国の名勝に指定され渚百選にも選ばれている三重県伊勢市の二見浦にある「二見興玉神社」。こちらは大注連縄で繋がれた夫婦岩が有名ですが、二見浦は、昔のお伊勢参りで必ず参拝前に心身を清める「浜参宮」を行ったと…
【三重・伊勢志摩】お伊勢参り(内宮)は早朝参拝がオススメ!
伊勢神宮(内宮)は、約2000年前に伊勢・五十鈴川のほとりにご鎮座された日本最高位の格式高い御宮。正式名称は「神宮(皇大神宮)」 、御祭神は皇室の御祖先であり日本人の総氏神である「天照大御神」です。2019年5月「平成」の感謝と「令和」の願いを込めて、3泊4日のお伊勢参り!二見興玉神社→外宮(豊受大神宮)のあと内宮(皇大神宮)へ向かいました。
目次
お伊勢参りは外宮→内宮の順に!
125の宮社がある伊勢神宮の「正宮(しょうぐう)」は、「内宮(皇大神宮)」と「外宮(豊受大神宮)」の2社。この両宮を中心に、別宮14、摂社43、末社24、所管社42があり、伊勢市、志摩市、松阪市、鳥羽市など4市4町に分布しており、内宮境内には御正宮のほか、2つの別宮(荒祭宮・風日祈宮)と8つの所管社が点在します。
外宮または内宮だけをお参りする「片参り」は、縁起が良くないと言われているので、古くからの習わしに従い、外宮(豊受大神宮)→内宮(皇大神宮)の順に参宮します…
人が少ない早朝が良いので、前日に二見興玉神社→外宮(豊受大神宮)へお参りし、翌日の早朝5時に内宮へ向かいました。ちなみに外宮から内宮までは約4km離れているので、車、バス、電車などで移動します。
参宮ルート(内宮)
今回の参宮ルートは、①宇治橋大鳥居→②神苑→③手水舎→④御手洗場→⑤所管社(瀧祭神)→⑥神楽殿→⑦正宮→⑧別宮「荒祭宮」→⑨風日祈宮橋→⑩別宮「風日祈宮」。所要時間は約75分、正宮だけをお参りする場合は20〜30分ほど です。
①五十鈴川に架かる宇治橋と大鳥居
五十鈴川にかかる緩やかな弧を描いた全長101.8m、巾8.4mの反り橋「宇治橋」が内宮の入口です。大鳥居をくぐり宇治橋を渡ればそこは神聖なる神域。ひんやりとした清らかな空気に包まれ、厳かな雰囲気へと一変します。
宇治橋は20年に1度行われる式年遷宮より4年早く新たな橋に架け替えられ、内側の大鳥居には、内宮の旧正殿の棟持柱(むなもちばしら)が、外側の大鳥居には外宮の棟持柱が用いられるそうです。
橋の中央にある立札には「右側通行」の文字…。外宮は左側、内宮は右側通行になるんですね。
神宮林を流れる清流「五十鈴川」
俗界と神界の境に流れる「五十鈴川(いすずがわ)」は、神路山を源流として島路山の支流である島路川と合流しています。宇治橋のすぐ横に並んで立っている柱は、五十鈴川の上流から流れて来た流木などをくい止め、橋へのダメージを防ぐクッションの役割があるそうです。
②神宮の庭園「神苑(しんえん)」
神宮の庭園「神苑」には、美しく刈られた松の木が広がっており、春と秋には、ここに舞台が設置され神楽祭が行われます。
③心身を清める「手水舎」
玉砂利を敷き詰めた参道を進み「古札納所」の先にある火除橋を渡ると、すぐ右手(第一鳥居手前)に手水舎があるので、左手、右手、そして口をすすいで穢れを払い心身を清めます。
④天然の手水「五十鈴川御手洗場」
更に参道を進むと、五十鈴川のほとりに石畳の階段がある「五十鈴川御手洗場(いすずがわみたらしば)」があるので、手水舎が混雑しているときは、同じように神聖な五十鈴川の水で心身を清めることができます。
⑤所管社「瀧祭神(たきまつりのかみ)」
五十鈴川御手洗場から歩いてすぐの場所に鎮座する「瀧祭神」は、社殿を持たない所管社ですが、別宮に準じた特別な祭祀。五十鈴川の守り神として木立に囲まれた石畳に1200年前から大切に祀られています。
正宮の後に別宮その他の神社にお参りするのが正式な手順とされていますが、瀧祭神は正宮より先に参拝してもOKなのだそうです。
⑥入母屋造の「内宮神楽殿」
宇治橋から正宮に至る参道の中間地点に入母屋造の「内宮神楽殿」があります。向かって左側からお神札授与所、ご祈祷受付、御饌殿みけでん、神楽殿となっていて、御饌、御神楽おかぐらなどのご祈祷の奉仕や、お神札・お守りを授与、また御朱印もこちらで受けることができます。
外宮と同様に内宮には「おみくじ」はありません。神宮をお参りするだけで「大吉」です!
