【イタリア・ウンブリア】レンタカーで天空の街「オルヴィエート」を訪問!

レンタカーでローマを出発〜チヴィタからオルヴィエートへ!

ラツィオ州にある天空の街「チヴィタ・ディ・バニョレージョ」のあとに向かったのは、ウンブリア州にある天空の街とも世界一美しい丘上都市とも呼ばれる「オルヴィエート」。大地から隆起した「凝灰岩/トゥーフォ(Tufo)」の城壁に囲まれた特徴的な景観で、チヴィタ・ディ・バニョレージョとはまた違った美しさがある丘上都市です。

チヴィタからは、車で約30分(約25km)、ローマのフィウミチーノ空港から直行する場合は、アウトストラーダ(高速道路)を使って約1時間半(約150km)という距離です。

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チヴィタからオルヴィエートまでのルートをグーグルマップで調べると、おおまかに3本のルートがあり、私たちは中央のSP6からSP55のポラーノ、カステルルベッロを通り抜ける道を選びました。

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田園風景の広がる田舎道をゆっくり北上中に激しい豪雨に見舞われたため、途中で車を降りることができずオルヴィエートの勇壮な景観をゆっくり眺めることはできませんでしたが…車内から大きく隆起した丘の輪郭をかろうじて捉えることができました。

「オルヴィエート(Orvieto)」の歴史

チヴィタと同様にオルヴィエートの歴史は古く、紀元前8世紀頃にはエトルリア人によって要塞都市が築かれ栄えたが、紀元前264年に古代ローマ人によって攻め落とされたという…その後、中世前期には自治都市国家へと発展した。

現存する建物の中には考古学上の証拠となる古代ローマ遺跡も数多く、また「ネクロポリスの古墳」は、エトルリア文明の最も重要な遺跡のひとつだとか。ちなみに「オルヴィエート」の由来は、ラテン語の古い町という「ウルブス・ウェトゥス (urbs vetus)」から来ているそうです。

オルヴィエートの町はテヴェレ川に合流する手前にあたる、パリャ川とキアーニ川が流れる平野を見下ろす断崖の上に広がります。この火山による凝灰岩からできた台地は、平原地帯から約50メートル隆起していて、いくつかの火山の噴火活動によって形成され巨大な台地へと変化しました。確証ある文献によりますと、定住生活が認められるのは紀元前7世紀までさかのぼるとされていますが、青銅時代や鉄器時代から町があったと言われています。エトルリア時代には町は”Velzna”と呼ばれており、大きな発展を遂げ強い影響力を持っていました。断崖の上の町の史跡や、ネクロポリスの古墳などからエトルリアの時代を確認できます。古代オルビエートは紀元前6世紀から4世紀にかけて最も隆盛を極め、商業と芸術の中心となり、軍事的にもその自然が作り上げた砦に守られ覇権を握ったのです。紀元前264年には、町は古代ローマ人によって襲撃に遭い破壊され、住人たちは攻撃から逃れるため”Volsinii Novi”、現在のボルセーナ(Bolsena)へと逃げたのです。

ウェブサイト「ディスカバリング・ウンブリア/オルヴィエート」より抜粋

オルヴィエートの最東端「カーエン広場(Piazza Cahen )」に到着

車のフロントガラスが真っ白になってしまうほどの土砂降りの中、なんとか無事にオルヴィエートの「カーエン広場」に到着。広場にある有料駐車場に車を停め、しばし雨の様子を伺っていると、さすが晴れ女晴れ男夫婦!ウソのように雨が止んでくれました。

オルヴィエートの駐車場

オルヴィエートの中心街にはいくつも駐車場がありますが、とにかくイタリアの道路は狭いところが多いし、誤って「Zona Traffico Limitato(車両乗り入れ禁止地区)」に入ってしまうのも怖いので、オルヴィエートの東側にある駐車場、もしくは西側の駐車場(エレベーターとエスカレーターがあり、簡単に旧市街にアクセスできる)を利用するのが無難です。ちなみに私たちは最東端の「カーエン広場」にある有料駐車場に駐車しました。

