【神奈川・箱根】駒ケ岳ロープウェイに乗って山頂の箱根元宮の周りをハイキング

箱根園と駒ケ岳山頂結ぶ「箱根 駒ヶ岳ロープウェイ」

「箱根 駒ヶ岳ロープウェイ」は、箱根芦ノ湖畔の箱根園から駒ヶ岳山頂までの全長1783m(高低差約59m)を結ぶ索道です。(1963年に運転が開始され、1986年に機器更新、1990年から自動制御運転)

駒ヶ岳ロープウェイと同じく、伊豆箱根鉄道によって運営されていた駒ヶ岳ケーブルカーが2005年に廃止され、現在は駒ヶ岳山頂への唯一の交通手段となっています。

また、2016年に伊豆箱根鉄道からプリンスホテルへ事業移管され、2台の大型ゴンドラ(定員101名)も、箱根園のキャラクター「縁結びのエンチャン(駒ヶ岳)」と箱根ジオパークのマスコット「はこジ郎(芦ノ湖)」をあしらった新デザインに変更されています。

「箱根 駒ヶ岳ロープウェイ」の運行時間と運賃

「箱根 駒ヶ岳ロープウェイ」の運行時間は、始発が9時で、最終が上り16時30分、下りが16時50分。20分間隔で運行しています。

料金は、往復で大人1800円・子供900円。片道は大人1000円・子供500円です。

※2022年9月現在、登山道(大涌谷周辺の火山活動による立入規制のため、駒ヶ岳山頂〜大涌谷、早雲山、防ケ沢のハイキングコースは通行止)が閉鎖のため、往復チケットが必要。


箱根駒ヶ岳ロープウェイ
足柄下郡箱根町元箱根139 
0460-83-1151

「箱根 駒ヶ岳ロープウェイ」の割引方法

箱根 駒ヶ岳ロープウェイを利用する際は、観光案内所などに置いてある割引券などのほか、箱根フリーパスの提示、JAFやタイムズなどの会員証提示、「EPARK」などの電子チケット事前購入などなど、色々な割引方法があります。今回は簡単かつ割引額の高い「HISクーポン」を利用しました。

箱根を広範囲で満喫したい場合は、「箱根旅助け」(大人3000円、子供1500円)がおすすめ!小田原・熱海を起点に、箱根エリアの乗り物(指定区間の伊豆箱根バス・駒ヶ岳ロープウェイ・十国峠ケーブルカー・芦ノ湖遊覧船)が乗り放題、しかも箱根園の水族館入館付きですよ☺︎

駒ケ岳頂上駅に到着!

地上からは約7分で駒ヶ岳山頂に到着。頂上駅改札階にはお土産が並ぶ売店があるほか、駒ヶ岳に関する情報や箱根の明治初期の写真など見ることができます。

1958年から1985年の27年間、この駒ケ岳山頂にスケートセンターがあったという驚きの写真(昭和40年頃撮影)もありました。

箱根 駒ケ岳山頂散策マップ

富士展望広場からの眺め

この日の駒ヶ岳山頂の気温は17度!真夏でも山頂付近は平均18度という低い気温を保っているそうで、ここは木陰がない避暑地なんですね。太陽が燦々と降り注ぐ残暑のなか、ヒンヤリとした爽快な空気でとても気持ちが良く、絶好のハイキング日和です。

まずは頂上駅のすぐ裏手にある富士山展望広場へ。目の前を通り抜ける雲の流れが早く、シャッターチャンスが難しい…やっとのことで富士山の姿を捉えることができました。

山頂広場からの眺め

山頂広場からは、芦ノ湖を中心とした箱根の全景と外輪山の山々や雄大な富士山、また遠くの駿河湾や伊豆半島までを見渡すことができました。雲が無ければ初島や伊豆大島なども見えるようです。

南西方向には元箱根港や箱根旧街道杉並木、恩賜箱根公園などが見えます。

天空の社殿「箱根元宮」へ

山頂広場から中央広場に移動し長い階段をのぼって、箱根駒ケ岳山頂にある天空の社殿「箱根元宮(はこねもとつみや)」へ向かいました。

箱根元宮の御祭神は箱根大神(「瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)」「木花咲耶姫命(このはなさくやひめのみこと)」「彦火火出見尊(ひこほほでみのみこと)」の総称)。

高天原に座す「天照大神(あまてらすおおみかみ)」の神勅を奉じて、日向の高千穂峯に降り立った天孫「瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)」は、地神「大山祇神(おおやまつみのかみ)」の娘「木花咲耶姫命」と結婚し、「彦火火出見尊」が誕生。この三神を御祭神として箱根大神と崇め奉っています。