内宮で出会った大樹たち
人出が少ない早朝は、少しピリッとした爽やかな空気と、朝焼けの柔らかい太陽の光に包まれ、刻々と変化していく様子が素晴らしい…。早朝に伊勢神宮の森を歩くこの心地よさは「早朝参り」をした人にしか味わえません。
参道脇には樹齢700年という杉の大樹がそびえ立ち、神宮の長い歴史と大切に受け継がれている生命を感じます。特に神楽殿から正宮にかけての大樹は見事です。ぜひ空を見上げながらゆっくり歩いてみて下さい。
神楽殿の前に一際目を引き、鳳凰を彷彿させるようなフォルムの大樹
幹が二手に分かれその間を苔が生す大樹
たくさんの手に触れられピカピカに光っている大樹
生命感溢れる鎮守の杜で素晴らしい生命力を肖る…素晴らしい癒やしの時間です。
⑦正宮「皇大神宮(こうたいじんぐう)」
かつては天皇陛下のみがお供えを捧げることが許されていたという御正宮。御祭神は皇室の御祖先であり日本人の総氏神である「天照大御神」。今から2000年前、天照大御神の御神体「八咫鏡(やたのかがみ)」が祀られています。
ゆっくりと石段を上り、白い布が垂れ下がった御幌(みとばり)の前で、二拝二拍手一拝。外宮と同様に御正宮は「私幣禁断(しへいきんだん)」なので、個人的なお願いはしません。神様に日頃の感謝の祈りを捧げます。時としてこの白い布が、風もないのに揺れたり舞い上がることがあり、神様からの合図などとも言われています。
⑧別宮「荒祭宮(あらまつりのみや)」
長い階段を下りたところに別宮「荒祭宮」があり、こちらは天照大御神の「荒御魂(アラミタマ)」を祀っています。内宮にある別宮の中で第一の御宮。殿舎の規模も他の別宮よりも大きく、正宮に次ぐ大きさです。
神様の御魂の穏やかで優しい平和的な側面の「和御魂(にぎみたま)」に対して、御魂の荒々しさから新しい事象や物体を生み出すエネルギーを内包している御魂の働きを「荒御魂(あらみたま)」といい、この2つの御魂の二面性が、神道の信仰の源となっているといいます。
⑨オオルリやうぐいすの囀りが美しい「風日祈宮橋」
五十鈴川と合流する支流「島路川」に架かる橋「風日宮橋(かざひのみやばし)」からは、美しい新緑や紅葉を望むことができます。
少しここで立ち止まり川のせせらぎを眺めていると、広い神宮林のどこからともなく瑠璃色のオオルリやウグイスの美しいさえずりが聞こえてきます。その神域に響く澄み切った美しい鳴り声は、いつまでも聞いていたいような癒やしのひとときです。
⑩別宮「風日祈宮(かざひのみのみや)」
別宮「風日祈宮」は、風日祈宮橋を渡った先にあります。ご祭神は「伊弉諾尊(いざなぎのみこと)」の御子神で、風雨を司る「級長津彦命(しなつひこのみこと)」と「級長戸辺命(しなとべのみこと)」。外宮別宮の「風宮(かぜのみや)」と同じ御祭神です。
再び宇治橋へ
再びスタート地点の宇治橋に戻るとすっかり太陽がのぼっていました。大鳥居をくぐったあとは、もう一度神さまの方を向き、そのキラキラと煌く眩しい太陽を仰ぎながら感謝を込めて一礼、内宮をあとにしました。
「内宮(皇大神宮)」
三重県伊勢市宇治館町1
内宮神楽殿にて授かったお守り
新たな元号の幕開けに新たな挑戦をしていきたいという開運を祈願して、内宮神楽殿にて巾着型のお守り「開運鈴守(かいうんすずまもり)」(清らかな鈴の音により運が開かれる)を、そして夫が厄年ということで、厄除け、災難除けを祈願したお守り「厄除御守(やくよけおまもり)」を授かりました。
内宮(皇大神宮)へのアクセス
公共交通機関を利用する場合、外宮から、またJR・近鉄「伊勢市駅」からバスで約10分、近鉄「五十鈴川駅」からバスで約6分です。
詳細は「らくらく公共交通」へ
東京方面から車の場合、新東名高速道路を使うのが一番早く(約5〜5時間半)、伊勢西インターを降りてからは県道32号(伊勢道路) に入って約7分です。ちなみに、GW最終日5月6日からは大部分の道路で交通規制がなく、早朝5時だったこともあり一番近くの「内宮A1駐車場」にスムーズに駐車することができました。内宮周辺の市営駐車場の料金は、1時間までが無料、30分毎に100円(7時以前・17時以降含む)、7時〜17時までの1〜2時間は500円となっています。
※年末年始やゴールデンウィークなどの混雑が予想されるときは、交通規制があるので要注意。交通規制時はシャトルバスが運行する「パーク&バスライド(周辺の公共施設などが臨時駐車場となり料金は1,000円。シャトルバスは無料)」が実施されます。詳細については、伊勢地域観光交通対策協議会のウェブサイト「らくらく伊勢もうで」をチェックしてみてください。
駐車場の空状況については「内宮エリア駐車場情報」にてチェック!
「らくらく伊勢もうで」(2019年GW期間)の交通規制マップより
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