※駐車場の白線内は「無料」、青線内は「有料」、黄色線内は「契約者専用や地域の住民専用」の駐車帯

旧市街のある丘とオルヴィエート駅をつなぐケーブルカー

カーエン広場の前にオルヴィエート旧市街の丘とオルヴィエート駅をつなぐケーブルカー(フニコラーレ/Funicolare)の駅があり、580m(標高差157m)の急勾配のレールを約2分で行き来できるようになっています。

※ローマやフィレンツェから鉄道を利用する場合は、オルヴィエート駅からこのケーブルカーが利用できるので、チヴィタ・ディ・バニョレージョほど不便な場所ではなく、比較的アクセスが良い。

オルヴィエートの中心街まではミニバスが便利

カーエン広場から中心街まで歩くことはできますが、長い上り坂が続くのでオルヴィエート大聖堂がある「ドゥオーモ広場」までバスを利用するのが便利

ケーブルカーの駅構内にある切符売り場でバスチケットを購入し、駅前から発車する小型バスに乗車(ケーブルカーを利用の場合は共通チケットでそのままバスが利用できる)、「ポスティエリラ通り」という岩壁沿い(最南端)の細い道を走り、数分でドゥオーモ広場に到着します。

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ファサードが美しい「オルヴィエート大聖堂(Duomo di Orvieto)」

1290年に建築が始められ、350人以上という数多くの建築家、画家、彫刻家、モザイク師によって17世紀初めに完成したというゴシック建築の「オルヴィエート大聖堂」。イタリアを代表するドゥオーモのひとつと言われ、その巨大さと莊嚴さに圧倒されます。

大きく重厚な青銅の扉とは対照的に、金色を背景にした鮮やかなモザイク画、聖書の人物や物語を描いた繊細な彫刻など、華やかに施された装飾で覆われたファサード(正面)が素晴らしく美しい!時間がある方は内部(撮影は禁止)も見学してみると良いと思います。

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ファサードは彫刻やブロンズ像で装飾されており、特に幾重にも重なったアーチの中の繊細なバラ窓は見どころ。

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ドゥオーモの側面は白と黒のストライプ模様の大理石が使われている。12月の訪問だったので大きなツリーが飾られていました。

オルヴィエートの旧市街を散策

ドゥオーモ通り( Via del Duomo)

ドゥオーモ広場前のドゥオーモ通りやコルソ・カヴールのメインストリートには、色鮮やかな陶器店や雑貨店、カフェやレストランなどが並び、どの店のショーウインドーもとってもセンスが良くお洒落!クリスマスシーズンということもあって店先や店内も華やかにクリスマスの装飾が施され、見るだけでも楽しい。

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街のいたるところで陶器屋さんを見かけます

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白でまとめたクリスマスの装飾がキュートな雑貨屋さん

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ウンブリア州の名物ポルケッタ「PORCHETTA UMBRA」を売っているお店のショーウインドウには、美味しそうなプロシュートやチーズ、ワインなどがズラリ!

マゴニ通り(Via dei Magoni)から入り組んだ路地へ

ドゥオーモ通りからマゴニ通りを通り抜け、リーパ・セランチア通り(Via Ripa Serancia)沿いにあるトラットリア「メッザルーナ」を目指す!

