【イタリア・トスカーナ】レンタカーでオルチャ渓谷の絶景を巡る旅①

2004年に世界文化遺産に登録された「オルチャ渓谷」(現地ではオルチャの谷という意味の「ヴァル・ドルチャ(Val d’Orcia)」と呼ばれている)は、イタリア・トスカーナ州南部、アミアータ山(Monte Amiata)からキアーナ渓谷(Val di Chiana)にまたがる広大な谷に位置し、なだらかな丘陵と糸杉が織りなす美しい田園風景が広がる渓谷です。

レンタカーでコルトーナからオルチャ渓谷へ!

2017年12月、ついにその憧れの「オルチャ渓谷」を訪れるチャンスが到来!なだらかな曲線の美しい丘陵、空に高く伸びる糸杉の並木、パッチワークのようなオリーブ畑やぶどう畑…次々と移り変わる素晴らしい景観を堪能しながら、冬のオルチャ渓谷を1日かけてドライブしました。

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宿泊先のコルトーナを8時半に出発後すぐに深い霧に覆われ、フロントガラスの先が真っ白!恐怖を感じながらゆっくりと進んでいるうちに、少しづつ霧が晴れてきて、やっと周りの風景が見え始めました。

オルチャ渓谷の主要都市・写真スポットマップ

オルチャ渓谷周辺には、ピエンツァ、サン・クイリコ・ドルチャ、カスティリオーネ・ドルチャ、モンタルチーノ、ラディコーファニ5つの主な街とモンティッキエッロ、バーニョ・ヴィニョーニなどの小さな田舎町があり、その全域が「オルチャ渓谷の自然と文化のアートパーク(Parco Artistico Naturale e Culturale della Val d’Orcia)」となっています。

写真スポット1「小さな田舎町モンテプルチアーノ周辺」

モンテプルチアーノ(Montepulciano)の町を通り過ぎようとしたところ、眼下にすばらしい雲海を発見!トスカーナ州の12月の平均気温が約6度前後ということで、さほど東京の気温と差はないのに、紅葉真っ只中!色とりどりの美しい景観が見られました。

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写真スポット2「美しいぶどう畑が広がる丘陵地」

モンテプルチアーノを南下し、SP88(Via della Montagna)に入って少し走るとぶどう畑が広がる丘陵地が出現。この辺一帯はワイン用の葡萄栽培が盛んなようで、道路に沿って広大な葡萄畑が広がっていました。落ち着いた秋色の風景です。

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農機具などを保管する倉庫でしょうか。こんなちょっとしたワンシーンにも味わいを感じます。

写真スポット3「絵画のような美しいオルチャ渓谷」

モンティッキエッロ方面に向かう途中、雑木林に囲まれた細い道路(SP88)が急にひらけるところがあり、そこが素晴らしい見晴らし!場所は「Gottardo Zulian Rosa Maria」というファームステイができる宿泊施設あたりで、アミアータ山へと続く壮大な景色が広がるオルチャ渓谷が眼下に広がっています。写真では表現しきれない、壮観な景色です!

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上から大きなナイフで切り裂かれたような山の斜面の裂け目。そんな豪快な大自然を目前に家がポツンと建っています。

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なめらかな風合いの山肌が美しい…

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ズームしてみると丘の上にも家が見えます。

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何とも言えない幻想的な絶景の中で一体どんな人が暮らしているのでしょうね…

写真スポット4「モンティッキエッロの有名なビュースポット」

ピエンツァの南東にある「モンティッキエッロ(Monticchiello)」は、典型的な中世の町。標高約500mで約200人程度の住民がいる小さな集落で、このモンティッキエッロの南に有名なクネクネ道があります。

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SP88の道路をモンティッキエッロ方面に進むと糸杉に囲まれたクネクネ道を通り抜けることができます。

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1本西側の砂利道を入ると、このクネクネ道の全景が一望できるビュースポットがあります。

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ダイアン・レイン主演の「トスカーナの休日」で有名になったこのクネクネ道、映画のシーンではこの道をツアーバスがくだっていきます。

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トットットッと音がする方を振り向くと、懐かしい三輪トラックがこちらに向かってきました。作業場の前に車を停め「ボンジョールノ」と言って手を降るおじいさん。風景も人も、ほのぼのとしてのどかです。

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野良仕事を始めるおじいさん。どうぞ末永くお元気で!

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ビュースポットから北西にかけての丘陵地。約5km先のピエンツァの町が見えます。

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「ピエンツァ(Pienza)」は、中世の街並みが美しい丘上都市です。

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うねる大地に点々と家が建っているのが見えます。

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この日は雲行きの怪しい天気で西側はザーザー降りの雨。青空だったらもっと綺麗なのにと思っていたら…素早い雲の流れが、早送りの映像を見ているような光と影の演出となって素敵でした。

写真スポット5「美しい丘陵地とピエンツァの街並み」

モンティッキエッロからピエンツァまでは美しい丘陵地が続きます。SP88で南西に向かい、SP18を右折してしばらく走ると、ピエンツァの街並みが綺麗に見えるビュースポットがありました。

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一面茶色の大地と思いきや…

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美しい緑の大地が現れる…

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丘の上にホワッホワッとデコレーションのようにのっかっているのは、オリーブ並木でしょうか。なぜか笑顔がこぼれます。ポツンと立つ1本の木には力強さを感じます。

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冬のトスカーナはもう少し殺伐とした感じなのかと思っていましたが、茶色の大地もあれば思いのほか緑や紅葉したところが多く、色々な表情が見られました。

後日調べたところ、オルチャ渓谷では、6月に牧草や小麦畑の刈り入れがあるので、緑がなくなり一面土色の丘陵地になるのだとか。なるほど、早くも冬になると緑が復活してくるのですね。青々とした丘陵を見たい場合は、3月下旬から4月頃が一番美しいオルチャ渓谷が見られるそうです。

オルチャ渓谷の土壌について

大昔は海であったというこの一帯は、塩分を含む粘土質の土壌。14世紀、耕作に向かないこの土地を約300年という長い年月をかけて開墾が進められた際、自然美を損なわぬよう美しい景観を作るべくして現在のような素晴らしい田園風景が誕生したのだそうです。(オルチャ渓谷は2004年「文化遺産」として世界遺産登録されています)

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土壌改良がなされたとはいえ、舗装されていない野良道に入ろうものなら靴は泥だらけ…車のタイヤもご覧の通り厚い粘土に覆われてしまい、こそぎ落とすのが大変!車を走らせると、残っていた粘土と砂利がバンパーの内側に飛び散り、その激しい音はまるでヒョウが降っているかのようでした。大雨が続いたあとだったので通常よりぬかるんでいたこともあると思いますが…路肩駐車の時は気をつけて下さいね。

次に向かったのは、こちらの撮影スポットから約4km先の町「ピエンツァ」。1996年に市街地の歴史地区 (centro storico) が世界遺産に登録されている美しい町です。

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