ノースとサウスを合わせて40室有)。モーテルタイプの客室は狭く、バスタブ無しのシャワールームも超コンパクトですが、駐車場にアクセスしやすい場所というのがメリットです。(ロッジ周辺に集中しているキャビンは駐車場からの遠く、運が悪いとかなり歩く羽目になるため、少人数ならばローコストのモーテルタイプの客室がオススメです。)

部屋には小さな洗面台とデスク&チェア、セーリングファンがあるのみでしたが、これらの設備についてはキャビンもモーテルも大差がないようです。

ノースリムエリアにはWiFiなどもありませんが、むしろここではたっぷりと大自然を満喫することに集中したいですね。どうしてもWiFiが必要という場合は、電波は弱いですが、一応ビジターセンターとロッジ(キャンプ場はジェネラルストア)で使えることになっています。


Grand Canyon Lodge

▼グランドキャニオン国立公園ノースリムの絶景を堪能した後は、アリゾナ州にある「グレンキャニオン国立保養地」へ向かい、パウエル湖にあるワーウィープマリーナでキャンピングを楽しみました。

【 アリゾナ州ページ】グレンキャニオン国立保養地パウエル湖の「ワーウィープ マリーナ」にてキャンピング!