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ドゥオーモ広場からドゥオーモ通りに入ってすぐのトンネルをくぐるとマゴニ通り。工具、陶器、リネン、革製品などの専門店やカフェ・レストランが並んでいます。

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ドゥオーモ広場にある観光案内所で日本語のガイドマップをもらったものの、マゴニ通りの先は迷路のような狭い路地が入り組み、さらに高い壁に囲まれているので、どこを歩いているのか全く分からない。路地裏を散策するのはとても楽しいですが、グーグルマップがなければ迷子になっていました。

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メッザルーナの少し手前、デ・ラニエリ広場(Piazza Del’ Ranieri)沿いで見つけた素敵な陶器専門店「Töpferei」。ランチのあとに立ち寄りたいと思っていたら、すでにクローズ…。まだ14時前だったんですけどね、残念です。

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メッザルーナ(人が歩いている左側)に到着。ちなみに右側のラニエリ通りに続くデ・ラニエリ広場(Piazza Del’ Ranieri)をまっすぐ150mほど下った突き当りに人気観光スポット「カーヴァの井戸(POZZO DELLA CAVA)」があります。

カルボナーラが大人気の「トラットリア・メッザルーナ(Trattoria la MezzaLuna)」

地元の人が集まるオルビエートで人気のトラットリア「メッザルーナ」。特にカルボナーラが大人気で、もちろん私たちの目当てもカルボナーラです。

レストランは町の西側で中心街から徒歩10分くらいですが、細い路地から行く場合は詳細な地図がないと道に迷ってしまうのでグーグルマップが必須!入口も控えめでレストランには見えないので気付かず通り過ぎてしまいそうな雰囲気です。

※メッザルーナに行くには、迷路のような路地裏からではなく、メインストリートのコルソ・カブールから左折するのが分かりやすい。

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いつも混雑している人気店ということで、開店する12時15分までに行く予定でしたが、ちょいちょい寄り道してしまったせいで、到着したのは12時半過ぎ、まだ2テーブルほど空いていたのでラッキーでしたが、すぐに満席となりました。

次々とテーブルに運ばれていくのは、この店の一番人気のカルボナーラ周りを見回すと、ほとんどの人がカルボナーラを食べている…。近くのテーブルに2人組の日本人男性が座っており、そのお二人もカルボナーラを食べていました。

お客さんの中には昔からの馴染み客が多いようで、一人でひょっこり来た地元のおじさんは、勝手に冷蔵ケースから水のボトルを取って、いつものよろしく!みたいな感じでカルボナーラとブルスケッタ?をたいらげ、5ユーロ紙幣を1枚だけカウンターにおいて出ていきました。そんな感じで回転も速いのですが、え!?水とパスタだけで10ユーロはするのに5ユーロ?ローカルプライス?? まぁいずれにしても、とってもリーズナブルでアットホームなレストランです。

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イタリア語メニューの翻訳には写真とスクリーンショットの翻訳が簡単にできる「Microsoft 翻訳」のアプリが大活躍。

注文したのは、ミックスサラダ(Insalata mista)とアンティパスト(Antipasto misto)、メインにポルチーニ茸のラビオリ(Ravioli ai funghi porcini)とカルボナーラ(Spaghetti alla carbonara)。カルボナーラは一番人気とあってメニューに黄色のハイライトでマーキングしてありました。

野菜不足の身体になっていたので早くサラダを食べたかったのですが、そういえば…、イタリア料理は、メインのあとにサラダなんですよね。お腹が一杯になったあとしばらく経ってサラダがやってきました。

ミックスのアンティパスト(ntipasto misto)

ブルスケッタ、プロシュート、ピクルスなどが入ったアンティパスト。美味しいのですが、かなり塩分高め…シェアで十分楽しめます。

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ポルチーニ茸のラビオリ(Ravioli ai funghi porcini)

ポルチーニ茸がタップリのラビオリ。(フィットチーネもあり)

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絶品カルボナーラ(Spaghetti alla carbonara)

お目当てのカルボナーラは、口コミ通り絶品の旨さ!!パーフェクトなアルデンテに分厚いパンチェッタとたっぷりのパルメザンチーズが口の中でトロけます。濃い目の味付けで、こちらも塩分高めなのが少々気になりますが、美味しいんだからOKです!

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量がタップリで美味しくてしかもリーズナブル!カルボナーラ以外にもビステカ(ステーキ)、パルマ風カツレツなども人気だとか。オルビエートを訪問される際は、メッザルーナのランチorディナーをオススメします!