古来より山岳信仰が行われた駒ケ岳

今から2400年ほど前、霊峰「神山」の山神に畏敬した聖占仙人が、駒ヶ岳山頂に神仙宮を開き、その後、利行丈人と玄利老人により、神山を天津神籬(神が降臨する場)、駒ヶ岳を天津磐境(神を拝む場)としたのが始まりとされています。

駒ヶ岳は北に霊峰神山を拝し、古代祭祀=山岳信仰が行われたところです。その起源は、凡そ2000有余年の昔、天皇五代孝昭天皇の御代 聖占仙人が神山に鎮まリます山神の威徳を感應し、駒ヶ岳山頂に神仙宮を開き、次いで利行丈人、玄利老人により、神山を天津神籬とし、駒ヶ 岳を天津磐境として祭祀したのに始まる。

奈良時代、人皇四十六代孝謙天皇の御代、高僧の萬巻上人が入峰し、霊夢をうけて函根三所権現として奉斎、天平宝字元年(757年)に山麓の芦ノ湖畔に社殿を造営し、里宮としたのが現在の「箱根神社」である。山頂の箱根元宮は、奥宮として、昭和39年に堤康次郎の寄進により建立、以来祭祀が厳修されており、四季を通じて参拝者で賑わっている。(案内板より抜粋)

白馬の信仰を今に残す馬降石・馬乗石

しめ縄が張られている岩は、白馬に乗った神様が降臨されたと伝えられる「馬降石(ばこうせき)」。また参道の右側には「馬乗石(ばじょうせき)」があります。

白馬の伝説

孝昭天皇の頃、聖占上人が山頂に神仙宮を祀り、修験の場所としました。今に残る馬降石・馬乗石は、ここに白馬が降りたとする名残りとしています。岩肌には馬の形が刻まれ、またそのヒズメのあとと伝えられるくぼみには、おんな日照りにも水が枯れたことがないといわれています。(案内板より引用)

青空に映える朱色の社殿

箱根元宮は、駒ヶ岳山麓、芦ノ湖畔にある箱根神社の元宮。現在の社殿は、箱根神社の奥宮として1964年に建てられたそうです。(西武グループを創業した堤康次郎氏の建立)

箱根元宮のご利益は、心願成就・除災招福・勝運守護・良縁成就。縁結びに御神徳の高い運開きの神様として箱根神社・九頭龍神社・箱根元宮の「三社参り」も有名ですね。毎月1 日と24 日に月次祭があります。

通常、神社には神様が鎮座する本殿と神様を拝む拝殿がありますが、箱根元宮は拝殿のみ。拝殿奥の扉を開くと、神の鎮座する霊峰「神山」が目前に広がっています。

標高1327mの駒ケ岳山頂から富士山を望む

標高1327mの駒ヶ岳は、標高1438mの箱根山(神山)に次いで箱根で2番目に高い山。その山頂からは富士山の山裾まで綺麗に見える絶景を一望することができます。富士山麓にある陸上自衛隊東富士演習場(左手の茶色の大地)も見えました。

南西方向にはロープウェイ頂上駅、その先に箱根外輪山や駿河湾が見えます。

相模湾展望広場からの眺め

天気が良ければ、湘南海岸から更に遠くの房総半島までが見えるという相模湾展望広場ですが…、あんなに快晴だったのにすっかい雲に覆われてしまい、残念ながら何も見ることができませんでした。山の天気は本当に変わりやすいですね。

東から西へ早いスピードで駆け抜けていく白い雲を間近に眺められたのは結構楽しかったです。

あとがき

駒ヶ岳ロープウェイの運行は通常17時には終了しますが、毎年元旦は駒ヶ岳山頂で初日の出を拝む人のために早朝運転を実施。また不定期で「星空天体観測ナイトツアー」を開催しています。(直近では2022年10月1日〜2023年1月9日の土・日・祝日)

車の場合、箱根園の駐車場(収容台数312台/1000円)を利用することになりますが、今回はプリンスホテルを訪問したので、プリンスホテルの駐車場(収容台数282台)を利用しました。プリンスホテル利用時、一般利用者の駐車料金は、平日が無料で、土日祝日・GW・年末年始・夏/春休み期間は1000円かかります。ただし、施設内のレストランやスーベニアショップなど「箱根プリンスショッピングプラザ」(全店舗)にて2000円以上利用すると駐車料金が無料になります。ロープウェイを利用する前後にランチやお茶をするのもいいですね。