▼メッザルーナ(Mezza Luna)

フェイスブック公式ウェブサイト

トリップアドバイザー

高さ47mの歴史的建造物「モーロの塔」へ

次に目指したのは、街の見張り塔として13世紀末に建てられたという歴史的建造物「モーロの塔(TORRE DEL MORO)」。カヴール通りとドゥオーモ通りの角にあります。

まずは1階の書店兼土産店のレジでチケットを購入(1人2.8ユーロ)。小ぶりのエレベーターで2階(日本では3階となる)まで上がり、そこからは階段(間違っていなければ170段くらい)をのぼることになります。

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「モーロの塔」からオルヴィエートの中世の街並みを望む

階段をのぼりきった高さ47mの頂上からは、中世の街並みを360度見渡すことができる!

やはり1番に目につくのは圧倒的な存在感を放つオルヴィエート大聖堂。その西側には12角形の鐘楼を持つレプッブリカ広場のサンアンドレア教会なども見えます。

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オルヴィエートの丘の先には、ウンブリア州の美しい丘陵地が広がり、艶やかな紅葉が綺麗でした。

頂上までの階段は結構しんどいのですが、眼下に広がる素晴らしいパノラマ ビューは一見の価値あり!

断崖絶壁にそびえ立つ「アルボルノツ要塞」

標高約320mという天然の要塞オルヴィエート。更にその断崖の上に、凝灰岩からなる堅固な城壁が築かれたという「アルボルノツ要塞(Rocca Albornoziana)」。

駐車時間のリミットまで、まだ少し時間があったので、カーエン広場からすぐの「アルボルノツ要塞」を覗いてみました。

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1364年に建てられたというアルボルノツ要塞のメインゲート。(中は綺麗に整備された公園になっていて、城壁内を自由に散歩することができる)

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城壁のテラスからは、遠方の隅々を見渡せる素晴らしい景色が広がっている。

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オルヴィエートの町が断崖絶壁の上に立っているのがよくわかります。崖下にはオルヴィエートを囲むように遊歩道があり高くそびえ立つルーペ(Rupe/岸壁)を下から堪能することができる。

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アルボルノツ要塞からオルヴィエート・スカロの町を一望。すぐ下にはオルヴィエート駅や線路、アウトストラーダ(高速道路)などが見え、その先には緑豊かな丘陵地が広がっています。

オルヴィエートの旧市街に新たな住居を建てるのは禁止されているため、この崖下のオルヴィエート・スカロの町が住居地区として広がっているようです。

残念ながら時間が足りず見学することはできませんでしたが、アルボルノツ要塞の近くには、地下62mの井戸まで(上りと下りが交わることがないように分けられた螺旋階段がそれぞれ248段ある)石段で昇り降りすることができるオルヴィエートの人気観光スポット「サンパトリツィオの井戸」があります。

崖下から天然の要塞を見上げる

オルヴィエートを去り際、往路では豪雨で見えなった城壁が車窓から見えた。進撃の巨人に出てくる巨大な壁を連想させるような空高くそびえ立つ城壁に圧倒!

少し外壁の周りを走り、時々停車してはその天然の要塞を見上げました。

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コンチェ通り、セゲリア通り、ポルト・ロマーナ通りが交差するランドアバウト(環状交差点)付近のゲート。城壁と完全に繋がった建物が面白い。

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ポルト・ロマーナ通り沿いのゲート。

オルヴィエート マップ

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今回のイタリア旅行は初めてのレンタカー。何事も安全を期して、暗くなってからの運転は避けたかったため(12月の日の入は大体4時半頃)、「コルトーナ」に向け3時前にオルヴィエートを出発しました。

たったの2時間半のクイック観光では、到底オルヴィエートの良さを堪能しきれません…。もし再び訪問できる機会があれば、次回はせめて1泊して、端から端までゆっくりとオルヴィエートの町を散策したいです。

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